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原宿バッド・エンジェルス/遠藤夏輝

双葉社 / 1,470yen

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 舘ひろしと岩城滉一が結成したモーターサイクル・チーム、クールスの弟分としてバッド・エンジェルスを率いたことで知られる遠藤夏輝が才筆をふるった青春小説。著者はピッピこと水口晴幸の視点でクールスの群像劇を描いた小説『原宿ブルースカイへブン』を2007年に上梓しているが、本作はそのスピンオフとも言うべきエネルギッシュで瑞々しいアウトローたちの物語だ。まだ閑静な住宅街だった70年代後半の原宿を舞台に、クールスのメンバーとの結びつきから男を磨いていく主人公・千藤鷹也(モデルは筆者)の成長をベースに、男が惚れる男の在り方、無骨で荒々しい男同士の友情と絆、真っ直ぐがゆえに切ない結末を迎える恋愛模様などが瑞々しく躍動感のある筆致で書き連ねられている。不器用だがどこまでも一本気で、豪快さと繊細さを併せ持つ昭和の不良たちの姿がとてもまばゆい。なお、装幀を本誌のロゴ・デザインを手がけてくれた山口明が担当していることも付記しておきたい。(椎名宗之)