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「2SEE MORE #20」ゲスト:塚本直毅(ラブレターズ)

7月開催のユニットコントライブ『すいているのに相席'18決断』で共演するラブレターズ・塚本直毅さんをお迎えする写真×対談企画。稽古開始前に距離を縮めるべく、最近気づいた「やっぱり●●が好き......」などなど、塚本さんの素顔に迫ります。そして、写真家PANORAMA FAMILYをして「フォトジェニックで撮りやすい」「かなり好みの服装をしている」と言わしめたクールな表情とファッションにもご注目。(撮影/PANORAMA FAMILY 文・構成/山脇唯)

 近づきそうで近づかない時期が……、すいません。ちょっと恋愛みたいになっちゃって。

 

山脇:『すいているのに相席'18決断』(7月11日~16日・中野テアトルBONBON)でご一緒するので、まず距離を縮めたいというのもあって、お呼びしました。

塚本:よろしくお願いします。

山脇:気取らず、気張らず、普段通りに話してもらえたら、ていう企画です。

塚本:前にこの連載に出たしずるの池田さんに聞いたら、「ほぼ一字一句起こされてんだけど」って言ってましたよ。

山脇:一字一句起こしました。よっぽどのこと……ここは書かないでね、っていうのはカットしてますけど。ハリウッドザコシショウさんに至っては、答えが全部嘘で、ずっとボケ続けてたんですけど、それも一字一句。「生まれたのは双子じゃないよ、100つ子」「大変ですね」とか。

塚本:そんなインタビュー記事見たことない。

 

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山脇:塚本さんと私は、一度も何も一緒にやってないんですよね。

塚本:そうですよね、ほんとに、ないですよね。今回の『すいているのに相席'18決断』が初めてですよね。相席4のゲストはありましたけど。

山脇:一瞬だけ、山本"KID"徳郁の役で出てもらったとき。あのときは、楽屋でも話さなくて、本当に”ゲストさん”って感じだったから……。なのに、なぜか仲良いつもりでいるの、なんでだろうって思ったんですけど、今。

塚本:会いそうで会わない年数が長い、みたいな、不思議な。近づきそうで近づかない時期が……、すいません。ちょっと恋愛みたいになっちゃって。ごめんなさい。

山脇:会わない時期が長くて。遠くはない存在ではあったんですが。

塚本:遠くはない方だなあと思いながら、はや数年くらいのことですよね……。

 

あれはマジで精神と時の部屋みたいな。

 

山脇:私、2014年のザ・ギースとラブレターズの日替わり興行『浅草のニュー喜劇人』(あさくさ劇亭)を観に行ってて。あれは、14日間だったかな?

塚本:30日間です。

山脇:え、そんなに? そんなに長いこと?

塚本:いや、むちゃくちゃだったやつです。

山脇:そのとき初めて、生でちゃんとラブレターズを観て。もちろん、もともと存在は知ってて。当時、ザ・ギースと高橋さんとバッファロー吾郎A先生と私の5人で『空いているのに相席』やって、アフタートークで「また次あるんですか」って言ったらA先生が冗談で「次からはラバーガールとラブレターズ!」「生々しい!」 みたいな流れはあったんですよ。

塚本:そんなのあったんですか。

山脇:だから、ラブレターズのことは意識してて。

塚本:入ってくるかもな、みたいな。

山脇:なので、今回は満を持しての、ご一緒って感じです。

 

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塚本:浅草の、あのむちゃくちゃなライブ、観にいらしてたんですね

山脇:いってました。30日間もやってたんですね。私は確か、公演の中頃に行ったと思うんですけど。

塚本:まだギース高佐さんは壊れてなかったですか?

山脇:え? ピアノは弾いてましたけど……。

塚本:高佐さんがもう、ぶっ壊れちゃう事件があったんで。

山脇:どういうことですか?

塚本:毎日、同じ空間にいて、次の日のネタも考えなきゃいけないし、ゲストの企画も考えなきゃいけなかったんで、ずーっと根つまった状態で。もう、わけわかんなくなっちゃって、道路に寝っ転がったりしてたんで。

山脇:えー!

塚本:「高佐さん!」つって。もう、ずーっと笑っちゃってて。

山脇:だからか。あれ以降、高佐さんすごい変わったな、強くなったな、って思ってました。

塚本:いや、あれはマジで精神と時の部屋みたいな。マジでもう。

山脇:30日間ってすごいですよねー。

塚本:不思議な1ヵ月間でしたね。

山脇:そのあと『すいているのに相席2.5』の公演がルミネであって、ギースが強くなった感じがして、あ、私も頑張らないと置いていかれちゃうなって思った記憶があります。

塚本:僕達も、その年キングオブコント決勝いけたんで。いいライブではあったんですけど。

 

 ちょっと浮気気分もあります。「あれ、相方と仲良い人だよな、こんなに喋ってくれてるんだ」とか。

 

山脇:実は……何も知らないんですよ、塚本さんのこと。

塚本:何も、僕のこと知らないですよね。

山脇:よく考えたら何も知らない……と思って。静岡出身ですよね。

塚本:そうです、浜松出身で。

山脇:はい。

塚本:不思議な感じですね、喋り続けるの。

山脇:仲良くなれますよ。1時間みっちり喋ると、やっぱ、心の距離が縮まるんで。

塚本:ちょっとなんか、照れ臭さもあるんですよ。先に相方の溜口と共演されてるじゃないですか。コンビあるあるなのか、「相方と仲の良い女優さんだ」っていう引け目があるんです。あるんですよ、なんか、変な。

山脇:えー。そっか。先輩に対してもそうですよね、どっちかが可愛がられたら、もう1人はいかない、みたいな。

塚本:ちょっとひいちゃう、みたいな。

山脇:あれってなんなんですかね。

塚本:なんか、そうなっちゃうんですよ。ドキドキしちゃうんですよ。

山脇:間男みたいな感じですか?

塚本:あ、ちょっと浮気気分もあります。「あれ、相方と仲良い人だよな、こんなに喋ってくれてるんだ」とか。

山脇:こう、お花見とかで集まるときも、コンビの片っぽがくる、ってことが多くて。皆さんでごはん食べようとかってときに、コンビでくるのってギースくらい……。私も、どっちとも仲良くしてるのってギースだけかもしれないです。

塚本:そうなんですね。

山脇:この企画も、しずる池田さんにオファーするときはドキドキしました。

塚本:ドキドキしましたか。

山脇:同じです、浮気みたいな感じ。村上さんを差し置いて、みたいな。差し置いたわけじゃないんですけど、なんだろう、乗り換えたみたいな感じになるんですかねえ。

塚本:ねえ、確かに。

山脇:コンビって、難しい存在、珍しい関係性ですよね。

塚本:うちらもコンビ揃って動いたりする方ですけど、それでも少なからずやっぱりあるんで。強烈にある人はだいぶあるんだろうなって。

 

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ものすごく心優しい戸塚ヨットスクールみたいな。

 

山脇:相席、ラブレターズ二人とも出るってなってよかったです。

塚本:そうですね、確かに。どきどきするなー。

山脇:去年は、溜口さんがバッファロー吾郎A先生のコントセレクション『硝子細工の如く』に出て、せきしろさん演出の佐藤貴史単独ライブ『元々は賄いだった』に塚本さんが出てたから、なんとなく溜口さんがA先生組、塚本さんがせきしろ組、みたいな感じでしたね。

塚本:あのお二方、偉大すぎませんか。大きいですよね、存在が。

山脇:みんな、この数年のあいだ、お2人に可愛がってもらってなかったら、どうなってたのかな、っていう。私もその1人ですけど、『すいているのに相席』に呼んでもらえてなかったら、あきらめてた、くさってたんじゃないかと……

塚本:折れてたみたいな?

山脇:やれなくなっちゃってたんじゃないか、と。

塚本:ものすごく心優しい戸塚ヨットスクールみたいな。

山脇:戸塚ヨットスクールは、心優しい、をつけてもだめですよ(笑)、戸塚ヨットスクールは優しくてもだめです。

塚本:落ちこぼれまくった子たちを、心の優しさだけで育て上げて、送り出すみたいな。

山脇:ははは。更生施設。

塚本:なんですかね、暖色の似合う人たち。いやあもう、まじで、清らかになるんだよなあ。

山脇:鬼ヶ島アイアム野田さんの単独とかも、ねえ。

塚本:アイアム演芸大賞にこどもがダンスチームで出てるとかも、すごい光景ですもんね。優しい……とにかく優しい。

 

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塚本:ありがたいですよね、本当に、そこに。

山脇:相席、楽しみですよね。

塚本:ほんと楽しみです。ギースさんががっつり出てたんで、僕らで大丈夫なのだろうか、とか気にするとこもありますけど。

山脇:ギースとラブレターズって、先輩後輩で、何年くらい違うんですか? 

塚本:え、何年違うんだろう、結構違いますよ。倍くらい……

山脇:え、倍? 親子くらい違うってことですか?

塚本:あれ、そんなないのかな。うちら10年目になって……で、ギースさんが17.8年……そんないくのかな。でもそれくらいです、多分。

山脇:そうか。ギースさんが20歳そこそこで始めたとして、もうすぐ20年を前にしてるって考えると……ラブレターズは、2009年からですよね……

塚本:いま、10年目になって。

山脇:あ、じゃあ確かに、倍近くは。

塚本:違うは違うんですかね。

 

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 相席って、その……稽古厳しかったりするんですか?

 

山脇:芸歴でいうと、ラブレターズはどこと同期になるんですか?

塚本:吉本でいうと14期っていう。

山脇:じゃあ、今30歳くらいの人たちの代ってことですよね。

塚本:そうです、スパイクさんとか……

山脇:こやつタイムさんは13期でしたっけ。

塚本:こやつさんは先輩です、はい。

山脇:そういうの上下関係みたいの、あります? 他事務所との間でとか。

塚本:やっぱ吉本さんが、養成所の期で強烈に芸歴バチバチ決まるじゃないですか。他事務所は、それぞれの養成所もあるし、養成所入りなおして何年目、とかもあるし、僕らみたいに養成所入ってない奴もいるし、その分ゆるくて、もうわりとぐちゃぐちゃで。「1、2年の差は別にいっか」みたいな空気感はありますよね。

山脇:ほー。

塚本:一番最初に仲良くなった人力舎の組が、僕らよりも芸歴で言ったら一個上なんですけど、そこと「まあ、ほぼ同期でいこうよ」みたいな感じでタメ口使ってたら、その組の一個下の人たちが全員敬語になっちゃって。

山脇:「先輩とタメの人たち」って思っちゃうから。

塚本:本当はその人たちと同期なんだけど、みんな敬語になっちゃうみたいな、変なことがいっぱい起こっちゃう。

山脇:そうなんですねー。

塚本:そうなんですよ。山脇さんはもともとヨーロッパ企画なんですか?

山脇:東京で大学生やりながら演劇やってて、ヨーロッパ企画に呼ばれて京都にいって、卒業して、東京に帰ってきたみたいな感じです。

塚本:そうか、つかこうへいさんの養成所に行かれてたんですよね。そこは、相方と共通してるんですよね。

山脇:そうですそうです、だから、つか歴でいうと、私は溜口さんより先輩なんです。

 

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塚本:相席って、その……稽古厳しかったりするんですか?

山脇:全然、厳しくないです。

塚本:あの空気感のまま?

山脇:あのまま、あのままです。台詞を各々で覚えてきて、合わせて、「ここ、こうしたら面白いかなあ」みたいな話をしたりとか。わりとやさしーく、たのしーく。

塚本:うわあ、いいなあ。いいですねえ。

山脇:「やりたいです」っていうとA先生が喜んでくれる。

塚本:え、そうなんですか?

山脇:稽古中に「何やりたいんだ?」って言われたら、「わたしのなんとか、やらせてください」っていうと「いいぞ、やれ!」って言ってやらせてくれます。

塚本:いいですね。僕「飯食え」っていうアドバイスが一番多いんで。

山脇:「たくさん食べると面白くなるぞ」って。

塚本:いやあ、すごい。

 

(ふと、塚本さんの注文した飲み物が来ていないことに気づく)

 

山脇:塚本さんの頼んだもの全然出てこないですね。

塚本:2回確認に来たんですけどね。

山脇:水から出してるのかな……今ぽとぽとと。

塚本:2回確認きたんですけどね……。

 

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「この、横で笑ってる人、この職業なんなの? めちゃくちゃ楽しいじゃん」

 

山脇:塚本さん、日芸ご出身ですよね。日藝の、文芸。

塚本:そうです。そうです。

山脇:それは、何になりたくて?

塚本:放送作家です。中学生の時に『放送作家』って職業を見つけて「あ、やりたい!」と思って、そこから、はい。

山脇:よく見つけましたね! 『放送作家』って職業があるってことに辿り着くの、遅い人もいるじゃないですか? 

塚本:ラジオ聴いてて、隣りで笑ってる人、何だろう、っていう。ベタな入りですけど「この、横で笑ってる人、この職業なんなの? めちゃくちゃ楽しいじゃん」で、そっからですね。

山脇:へえー。

塚本:大学の時に、養成所じゃないですけど、無料で通えるセミナーみたいなのに行ったりしてました。

山脇:「放送作家になるぞ」、と。放送作家塾みたいなのですか?

塚本:安達元一さんっていう「視聴率200パーセント男」みたいな、本とか出してるような作家大先生がいらっしゃって。その方が、ニコニコチャンネルかなんかで会議風景をそのままやる、っていう企画込みのセミナーがあって、そこに通ったりとか。

山脇:ほー。もう、めちゃめちゃ放送作家の道を……

塚本:行こうとしてました。でも、なりかたがわからなくて、結局……

山脇:あら。

塚本:なんか、雑多なリサーチとかやってたんですよ。リサーチャーみたいな。

山脇:リサーチ?

塚本:大学生の時にトリビアがすごいブームで、どんな番組にもワンポイントでちょっとした雑学が入ってて。ミュージックステーションに、僕が探したトリビアが使われてました。浜崎あゆみがどうのこうの、って一口メモみたいな。そういうのを探して探して、

山脇:『最近のあゆは、何色のネイルがお気に入り』みたいな……? え、それは仕事として、ですか?

塚本:や、えーと、それが、まあ「勉強でしょ」みたいな……

山脇:インターン、下請け、孫請けみたいな?

塚本:まあ、タダ、タダみたいな。で、「え、これってなんなの?」って辛くなって、だんだん、やめる方向になったんですけど……

山脇:あらー。

塚本:先輩から「こういう仕事あるけど、やってみる?」って言われて「つながりできるから」みたいな名目によって。

山脇:あゆの最近をリサーチ。

塚本:そうです。

 

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塚本:ちょうど、youtubeが流行り始めた時代でもあったんで「世界にある、まだ世に見つかってないオモシロ動画探してこい」みたいなリサーチがかかって。

山脇: 2000年代初期、中頃とかですよね?

塚本:『世界びっくり動画』みたいなの、めちゃめちゃやってたんですよ。

山脇:外国の人の動画、めっちゃ多かった時期だ。

塚本:はい。で、提出した動画で、「これいいね」みたいになったのが、世界のパントマイマー……パントマイムやる人? パントマイマーっていうかわかんないですけど、すごいパントマイマーの動画で。「これ、誰だ?」「 いやわかんないっす」ただ見つけただけで、文字も読めない、どこの国かもわかんない。で、「お前、裏取ってこい」って言われて「裏取るってどうすんだ」って、まったくわっかんなくて。もう、日本パントマイム協会みたいなのに電話して。

山脇:この人知ってますか、って。

塚本:なんだかんだ数珠つなぎで、が~まるちょばの師匠って人にまで電話して「知らね」って。が~まるちょばの師匠の番号、まだ入ってますもん。

山脇:『師匠 がーまる』で登録して。

塚本:そういうのが結構あって。心霊写真探してこい、とか。

 

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山脇:じゃあ、本当に、ラブレターズで、お笑いの世界、芸人になる、ってなったんですね。

塚本:はい。まったくそれまでは。

山脇:異色の。

塚本:そうすねえ。

山脇:それだと、演じ手になるイメージってもともとなかったんじゃないですか?

塚本:そうですね。学生内の演劇みたいなのは一回あって、相方と出会った場所はそこだったんですけど、もう、ほとんどなくて。

山脇:へー。

塚本:作家塾の流れで、『サラリーマンNEO』っていう番組の「コント案出してください」みたいなのをやらせてもらったときに、やっぱおもしろいなーと思って。それは下請けの下請けの仕事だったんですけど。もともと好きだったんで、そこから「コント書きたい」みたいになって。そこからですね。

山脇:へー。

塚本:卒論、コント書きました。何書いてもいい学科だったので。

山脇:えーああ、でもなんか、そう言われると、ラブレターズのことがわかってきた気がします。

塚本:わかりますか。

山脇:芸人さんが書いたコント、作家さんが書いたコントってなんか、あるなって思ってて。A先生のコントは前者の最たる者で、芸人さんにしか書けないものだな、って。ラブレターズは作家脳で書くコントなのかな、って……それで塚本さんはせきしろ組。溜口さんは「THE演者」って感じがします。

塚本:あー。

 

僕は、どうにか避けられないかっていうのを考えながら、でも見つかっちゃう、みたいなタイプ。

 

山脇:あと、今の話で「だからか」って納得したのが、この前、長井短と話したんですけど、オールナイトニッポン始まってすぐの頃に、塚本さんがアドバイスしてくれた、って。

塚本:うわ、ダメ、ダメなんだよ、それは人に言っちゃダメなんですよ。

山脇:結構、親身になって聞いてくれたって。

塚本:第1回終わって、なんか、会った時にね。なんか色々言ってたんで「じゅうぶん大丈夫でしょ」って話をしただけなんですよ、僕は……。

山脇:ガチのアドバイスって恥ずかしいですよね。人に伝わると。

塚本:山脇さんにそれが伝わるんだ。絶対口外するなっていったのに。

山脇:「今度相席で一緒にやるんだよ」って言ったら。長井短とは、ユニットコントライブ『弱い人たち』で一緒だったんですよね?

塚本:そうです。それで一緒になって。言ったか……。

山脇:聞いちゃいました。でも私も「短はそれでいいと思うよ」ってアドバイス重ねちゃったんで。恥ずかしいですね。

塚本:ああ、よかった。面白いですよね、あの子、素が面白いですからね。

山脇:塚本さんが放送作家志望だったって聞いて、なるほどな、と。そらアドバイスもするだろな、と。

塚本:急に恥ずかしくなっちゃいました。まさかの角度だったんで。

 

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山脇:中、高とラジオっ子だった、と。どんな学生生活でしたか?

塚本:僕、本当にだめな中学生っていうか……イケてない、もあるし、いじめられてたのもあるし。もうむちゃくちゃな学校生活だったんですよ。本当にその生活がいやで、県で一番頭の良い高校、そこがめちゃめちゃ自由だ、楽園だ、ヤンキーいないって話を聞いて、死ぬほど勉強してその学校入ったんですよ。だから高校はすごい楽しくて。

山脇:いいところだったんですね。

塚本:高校時代と中学時代ですごい差があるんですよ。中学がもう……

山脇:部活とか、やってました?

塚本:ずっとテニス部です。軟式テニス、硬式テニスで。本当は小学校のときミニバスみたいのやってたんで、バスケやりたくて。中学のバスケ部見学に行ったら、膝下くらいまで腰パンしたヤンキーがバスケやってて、もう、いやで、一番玄関口に近かった軟式テニス部に逃げ込んだんですよ。それでスタートしてるんで。夢破れたんです、最初は。

山脇:そうかあ。

塚本:そっからもうほんとに、嫌だったんですよ、中学が。

山脇:溜口さんもそんな話してて。本当に、辛そうで。

塚本:そうですね。あいつ、歯向かうでしょ?  歯向かうというか、抗うタイプのいじめられっこなんで。僕は、どうにか避けられないかっていうのを考えながら、でも見つかっちゃう、みたいなタイプ。耐え忍んで、去ってくれるのを待つ、みたいな。

山脇:ああ。

 

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塚本:いっとき、女ヤンキーみたいな女子にいびられて。それがむちゃくちゃ堪え難くて。

山脇:はい。

塚本:放課後、呼び出されて「おいスケベヅラ」って。僕スケベヅラって呼ばれてたんですけど。

山脇:ああ、かわいそうに。

塚本:そこはスルーしちゃってたんですけど。「おいスケベヅラ、お前『おっぱい』って言ってみろ」って言われて。

山脇:どういう……?

塚本:もう、意味がわかんないんですけど、思春期で自意識もあるので「なんで言わなきゃいけないの」みたいな。「言えないのかよお前」「言ってみろよ」って、ずーっと言われて、「……おっぱい」って、言ったら、「気持ち悪い」って蹴られたりとかしてたんですよ。

山脇:ひえー。

塚本:何これ、っていう。ふざけんなよ、っていうのを、経て。

山脇:すごい……

塚本:でも、コント考えたりする時は、中学時代の有象無象を引っ張りだしてるので、今思えば、ありがたい3年間、かもしれないですけどね。

 

「俺はその扉まだあるから」と思って。

 

山脇:塚本さんがやってるユニット『弱い人たち』の「『弱い人たち』ってこんなんだよ」ってリリースみたいな文章にも、「そういう『弱い人たち』が出てくるコントですよ」と書いてあって。

塚本:はい、カツアゲ経験とかを。

山脇:生かして。『弱い人たち』はどういう経緯でできたんですか?

塚本:単純に仲良くて、みんなでバスツアーとか行ってたのが、「なんかやりたいね」って話になって、そこから「じゃユニットコントライブやってみる?」ってなって、演劇の方もまぜて、で始めたんですよ。

山脇:最初、中心になったのが塚本さんと……?

塚本:ゾフィーの上田くんと、今、作家になってますけどポテンシャル聡って子と、あと、玉田企画の玉田くん、っていう。

山脇:ああ、演劇の。

塚本:玉田くんは、ゾフィーの上田くんの大学の後輩なんですよ。

山脇:へー! そうなんですね。

塚本:最初は、ゾフィー上田、ポテンシャル聡、僕の3人で「どうしよっかね」って言ってて。そしたら上田くんが「演劇に面白い後輩いるから、一回観に行って面白かったら誘おうよ」で、行ったらめちゃくちゃ面白かったんで、すぐ誘って、やろう、みたいな。

山脇:それで長井短とかも出て。

塚本:わりとワイワイやってます。

山脇:すごい楽しそうで。あ、あと小関えりかちゃんも出たのか。

塚本:そういう、交流できる場所みたいになってるので、なんか楽しいですけどねえ。

山脇:映画をみんなで観にいったりとかされてますよね?

塚本:『グレイテストショーマン』を観に行きましたね。

 

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山脇:映画好きですか?

塚本:僕、映画めちゃめちゃ好きです。

山脇:なんの映画が一番好きですか?

塚本:うわーどうしよう。うわーどうしよう。一番……

山脇:一番って聞かれるの、嫌ですよね、答えられないですよね。

塚本:難しいですねえ。

山脇:じゃあ、高校の時すごく好きだったのは?

塚本:あ、僕、芸人始めてからなんですよ。

山脇:映画を好きになったの?

塚本:尖ってたのもあるんですけど、芸人始めた時に、人より映画をまったく観てなくて。避けるように観てなかったんです。意地みたいな。

山脇:「映画なんか観ねえよ」って?

塚本:みんな「行き詰まったら映画からヒントを得る」みたいにインタビューで言うのを読んでたんで。

山脇:先人たちのインタビューを。

塚本:クイックジャパンとか好きで読んでた人なんで。「俺はその扉まだあるから」と思って。「枯渇した時にそのブーストをあければいい、今すげえ書けるし」みたいな気持ちでいたら、1年目で行き詰まって、観はじめたんですよ。

山脇:ははは。

塚本:そこから、最初の頃は「1日1本観よう」って芸人2人でずっと一緒に観てて。途中で寝たりとかもしましたけど、なんだかんだ8年くらいは、ずーっと観続けてて。だから、昔観てよかった、とかが、そんなになくて。

山脇:分別ついてから観たものが多いんですね。

塚本:そうなんですよ。

 

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塚本:だから、『スタンド・バイ・ミー』とか、めちゃくちゃ好きなんですけど、子供のころ観てたら刺さりすぎてたろうな、とか。あのとき観てれば、とか。

山脇:そうか。私は、小学校のときに観てるから……逆に大人パートの感じがわかんなかったかもしれない。当事者で観てるんで、振り返る、懐かしむ感じで観てなかったかな。

塚本:『スタンド・バイ・ミー』観ると、あの一番最後に「遠くまで出て、戻ってきたら街が小さく見えた」っていうあれが、世の中にある”あるある”の中で一番いい”あるある”だと思って。全人類が経験している、一番いい、素敵なあるあるだと思ってて。でも、これって小学生のときに観たら絶対思わないじゃないですか。

山脇:確かに。あるあるって観点がないし。

塚本:見方が違うからだろうなと思って。

山脇:逆もありますよ。高校生のとき「『タイタニック』すげえいい~」と思ってたけど今思ったら……ヒットはしたけどいい映画って感じじゃないのかなとかって。

塚本:『タイタニック』ってめっちゃ流行りましたよね。うちのお母さんがDVD買って帰ってきたもんなあ。

山脇:みんな観てて、みんなセリーヌ・ディオンの歌も歌って。

 

 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、これめっちゃくちゃよかったですよ。めちゃくちゃよかった。

 

塚本:一番好きな映画……なんだろう。

山脇:じゃあ、去年観て面白かったやつは?

塚本:えー何にしよう。ちょっと振り返っていいですか?(スマートフォンを見ながら)アプリで、記録つけてて。

山脇:すごい。ちゃんと残してるんだ。

塚本:去年か……あ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、これめっちゃくちゃよかったですよ。めちゃくちゃよかった。ケネス・ロナーガンって監督の。悲劇っちゃ悲劇だけど、もう、悲劇じゃない、みたいな。むちゃくちゃ感動しちゃって。ミシェル・ウィリアムズとか、ケイシー・アフレックが出てて。

山脇:ミシェル・ウィリアムズが出てると大体いい映画なんですよね~。

塚本:いいですよね。まあ、ちょっと事件があって町を離れてた人が、お兄さんの息子の面倒を見なきゃいけなくなって、その町に帰ってくる、それだけなんですけど、めちゃくちゃよくて。

山脇:ほー。

塚本:あと、なんだろう……『6才のボクが、大人になるまで。』とかも。実際に12年つかって撮ってた、とか。『ビフォア』シリーズとかもそうですけど。

山脇:サンライズ、サンセットときて……

塚本:ミッドナイト。

山脇:実際の時間が流れてるの、好きなんですね。

塚本:でも、一番最初に衝撃を受けたのは『仁義なき戦い』でしたけどね。大学のときに観て、それだけはハマって観てましたね。ダウンタウンDXとか出ていじられてるおじさん俳優たちが、もう、バッキバキの。あれすごいですよ。むちゃくちゃ。

山脇:えー。全然観てないや。

塚本:本当ですか。めちゃくちゃかっこいいですよ。

山脇:『広島なんとか編』とかあるやつですよね?

塚本:『広島死闘篇』。千葉真一さんとかむちゃくちゃかっこいいんですよ。

PANORAMA FAMILY:ヤンキー好きなら、絶対好きだよ)

山脇:まあ、そうね……『HiGH&LOW THE MOVIE』すごい好きなんですよ。

塚本:めちゃくちゃかっこいいですよ。

山脇:じゃあ、観てみよう。

 

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塚本:あと、なんだろう。『家族ゲームと』か。コントっぽくないですか、あの映画って。

山脇:松田優作の? 櫻井翔君がドラマでリメイクしましたよね。

塚本:まったく意味ないボケみたいなのいっぱいやってて。むちゃくちゃ顔の目の前で喋るとか。団地みたいな所に住んでるんですけど、奥さん同士の会話みたいなので、隣りの人が泣いてて、「どうしたの奥さん」「旦那が亡くなって棺桶を部屋に運びたいんだけど、棺桶がエレベーターに乗らなくて、部屋まで運べないの」ってシーンがあって。「大変ね」って言ってたら、意味わかんないんですけど息子が裸で走り回って地団駄踏んでて。なんか反抗期みたいな。で、お母さんがそっちに気をとられちゃって、話もそぞろになったら「結局、人のことなんかどうでもいいのね!」みたいなシーンとか、めちゃくちゃコントで。すごいなこれ、と思って。好きなんです、『家族ゲーム』。

山脇:とめどなく出てきますね、映画の話。

塚本:止まんなくなっちゃうんです。好きなんです、わりかし。

山脇:ねえ。

塚本:昨日、かもめんたるのう大さんに「俺が死んだ後に、俺のことを説明するときには、これって言ってくれ」ってくらい、自分の全部が詰まってる、思い入れのある映画があるから観てくれって言われて、観て。

山脇:それ、なんだったんですか?

塚本:『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』っていう。

山脇:ああ~。

塚本:あれは、ほんとに、う大ワールドだった。めちゃくちゃう大さんでした。笑っちゃうくらい。なんか、街にいる人みんな変だけど、なんかちょっとハートフル、みたいな。スウェーデンかどっかの映画なんですよ。不思議な。

山脇:結構ふるい映画ですよね。

塚本:85年とかだった気がします。

山脇:大学のとき、下北のビデオ屋でバイトしてて。棚掃除しながらケースをよく観てました。

塚本:観れたら観てください。

山脇:それでいうと、塚本さんの人生が集約されてる映画ってなんですか?

塚本:えー? うわー……

山脇:いきなりは、難しいですよね。

塚本:あんまり、近いなーみたいのはないかなあ。

山脇:まだ見つかってないですか。

塚本:見つかってない感じですね。

 

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塚本:『WATCHA』っていう映画のアプリがあって、それこそ弱い人たちみんな映画が好きなんで、みんなで調べて。自分で、観た映画の採点つけていくと、自然とむこうから「あなたにはこれがおすすめ」みたいな。

山脇:レコメンドが。

塚本:「あなたはこれ、多分4.3つけます」みたいな。

山脇:そこまでも?

塚本:そこまで。採点すればするほど、精度が上がっていく。で、好みの分析とかも出てくるんですけど。それで点数つけていったら、仲良い友達同士だとけっこう好みが一緒で「あの映画やっぱ面白いね」ってなってたんですけど、だんだん、それぞれちょっとばらけてくるんですよ。何かがちょっと飛び出すみたいな。

山脇:はい。

塚本:それで僕、再確認したんですけど……歌がいいと点数が上がっちゃうんですよ。

山脇:わー。

塚本:「俺、歌なんだ、歌が好きなんだ」と思って恥ずかしくなっちゃって。歌とか、好きなんだ~と思って、照れくさくなっちゃって。

山脇:こないだ、2017年末のラブレターズ単独ライブ行きましたけど、歌好きなんだな、っていうのは伝わってますよ、じゅうぶん。

塚本:ほんとですか? 歌がね、好きだな~って。

山脇:事務所的にも、歌好きな事務所だから。

塚本:なんだろうなあ、バカだなと思っちゃって、自分のことが。

 

あの……『ワイルド・スピード』って観てます?

 

山脇:歌がいい、っていうのはミュージカル映画に限らず、劇中でかかる曲がいいなってので?

塚本:限らずです。『シングストリート』とか、めちゃくちゃ好きで。

山脇:あれは、最高の映画ですね 。

塚本:それこそ『グレイテストショーマン』もそうですし……あの……『ワイルド・スピード』って観てます?

山脇:存在は知ってて、雰囲気だけ。予告観て、だいたいこんなかな、って。

塚本:だいたいそうなんです。その情報量で合ってるんですけど、『ワイルド・スピード』ってただの、B級の走り屋映画でスタートしたんですけど、いつからか人気出たのか知らないんですけど、今『8』くらいまで出てて。

山脇:いっぱい出てるんですね。

塚本:いっぱい出てるんですよ、とにかく。『4』ぐらいから路線変更して、スーパーアクション映画みたいになってんすよ。

山脇:ほおお。

塚本:もともと町の走り屋だった奴らが、全然死なないただの強人たちみたいになって。むちゃくちゃ、強い。

山脇:今、ミッション遂行みたいになってますよね。

塚本:ほんとに、ミッション・インポッシブルみたいになってて。アメリカじゃ大ヒットしてるらしくて。でもまあ、日本の人まだ馴染みないじゃないですか。

山脇:はい。

 

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塚本:僕も、全然観てなくて。すごい仲良い俳優さんで、駒木根隆介っていう……

山脇:ああ、『SR サイタマのラッパー』とか出てらっしゃる。

塚本:あの人、大学の時の先輩で。週3くらいでいまだに会ってる、仲良い先輩なんですけど。

山脇:ほえー。仲良いですねえ。

塚本:一緒に風呂行ったりしてる人で、その人も映画が好きで色々教えてもらってるんですけど、その人が「『ワイルド・スピード6』がむちゃくちゃいい、とにかく6がいい」つってて。「ただ、2、3、4とか全然面白くないよ。でも、ねばって観て、頼むから6までついてきてほしい」って言われて。わかりました、って観たんですよ。でも、最初全然入れなくて。「なに、この走り屋の映画」みたいな。

山脇:はい。

塚本:だけど、6いって、6が……本当によくて。

山脇:それって、でも積み重ねないと良くなんないやつでした? 1から積み重ねての、6? 

塚本:あ、積んで良かったな~、って。

山脇:6だけ観てもだめなんだ。

塚本:『ワイルド・スピード6』のラストシーンが、僕はもう観た全ての映画で1番好きなラスト。これは変わらないです、多分。

山脇:それ聞いたら……でも1から5まで観なきゃいけないのか……

塚本:しかもそんなに面白くないんですよ。

山脇:想像がつく感じがする。

塚本:『3』とかは、東京でやってて、妻夫木聡くんとか出てますよ。

山脇:歌が好きで、『ワイルド・スピード6』のラストが好きで……。

塚本:『6』も歌なんですよ、ラスト。

山脇:本当に歌が好きなんだ。

塚本:ずっと歌の話ばっかりになっちゃうけど。

PANORAMA FAMILY:『ワイルド・スピード』サントラがイエローハットとか、ああいうところのCDコーナーで馬鹿売れするらしいですよ)

山脇:やっぱり人気あるんだ。ドライブ映えする……

塚本:なんだろう、抜けがいい、みたいな。もう、カーアクションでやることなくなっちゃいすぎて、車にパラシュートつけて空から降ってくるとかやってるんで。しかも冒頭でやるんですよ、それを。大ラスとかじゃない、もう何やってんのコレ、ってところで。しかも死なないし。

山脇:そんないくらパラシュートとはいえ鉄のかたまりをパラシュートで。

塚本:そのパラシュートどうなってんのみたいな。細かいとこ気にしだしたら止まらなくなっちゃうんですけど。

山脇:そんなだったらなんでも飛ばせますよね

塚本:スーパーヒーロー映画みたいになっちゃってます。

 

相方が「死んだ~!!」って言ったら「フゥ~!」って客席が。人死んでんのに「フゥ~!」じゃねえよ、っていう、そのギャップ感が。

 

山脇:音楽は何が好きとかってあるんですか? 昨年、音楽の方々とご一緒にやられてた対バンライブだと……

塚本:ONIGAWARAさん、おとぎ話さん、フレンズさん。

山脇:この3組と一緒にやられたのはどうしてですか?

塚本:それは、どっちかっていうと溜口さんが引き合わせてくれた人たちというか。僕、そのなかでも、おとぎ話さんがわりと好きで聴いたりしてましたけど。『おとぎ話みたい』って映画もあったんで。

山脇:あ、その映画の振付、わたしのバレエの先生がしてるんですよ。

塚本:お、そうなんですか。

 

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塚本:なんだろう、音楽……音楽。

山脇:音楽の方とお笑いで対バンライブって難しくはなかったですか? 客層って何対何くらいでした?

塚本:なんならお笑いの方が少なかったイメージでしたけどね。やっぱりスタンディングでライブハウスでお笑いを観る、っていうのが、お笑いのお客さんからしたら、もしかしたらちょっと縁遠いというか。

山脇:敷居が高いかもしれない……?

塚本:多分、そうなっちゃったのかな、って。でも、やってみたら、それぞれ色があって面白かったですけどね。オープニングで、フレンズとユニットコントやったときに、僕が「心臓の音が8ビートになっちゃったんだよ」みたいな、ずっとドラムが鳴ってて、演奏が入ってきて「何この心臓の音」みたいなボケをするコントを作ってやって。途中でそれが全部止まって僕が死ぬ、みたいな。で、相方が「死んだ~!!」って言ったら「フゥ~!」って客席が。人死んでんのに「フゥ~!」じゃねえよ、っていう、そのギャップ感が。

山脇:フロアが沸いて。

塚本:笑うプラス盛り上がる、みたいな。そんな新鮮な感覚がありましたね。むちゃくちゃ楽しかったです、マジで。3組とも本当に楽しかったなあ。

山脇:なんでまた対バンライブをやることにしたんですか? 去年は、他にお寺ライブとかもされてましたけど。

塚本:12月に単独ライブをやるために、それまでに色々な企画ライブやっていって、それで単独につなげましょうっていう、企画の一環でやってて。

山脇:サーキットみたいに。

塚本:はい。渋谷中心でやっていきましょう、ってなって、やらせてもらって。で、対バンは「いつかしたいね」みたいなことは言ってたんですよ。

山脇:歌好きだから。

塚本:歌ネタあるし(笑)。で、やってみよう、って実際なったのが去年だった、みたいな。

 

「あ、今からボケるんで、ごめんなさいね~」って。

 

塚本:あと、お寺は、ノリです。ちょっと離れた地方でライブやってみたい、って気持ちからスタートして、でも場所が普通のところだとあれだね、じゃあお寺にしようってなって、僕が片っ端から、地方のお寺に電話かけまくったんです。

山脇:やらせてくれそうなお寺に? それは宗派はこだわらず?

塚本:こだわらず。落語、寄席とかをやられてるお寺だったらなんとか聞いてくれないかな、って思ってネットで調べて。けっこう怒られたりとかしたんですよ。「檀家さんの知り合いなんですか、なんなんですか急に」みたいな。でもOKくださったところは、本当に優しく受け入れてくださって。

山脇:ブログに書かれてましたけど、住職の方が前説やられてた、とかって。

塚本:ご住職が「仏の顔と名前だけでも覚えて帰ってください」って。その日一番ウケてました。

山脇:いいなあ、それ。

塚本:面白かったです。異様だけど、意味あったな、って。またできればやりたいって思うんですけどね。それも、ご住職さん絡めてちょっとだけやりとりするのがあって、僕がお坊さんの格好して「お坊さん不足だから手伝います」で、相方が「そんな簡単にできないだろ」って言ったらご住職が「経典があれば大丈夫ですよ」「そんな簡単に読めるもんですか」「はい」「じゃあ誰か経典持ってませんか」って一応聞いて、ご住職が「僕持ってます」って言って、ご住職に借りた経典を読んだらUltra Soulの歌詞だった、っていうのをやろうとしてて。「誰か持ってますか」って言ったら、全然お笑いを見てない地元のおじいちゃんが「あ、あるよ、あるよ」って経典出しちゃって。「あ、今からボケるんで、ごめんなさいね~」って。「お、そうか、おう」って。新鮮だった。

山脇:「今からボケるんで」って言ったんですか。

塚本:言うしかなかったんですよ(笑)。でも、楽しかったです。去年、一年間いろいろやらせてもらって。

山脇:一層強くなって。

塚本:そうですねえ。

 

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 洋服の話って恥ずかしくないですか? 照れくさくないですか?

 

山脇:最後に、お洋服のことをいつも聞いてるんですけど。

塚本:おようふく?

山脇:洋服です。お洋服。

塚本:お洋服のこと聞くんですか?

山脇:毎回聞いています。全然語りたがらない方もいますけど……。どこで買われますか?

塚本:お洋服、恥ずいですね。

山脇:なんで恥ずいんですか?

塚本:洋服の話って恥ずかしくないですか? 照れくさくないですか?

山脇:ろうろうと語る場が、あんまりないですもんね。

塚本:でも嫌いじゃないんですけど。

山脇:ラブレターズは、2人ともいつも可愛らしい格好してますよね。

塚本:なんか、好きで。でも、あれが、増えてきました。あの、なんか、SUMMITの帽子とかもそうですけど、その、バンドさんとかの……

山脇:歌が好きだから(笑)

塚本:また歌になっちゃう(笑)。でもバンドさんのグッズっておしゃれじゃないですか?

山脇:力入れてますよね、みなさん。

塚本:今はもう、どこのグッズもめっちゃお洒落だから、昔、雑誌を読んで「あーこのブランドほしい」とか思ってた気持ちが全然なくなってきてて。好きなミュージシャンのTシャツほしい、とか、そういうほうが強くなって。

山脇:ライブ行ったらTシャツ買いたいな、とか。

塚本:岡本太郎のTシャツいいなあ、とか。

山脇:バックボーンがあるのがほしい感じですかね。

塚本:そうっすね。好きな映画のTシャツほしいなあ、とかに結構なってきましたね。

山脇:ラブレターズ単独でも、グッズでスウェット作られてましたよね。

塚本:神保賢志さんってイラストレーターの方にお願いして、めちゃくちゃ可愛らしいのを。

山脇:そう、売り切れてましたね。サイズ切れが出てて。

塚本:そうなったらいいな、って思いました。そういうミュージシャンのグッズとかと同じ感覚で買ってもらえるようになれば、いいっすね。

 

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月に一回くらい、家にある服をひっぱりだして、1人ファッションショーとか、ありますよ、そりゃ。

           

山脇:服屋さんで買ったりはもう全然しないんですか? 

塚本:好きな服屋さんとか、あるんですけど。昔、中野に住んでたんですけど、中野にFleakerっていう、むちゃくちゃ小さなセレクトショップがあって。普段、古着ばっかりで新品を買ったりしてなかったんで「いいけど、高いな。ご褒美として買いたいな」みたいな。そういうご褒美感覚で買いに行くお店として、6年くらい前から、Fleakerさんは、行ってます。そこは、いいんですよ。

山脇:どんな感じなんですか。何っぽい?

塚本:そこのご主人の趣味とかで。この上着もそうなんですけど「似合いますよ」って奨めてくれたりとか。行きつけの風呂屋が一緒だったり、なんか仲良くなって。

山脇:へー、いいなあ。

塚本:……おしゃれを語るのって恥ずかしいっすね。

山脇:なんでなんですかね。「よく見られたい」って思ってることが伝わっちゃうのが恥ずかしい? 自意識との戦い?

塚本:あーそうですね……だから、全然ありますよ、月に一回くらい、家にある服をひっぱりだして、1人ファッションショーとか、ありますよ、そりゃ。

山脇:ひえー(笑)。でも私服で出る場面も多いから、やっておかないとね。

塚本:まあ、そうっすね、でも、恥ずかしくないですか、「あいつ何やってんだよ」みたいになるから。

山脇:でも、そうやって新しい組み合わせが。

塚本:季節ごとに、新しい組み合わせを探して。何やってんだろうって思うし、自分だって。

山脇:でも大事なことですよ。だって、ほら、アフタートークとか、平場で私服で喋らないといけないじゃないですか。コントはコントの衣装着てるけど、最後は私服で出たりしますもんね。

塚本:どういう服で舞台に立てばいいか、あんまわかってないです。

山脇:でもやっぱちょっとは、素敵に見られたいですもんね。だからおしゃれしちゃうんですものね。

塚本:ちょ、コメントは控えますね。

山脇:ははは。

塚本:でもそうですね、その気持ちは。

 

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山脇:私もこの連載で月に1回写真撮るから、去年と同じ服は避けたり。黒いTシャツでも同じものじゃないんだよ、みたいな感じです。

塚本:ああ、じゃあ、毎回これに出てくる山脇さんは、練りに練られたコーディネートってことですよね。

山脇:いやいや、前回と同じ色にならないようにしよう、ってぐらいですよ。練りに練ったって言われるのが、恥ずかしい。それでこれかい、って思われるのもいやだし。

塚本:恥ずかしいっすよね、なんかね。

山脇:気にしてないのに素敵って思われたほうがやっぱ素敵だと思っちゃうから。

塚本:ふらっと出てきた感じでいて、なのに素敵、って。自分なんて、絶対そんな才能ないし。気をつけとかないと汚くなっちゃうし、とか色々考えたら。

山脇:私も体型を考えたら、何を着てもいいってことはないんだって。

塚本:僕も、ちびなんで。

山脇:でも大きいって勘違いされません?

PANORAMA FAMILY:小さい印象は全くなかったですね。)

塚本:それ、たまーに言われるんですよね。なんでなんですかね。

山脇:「ラブレターズはどっちも小さい」って言われると、「あれ、そーなの?」って。なんとなく勝手に小さい方、大きい方、って思うのかもしれないですね。

塚本:あ、そうなんだ。

 

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 おしゃれの話は恥ずかしいですね、やっぱり。

 

塚本:芸人さんで、この人おしゃれだなーって人は誰なんですか。

山脇:又吉さんはおしゃれ別格として……こないだ、せきしろさんのパーティーで、山里さんもおしゃれなんだなー、って。

塚本:みんなやっぱお洒落……練りに練られたコーディネートで。

山脇:あんなデザインされたパンツってなかなか穿かないなよあ、っていうのを穿いてるから。だから、おしゃれとは、金とオーラなんじゃないか……ってこの前、徳橋みのりちゃんと話しましたね。お金があるから守りに入らないデザインの服を買えてしまう、オーラあるから着こなせてしまう、って。

塚本:ああ、そうなってくるのかな。

山脇:おしゃれな人、この企画のゲストだと……誰かなあ。いっぱいいて難しいな。

塚本:山脇さんの好み、趣向でいいんじゃないですか。

山脇:おしゃれだなあという意識で見てないかもしれない……。

塚本:おしゃれの話してるのに?

山脇:亘さんはアメカジで、完成されてるお洒落ですよね。あ、でも溜口さんはキャラクタライズされてて、ちゃんと自己プロデュースができているな、って思います。

塚本:彼はがんばってますね。彼は頑張っています。出会った当初はLEEのグレーのパーカーしか着てなかったんで。

山脇:ああ、パーカー着てそうだなあ。

塚本:ずっと同じ格好してるこの人、って思ってたんで。

(PANORAMA FAMILY:塚本さん、一番洒落てる印象あります、僕。)

塚本:本当ですか。やった。

PANORAMA FAMILY:洒落てるっていうか、一番自分の好みに近い感じです)

塚本:あ、嬉しい。

 

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塚本:グランジの五明さんは会ったことないですか?

山脇:むかーし、月刊コントでご一緒して、掛け合いもあって。で、最近ほんっとうに久しぶりにラジオCMの現場でお会いしました。

塚本:俺、五明さんと、う大さんの格好が好きなんですよ。

山脇:う大さんの私服、見たことないかも。印象がない。

塚本:ただのアメカジ野郎なんですけど(笑)。

山脇:アメカジ。おしゃれ。

塚本:五明さん、めちゃくちゃおしゃれだな、と思うんですよね。男目線かもしれないですけど。今度、機会があったらちょっと見てみてください。

山脇:はい。

塚本:おしゃれの話は恥ずかしいですね、やっぱり。

山脇:そうなんですよ。だから、いきなり聞くと、恥ずかしいだろうから、最後の方にいつも聞いています。

塚本:なんか、ギース尾関さんとかと普通に喋ってて、自然とスニーカーの話とかしてるときに、ふと我に返って「いや、尾関さんと何喋ってるんだろう」って思ったりしちゃうんですよ。

 

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 難しい映画とかじゃなくて、歌が好きなんだ、と思って……なんか恥ずかしくなっちゃって。

           

塚本:ほとんど映画の話ばっかしちゃいました。

山脇:歌が好き、と。

塚本:歌が好きっていうの……、恥ずかしいですよね。

山脇:なんでですか?

塚本:照れくさいじゃないですか。なんか900本くらいレビュー書いて、抜けて出たのは歌だったんだ、ってなったら。難しい映画とかじゃなくて、歌が好きなんだ、と思って……なんか恥ずかしくなっちゃって。

山脇:歌ものはいいですよねーでも。

塚本:刺さっちゃいますからね

山脇:ミュージカルとか、舞台で観たことは?

塚本:ないんですよ。ムロさんが出られた作品とかは観たんですけど、どストレートなミュージカルはないので、観てみたいですけど。

山脇:社員旅行で、ブロードウェイとか皆さんで行かれたら楽しいんじゃないですか?

塚本:うわ、楽しそう。みんな歌って帰るんじゃないですか。

山脇:みなさん歌が好きだから。セントラルパークで歌ネタやって。

塚本:恥ずかしくなっちゃうなあ。

山脇:「オージャパニーズコメディアーン」って。

塚本:一昨年くらいに、クリスマスにミュージックナイトみたいなのやってますからね、事務所をあげて。歌をただ歌うライブ。何やってんだろうと思って。

山脇:高佐さんが、それに向けたネタ見せでトシちゃんを歌って踊ったら、大竹まことさんに叱られたという噂の……

塚本:「おい、真面目にやれ」つって普通に怒られて。可哀想だなと思って。真面目にやれってなんだよ、って。

山脇:「高佐、そういうことじゃないんだよ」って。

 

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山脇:じゃあ、そんなこんなでお写真撮っていきましょう。お写真は……

塚本:苦手です。顔のパターンが2パターンしかないって言われてるんで、恥ずかしいです。

山脇:でも『すいているのに相席'18』のチラシ撮影のとき、つつがなく、そつなく、やられてましたよね。

塚本:あのとき、僕、しれっとトップバッターでいったんですよ。覚えてます? バレないように、すぐ終わらせようと思って。

山脇:あ、そうでしたね! みんなが自分の準備に夢中なうちに。

塚本:もう、注目浴びないうちに、と思って。

 

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塚本直毅(つかもと なおき)

ASH&Dコーポレーション所属。1984年12月28日生まれ。特技はテニス、空手。趣味はアメフト鑑賞。日本大学藝術学部時代に出会った溜口佑太朗と2009年4月にコンビ・ラブレターズを結成。キングオブコント2011、2014、2016決勝進出。歌ネタ王決定戦2017にASH&Dコーポレーション7名によるユニットとして出場、初の決勝進出となる。2017年、お寺ライブ、対バンライブなどを経て、1年間の集大成・ラブレターズ単独ライブLOVE LETTERZ MADE10「SWEET da PARTY」を12月16、17日に渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホールにて行い大盛況。2018年6月6日には新宿ロフトプラスワンでトークライブ『LOVELETTERZ  MATE 8』開催予定。7月11日~16日『すいているのに相席'18決断』(中野テアトルBONBON)にも出演する。

 

山脇唯

1981年8月3日生まれ。俳優。ヨーロッパ企画退団後はフリーとして舞台を中心に活動。2013年より「すいているのに相席」に参加、“ユーモア女優“の称号をバッファロー吾郎A、せきしろ両氏より賜る。NHK Eテレ「デザインあ」、NTTdocomo、Tokyo FM、東京ガス、他、ラジオCMを中心に声の出演も多数。2018年1月29日に座・高円寺2で行われた『アイアム映画祭』にて清水崇賞を受賞。6月11日(月)『minanスタディゲーム』(新宿ロフトプラスワン))7月11日~16日『すいているのに相席'18決断』(中野テアトルBONBON)にも出演する。

 

PANORAMA FAMILY

2006年頃結成。2009年1月、3MCから1MCへ。以降はゴメス1人のユニットとなる。 渋谷Organ.b第1火曜日mixx beautyを中心に、年間60本ペースで精力的にライブを行う。remix、客演、ビールケースの上から幕張メッセ(countdown japan fes 3年連続出演)まで、大中小規模なイベントに参戦する他、トラック、楽曲提供など活動は多岐に渡る。レぺゼン宮城県女川町スタイル。2014年から写真家として活動。SLIDELUCK TOKYOの第一回ファイナリストに選出される。雑誌STUDIO VOICEでとりあげられる。2016年3月写真集「fastplant」発売するも即SOLD。
2017年12/4~12/17に個展『PARANOIA SLAPPYS』を行い、同タイトルを冠した写真集を発売。新作photo zine『Don't mind others, your dance is awesome/周りばっかり気にすんな、お前のやり方で大丈夫だから』発売中。

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