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トップレビュー大和田俊之、磯部涼、吉田雅史 / ラップは何を映しているのか ー「日本語ラップ」から

大和田俊之、磯部涼、吉田雅史 / ラップは何を映しているのか ー「日本語ラップ」から

2017.05.01   CULTURE | BOOK

毎日新聞出版
1,200yen+tax

 現在、世界において一番消費されている音楽はラップであることは間違いない。そして基本的には一人称で「どの口」が「何」を言うかで競い合うゲームであることも今も昔も変わらない。では一体それらは「いま」を写しているのか。反トランプやユニティを歌っていたラップ業界と大統領選の結果の温度差に当時、僕は唖然とした。ではラップになぜ政治性を求めるのか、そもそもUSラップは何を歌ってきたのか、そしてその文化を自分たちなりに解釈しようとした結果の日本のラップのねじれ構造や歴史修正、そこではどういう意識が働いたかなど議論は多岐に渡る。個人的には日本のラップでのオリジナリティを求めた上で、右傾化を招いてしまった流れなどは体験として感じるし、またもっと深堀して欲しいテーマもある。そこに終わりはない。誰が参加しても良いゲームだからこそ、そこにはバトルや議論が生まれる。この本そのものがラップ文化を体現している本である。(LoftPlusOne West : 松井良太)

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