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雨宮処凛 / 一億総貧困時代

集英社インターナショナル
1,400yen+tax

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 「お父さんの子どもを産みました」「生き残ったのが父じゃなくて私で良かった」目次に並ぶ言葉をセンセーショナルに感じたのならば、わたしたちはもう少し想像力を持つべきだ。なかったことにされそうな事件が抱える問題を当事者が具体的な言葉で語る、この圧倒的な現実感。自立援助ホームから年齢制限で退寮となった子どもたちの半数以上が行方知れず。生活保護から老齢加算が廃止され、冠婚葬祭に出られず深まる高齢者の孤立。家族が一緒にいるために選んだ一家心中。自分の身に起こること以外は全て自己責任だと切り捨てていると、そのうちわたしたちは世界から「日本に生まれたのだから自業自得だ」と言われる日が来るかもしれない。巻末の対談で著者が言った「人との関係、それが一番のセーフティネット」という言葉の重み。雨宮処凛がわたしたちの生きづらさに寄り添ってきたように、今度はわたしたちが誰かに寄り添うことができるように、と願うばかりだ。(成宮アイコ)

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