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怪物はささやく

配給:ギャガ 6月9日(金)TOHOシネマズ みゆき座 他全国ロードショー

 47歳で惜しまれつつも亡くなった英国の女性作家シヴォーン・ダウドの未完の遺作を、この映画の脚本も務めるパトリック・ネスが引き継ぎ完成させた『怪物はささやく』は、世界中で翻訳されベストセラーを記録したファンタジー小説だ。ある真夜中、13歳の少年コナーと難病に冒された母親の二人が暮らす小さな家に巨大な怪物が現れた。時刻は12時7分。丘の上のイチイの木の姿をした怪物は言う「わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ」。母親の病気が悪化していくにつれ少年の心にも大きな影を落としていく。祖母ともそりが合わず、学校でも孤立するコナー。怪物が話を終える毎にその奇妙な物語とコナーの現実の境目が徐々に曖昧になっていく。はたして4つめの物語とは? そして怪物は何故12時7分に現れるのか? この優れた物語を映画ならではの美しい映像で体験できることに心の底から感謝したい。(加藤梅造)