母はジャパネットたかた信者だ。薄型テレビ、圧力炊飯器、電子レンジ、ダイソンのハンディクリーナー、健康増進ウォーキングシューズ、ざっと思い浮かべるだけで母がジャパネットで購入した商品がこれだけ挙げられる。取り扱う商品は家電量販店と同じ物であるのにジャパネットで買うと何が違うのか、と母に聞く。高田社長がすすめる物は何だか良い物のような気がする、と答えた。本著『伝えることから始めよう』で言う情熱がしっかりと伝わっていたのだ。本著はジャパネットたかた創業者高田明氏が22年にわたりテレビショッピングの最前線で、商品の魅力を幾万回と唱え続け達したモノを売るということに関する哲学とノウハウ、そしてそれらを応用した普遍的コミュニケーションへの言及で成り立つ。伝えるのではなく伝わるようにする、その為には声が裏返るほどの情熱が必要と語り、実は声が低くおしゃべりではない一代で年商1700億の大企業を築いた男の人生をみた。（ロフトプラスワン：小川雄太）