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ラオスにいったい何があるというんですか? / 村上春樹

文藝春秋 / 1650yen

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 村上春樹の紀行文というか随筆を二冊立て続けに読んだ。この本と「職業としての小説家」(スイッチ・パブリッシング刊)だ。こんな大作家?の本、なにもしなくても売れる本なのでここで取り上げる必要もないのかも知れないけど、やはり村上春樹はいい。文章がなめらかで読みやすい。個々のセンテンスのセンスの良さがあり余るくらい光っている。「旅先で何もかもがうまくいったらそれは旅行じゃない」「そこには特別な光があり、特別な風が吹いている」なんて言う本屋で見かけた帯の文句だけで衝動買いしてしまう。私はかつて何もかもがないラオスを訪れたことがあって、このコピーに心引かれた訳だ。この本は筆者が暮らしたボストンとかアイルランドとか日本の熊本までの10カ所の紀行文なのだが、これがまたいいのだ。ちょっとハイソで幸せな幸福感溢れていて、まるでユーミンの歌を聞いているみたいになってちょっと嫌らしいのだが、やはり文章のうまさには唸ってしまう。たとえば沢木耕太郎のリアリティ溢れる著書とは大分違っているけど、洗練された名文を読みたい人は是非。(平野 悠)

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