12月23日から、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
昨年フランスで公開されるや口コミで広がり、110万人が映画館に訪れた映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』がいよいよ日本で公開される。監督は女優のメラニー・ロランと、ジャーナリストのシリル・ディオン。メラニー・ロランは『イングロリアス・バスターズ』『オーケストラ!』などで日本でもよく知られている人気女優だ。二人がこの映画を撮ったきっかけは2012年に「ネイチャー」に発表された「人類は滅亡する恐れがある。それも決して遠くない未来に」という研究論文を読んだことだ。論文を読んで大きなショックを受けたメラニーとシリルは、未来を幸せに暮らすためのライフスタイルを求める旅に出た。それは農業、エネルギーはもちろん、経済、デモクラシー、教育にまで至る幅広い分野における注目すべき人々との出会いの旅でもあった。この映画を観て分かるのは、従来の石油産業を中心としたシステムに象徴される「中央集権的」「依存的」な社会から、「分散的」「自立的」な社会への転換が世界のあちこちで起こっていることだ。新しい物語を描くにはまだ遅くない。（加藤梅造）
