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天沼メガネ節/吉野寿

2013.05.01   CULTURE | BOOK

青土社 / 1,680yen

 3ピースバンドeastern youth、その歌詞カードのクレジットには「ボーカル」ではなく「ボイス」と表記されていることを知っているだろうか。吉野さんの声には雲を蹴散らす雷がある。道ばたの花を見つける陽射しがある。相反するもののように思えるが、それは総て光である。『天沼メガネ節』は吉野寿さんの同名ブログを6年分も纏めた本である。インターネットで不定期に更新されデータで処理される「記号」でも、こうして手の中に収まると「言葉」に変わる。吉野さんの声が、光が、確かにここにあるという実感。この本はとても煩い本だ。文字が文字のままで居てくれない。喚き叫び轟き、読んでいるこっちまでなんだかうずうずして家を飛び出したい、そうしなきゃぁならない!という焦燥に駆られる。そういえばこの本は全366ページなのだが、これは狙ってやったのだろうか?是非次もこのくらい「今日」が重なったら発行して欲しいと思う。(Asagaya/Loft A 足立結春)

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