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雨宮処凛 / 女子と貧困

2017.09.01   CULTURE | BOOK

かもがわ出版
1,500yen+tax

 雨宮処凛による全編取材書き下ろしの『女子と貧困』は、原発事故での母子避難、シングルマザー、キャバ嬢、育児ハラスメント、進学をめざす生活保護の女性など、かろうじて生きぬいている(進行形)方の声が並んでいる。ここで語られている貧困状態に陥った理由は、「本人のせい」や「自業自得」なんてひとつもなかった。そもそも「仕方がない」で片付けてしまっていい命は、世界にはない。
 支援をしている女性の、「助けを呼ばない人が強い人じゃない。必要なときに助けてと言える人が強い人だよ」に続いた一言、「何度でもね」は読み終えてからも、たびたび思い出している。使えるヘルプが最後の手段になってしまってはいけない。一度きりじゃない、何度だって使える。あなたも辛くなったら、軽々しく助けを求めてほしい。「助けてほしい」「一人だと無理かも」「手伝ってほしい」もちろん、何度でもだ。死んでしまうよりずっといい。(成宮アイコ)
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