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大井昌和 「四季を食べる女」

2018.01.05   CULTURE | BOOK

竹書房
750yen+tax

 各地を巡るカメラマンと四季の風景の物語。読み返してみると一度も主人公は名前を名乗っていないので名も知らぬ女性ですが、丁寧に描かれている彼女の心情や所作から古くからの知人の旅を眺めているような気分になります。主人公の2つの出版社を渡り、10年の歳月をかけて刊行された本書。各話で期間が空いているため絵のタッチの変遷が分かるのもファンには嬉しいところ。最終話では別作品ヒロインの結婚直前の姿? も。大きく動く話があるわけではありませんが、ゆっくりとした空気感が流れる物語は年末年始、目まぐるしい今の時期、ページをめくることで一息つくことができる作品となっています。山海の景色だけでなく都会の喧騒のなかにある四季の風景も切り取っています。セリフが少ない作品なので、ゆっくりと静かに本を読みたい方にはオススメの漫画です。
※2/6に大井昌和さんをお迎えしてのイベントをAsagaya/Loft Aにて開催。(Asagaya/Loft A:柏木聡)

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