8月13日よりユーロスペースで公開
『ウッドストック』はもちろん、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』や『マッスル・ショールズ』『スケッチ・オブ・ミャーク』など、私はとりわけ音楽ドキュメンタリー映画が好きなのだが、パキスタン伝統音楽とジャズのビッグバンドが奇跡的に出会うという歴史的瞬間をカメラに収めたこの『ソング・オブ・ラホール』もまた、素晴らしい音楽ドキュメントと言っていいだろう。かつて芸術の都だったパキスタン・イスラム共和国の街、ラホール。いまではタリバンにより音楽を禁じられ、世間から忘れ去られた熟練音楽家たちは、自分たちの音楽と聴衆を取り戻すため、畑違いのジャズに挑戦し世界に打って出ることに。天才トランペット奏者ウィントン・マルサリスの招待でジャズの本場ニューヨークに渡米したのだが…。とにかく文化も生活も習慣も全く違うミュージシャン同士が「音楽」を頼りに互いにコミュニケーションの糸口を探していく過程が素晴らしい。そして迎えた本番。一体どんな演奏が繰り広げられるのか？ 是非劇場で体験して欲しい！（加藤梅造）
