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トップレビューさらば、ヘイト本!嫌韓反中本ブームの裏側 / 大泉実成・木村元彦・加藤直樹・梶田陽介

さらば、ヘイト本!嫌韓反中本ブームの裏側 / 大泉実成・木村元彦・加藤直樹・梶田陽介

2015.06.01   CULTURE | BOOK

ころから / 900yen

 他国や他民族を嘲笑したり、民族差別や排外主義を扇動する本のことを「ヘイト本」と呼ぶが、2013年から14年にかけて大ブームとなり、『呆韓論』といったタイトルの本が粗製濫造されていた(ちなみに安倍政権の発足と重なるのは偶然ではないだろう)。しかし今年になってブームは終焉しつつあるようだ。似たような本が溢れた結果もあるが、なによりも国際社会が日本に対して厳しい目を向けるようになったのも大きいだろう。しかし人種差別という人類が抱えるやっかいな火だねは、いつまた再燃するかわからない。二度と同じことを繰り返さないためにも、いったい誰がどのようにヘイト本を作っていたのかを検証したのが本書である。「ガロから大嫌韓時代へ」と題した第二章では、かつてサブカルチャーの良心であった「ガロ」の出版社がどういう経緯を経てヘイト本を出すようになってしまったのかを、元オウム信者の話も交えながら丹念に検証している。手軽に読めるが中身は非常に濃い一冊だ。(加藤梅造)

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