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トップレビューさとにきたらええやん

さとにきたらええやん

2016.06.02   CULTURE | MOVIE

6月中旬より全国順次公開

 労働、差別、貧困、医療、福祉の矛盾が集中し、「日本の縮図」とも呼ばれる大阪市西成区釜ヶ崎で、38年にわたり子どもたちの集い場として存在し続ける『こどもの里』を追ったドキュメンタリー。”生き辛さ”とはここに通う子どもだけではなくて、親自身の中にもある。だからこそ『こどもの里』は「叩いてしまいそうだから預けに来た」という母親の辛さにもしっかりと寄り添う。監督自身も覚悟がいる場面だったと語る”人間のトラウマ”に踏み込むシーンでは、思わず感情が溢れ、嗚咽が漏れそうになった。しかし、涙だけで終わる映画ではない。笑ってしまうようなかっこ悪さや、愛おしくなるほど必死な言い訳や逃げだってある。つまり、人間臭さ満載なのだ。深刻なテーマと裏腹に、人々は終始明るい。人が生きるというのはこういうことだよな…と、最後まで心に残り続けた館長の言葉を思い出した「わたしはあんたの味方やで!」あなたの人情も、きっと疼く。(Rooftop:成宮アイコ)

Rooftop「さとにきたらええやん」の重江監督インタビューはこちら

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