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トップレビュー悪趣味ビデオ聖書

悪趣味ビデオ聖書

2016.09.06   CULTURE | BOOK

洋泉社 
2,800yen+tax

 ついにビデオデッキが生産終了となり、本当にビデオも過去の遺物となった感があるが、本書は黄金期であるビデオバブル時に大量にリリースされたクズホラーやエロ映画などのゴミ映画群にスポットを当てた「悪趣味ビデオ本」の集大成的な本だ。「殺人豚」「SF SEX 異星人のえじき」「首だけ女の恐怖」などタイトルだけで忘れられない作品が目白押しだ。見たことを後悔したり、心に何かイヤな澱のような物を残す記憶に残る作品群は、今のネットやSNSでの口コミに頼った損をしたくないという映画鑑賞へのへのアンチテーゼ的な、見せ物的ないかがわしさを思い出させてくれる。実際、このシリーズで紹介された作品が多数商品化されているが、映画の未知なる世界を知るための格好のガイドブックだ。いまや映像配信も盛んになり、DVDですら絶版となる商品が増えている。いずれ「悪趣味DVD本」が必要になってくるのかもしれない。(多田遠志)

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