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新感染 ファイナル・エクスプレス 

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 ウォーキング・デッドなどでゾンビ物はもうすっかり一般的になり、訳知り顔の芸人がゾンビウンチクを語るまでになった。しかし連続ドラマとゾンビ物の親和性には少々疑問を呈したくなる。スター役者がいきなり死ぬわけはないからだ。登場人物がいつ噛まれるか判らない、というのもゾンビ物の肝であるわけだ。その点、この「新感染」は近年のゾンビ映画の中でも出色の出来だ。「新幹線大爆破」にゾンビを掛け合わせたような本作では、超特急の中にゾンビと共に閉じこめられた人々が生き残りをかけて戦う。登場人物は皆一般人、音や動きに反応するゾンビを狭い車内でどうやり過ごすか…。サスペンスは普通のゾンビ物の倍増しだ。恋人や親子を巡るストーリーや、パニックになりエゴを剥き出しにした人々の浅ましさや人間模様も描かれ、昨今の大量のゾンビがワラワラ殺到するトレンドも取り入れている。まさに過不足なしの、10年に一度のゾンビ映画の傑作である。(多田 遠志)