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41歳からの哲学 / 池田晶子

2016.02.01   CULTURE | BOOK

新潮社 / 1296yen

 なぜか私は池田晶子が好きなのである。ニーチェもフロイトもキルケゴールもほとんど解らないけど、この本は「考える事の大切さを語り続け、考える事に手遅れはない」と言い、私にも難しい哲学的諸問題、特に「生と死の問題」に優しく答えてくれるのだ。「哲学の貧困」と言われる時代、日本人は自ら考える事の大切さを放棄しているのだろうか?そんなテーマを持った本である。「魂とは何か」「私とは何か」「死とは何か」は池田昌子遺作3部作で私は生きて行くのが辛くなったとき、死の恐怖が目の前に立ちふさがったときなど随分「心休まる」感じで読書した。池田晶子の劇的な一言「生命は尊いだと馬鹿言っちゃいけません。生命は尊くも醜くもありません。ただの自然現象です。私たちは死ぬ。私は死ぬ。誰も死ぬ。」「忙しい、忙しいと生きていたら、なんと死ぬ時がそこに来ていた。いったい人は何のために何をしているのやら」「命は自然にゆだねるもの」と言いきる数々の珠玉のセンテンスにいつも救われている。(平野悠)

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