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高橋まこと / スネア

2017.09.01   CULTURE | BOOK

立東舎文庫
900yen+tax

 浅からぬ縁のある本なので紹介したい。BOØWYやDe-LAXのドラマーとして名を馳せ、現在もJET SET BOYSの一員としてバンド活動にこだわり抜く高橋まことが2007年に上梓した自叙伝の増補改訂版である。刊行後の10年分のエピソードを綴った新章が加えられた誠実なつくりだが、彼がライフワークとする東日本大震災の復興支援活動に懸ける思いや原発再稼働を目論む現政権に対する不信などは一章分のボリュームに値するものだし、駆け足で語らずにもっと紙幅を割いてほしかった。とはいえ、谷あり谷ありの連続でも挫折に胸を張るアトミックドラマーの半生はやはり一読の価値ありで、仮に自分に光が当たらなくても卑屈になる必要は全くない、自分が光の当たる土台を支えているのだから誇りを持てという哲学は苦労人の彼らしく説得力がある。高橋の半生を通じて人生を楽しむエッセンスを読み取れる名著であり、折にふれてページをめくりたくなる一冊だ。(Rooftop:椎名宗之)

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