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出征前夜、私は母を抱きました

2011.03.10   CULTURE | BOOK

SUNロマン文庫 / 680yen

 「いのちの火の消える時に、お前の育った母さんのお部屋の中に必ず見送りに入ってきて。手なんか握ってもらうよりもいとしいお前の恋しいお水に送られて母さんはあの世へ行きたい」...by76歳、母を看取る時の会話。「若武者の出陣の前夜なのよ。晴れの門出に立つのが男...」「母さん、そ、それどういう意味」...by85歳、表題作通りの一夜の実体験告白。...参りましたっ!! 70代後半による性体験告白投稿ものがほとんど、大戦前後を生き延びた世代は性の言葉運びに風情があります。8本中3本が母相手。1本なんと妹萌え...ただしどう考えても60超えの妹を部屋に"飼い"、「O嬢の物語」よろしく同意の上で軟禁調教...! その年代の恋慕欲情相手は係累血縁が多いのか? 妄想力のみと言い切れない生生しさにごくり。裏表紙のアオリ文も最高で「三丁目の夕日が沈み...たばこ屋の看板娘も、大工の棟梁も、昼間とは全く違った顔になりました」。続刊「防空壕で隣のおばさんと...」が楽しみでしょうがありません! 生と死の極みのエロスは至上です。(尾崎未央)

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