Rooftop ルーフトップ

NEWS

トップニュースあの『マッドマックス』の原型作品!? オーストラリア映画界の裏街道・記念碑的重要作『マッドストーン』がまさかのエクスプロージョン・レイトショー&初のDVD/BD化!

あの『マッドマックス』の原型作品!? オーストラリア映画界の裏街道・記念碑的重要作『マッドストーン』がまさかのエクスプロージョン・レイトショー&初のDVD/BD化!

2015.07.16

マッドストーン_ポスタービジュアル.jpgオーストラリア映画の記念碑的暴走族映画として名高い、1974年製作の『マッドストーン』。その34年ぶりの劇場上映初の国内盤DVD・BD化が決定した。

『マッドストーン』は、メル・ギブソン主演の大ヒット作『マッドマックス』の原型であるオーストラリア映画で、本作がなければ『マッドマックス』は生まれていなかったとも言える、オーストラリア映画の重要作。
日本では1974年の段階では輸入されず、1979年の『マッドマックス』の大ヒットを受けて、原題は「STONE」にもかかわらずタイトルに「マッド」を冠して1981年に公開された。そして『マッドマックス』的興奮を期待して観に行った観客たちは唖然・騒然、まったく異なる内容に怒りをおぼえた人々も少なくないはず。
しかし、『マッドストーン』は70年代当時のオーストラリア暴走族のリアルな生態をとらえつつ、一味違ったプロットで語られたサスペンス・スリラー。サイケな映像とロックンロール、日本製バイクの大挙登場とともに暴走族カルチャーをリアルな視点で切り取り、アメリカ産のいわゆる「バイカー映画」の系譜でも語られるべき作品だ。
80年代の劇場、もしくは「月曜ロードショー」などテレビの洋画劇場での鑑賞で「ええ!??」に感じてしまった方々も、今になって見返すと、実は非常に大人な映画であることを感じて頂けるのではないか。でも何かがおかしい、歪なアンダーグラウンド映画であることに変わりはなく、まさに唯一無二な作品となっている。

その歴史的重要度はオーストラリアの“ジャンル映画”についてのドキュメンタリー、『マッドムービーズ〜オーストラリア映画大暴走〜』(08)にて『荒野の千鳥足』(71)『美しき冒険旅行』(71)『キラーカーズ/パリを食べた車』(74)などとともに綴られており、クエンティン・タランティーノは「バイカー映画史上最も典型的かつオーセンティックなエンディング」と評して自身のキャリアにおいても非常に重要な影響を与えている作品と発言、本作の上映用プリントも購入してアメリカで自ら上映を行なうなど、マッドストーンマニアな動きを見せている。

また、『マッドマックス』との具体的な接点としては、『マッドマックス』で暴走族のリーダー“トーカッター”を演じたヒュー・キース=バーンが“ガマ蛙”、主人公マックスとカーチェイスを繰り広げた末に激突死する暴走族“ナイトライダー”役のヴィンセント・ギルが“死神”、マックス所属のM.F.P.の隊長“マカフィー”役のロジャー・ウォードが“スケこまし”など、計5人が本作出演をきっかけに『マッドマックス』へ出演
しかも本作の暴走族“墓掘り軍団”の中にはバッドマックス=“極道”というキャラクターが存在するなど、単に豪州映画であるという点だけでは語れない関係性がある。
ちなみに、“ガマ蛙”役で映画デビューを果たしたヒュー・キース=バーン『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)のLAプレミアでも『マッドストーン』のデニムジャケット(実際に映画で着用したそのもの)を着て出席している。

(メイン)墓掘り軍団vs黒鷹軍団.jpgそんな日本ではある意味「不当な扱い」を受けた本作だが、まさかの劇場上映がシネマート新宿にて9月26日(土)から1週間限定レイトショーとして決定。字幕は“墓掘り軍団”、“ガマ蛙”、“葬式屋”、“すかしっ屁”などの素晴らしいキャラ名が多数登場する「むかしの字幕」を採用。
さらにDVDが普及して20余年を経て、10月14日(水)に遂に初のDVD化、また、あり得ないBD化も決定。DVD・BD共通で、字幕とは若干異なる最高キャラ“葬儀屋”、“穴ほり”、“ウシミツ”、“お通夜”などが登場するテレビ放送版(「月曜ロードショー」版)吹替音声も収録される。
なお、BDは高画質のためのBDではなく、大量の映像特典を収録した<墓掘りエディション>として発売される。

商品情報

『マッドストーン』
1974年/オーストラリア/1981年2月1日劇場公開/原題:STONE
© 1974 Sandy Harbutt, All Rights Reserved.
『マッドストーン』34年ぶりの劇場上映!! 9月26日(土)〜10月2日(金)シネマート新宿にてまさかのエクスプロージョン・レイトショー!! オーストラリア映画界の裏街道・記念碑的重要作が何故かスクリーンに戻ってくる!(キングレコード提供/日本出版販売配給)

【あらすじ】公園で演説をしていた政治家が何者かに狙撃された。現場近くで麻薬でフラフラだった“ガマ蛙”は暴走族“墓掘り軍団”のひとりだ。暗殺犯は彼に犯行を見られたと思い、“墓掘り軍団”のメンバーを次々と殺し始める。殺された“倉庫屋”の葬式にはバイク軍団が大挙して隊列を組み大暴走、葬儀では“死神”による感動的なスピーチが披露され、“倉庫屋”の亡骸はタテに埋葬された。
これらの連続殺人に、警察は若手刑事ストーンを“墓掘り軍団”に送り込む。ストーンはグループのリーダーである“葬式屋”の命を救った見返りにグループ入りを許された。ストーンは、一見堕落にみえながら社会の虚像を憎み、本音で生きる“墓掘り軍団”たちに親しみを覚えていく。
一方、プロの殺し屋である暗殺犯は対立する暴走族“黒鷹軍団”の名をかたり、彼らをおびき寄せた。ストーンがその現場に駆けつけた時には既に2人が殺されてしまっていた。殺し屋を操る黒幕は一体誰なのか? そして“墓掘り軍団”とストーンの運命は!?

【STAFF】●監督・製作:サンディ・ハーバット ●製作総指揮:デヴィッド・ハネイ『スカイ・ハイ』 ●脚本:サンディ・ハーバット、マイケル・ロビンソン ●撮影:グレアム・リンド ●編集:イアン・バリー『チェーン・リアクション』 ●音楽(ロックンロール):ビリー・グリーン ●美術(カステム・ペイント):デイヴ・ハート ●照明:ブライアン・バンズグローヴ『デニス・ホッパーのマッド・ドッグ・モーガン/賞金首』『チェーン・リアクション』 ●バイク・メカニック:ビクター・ホフマン
【CAST】●ストーン(ストーン):ケン・ショーター ●アンダーテイカー(葬式屋):サンディ・ハーバット ●トード(ガマ蛙):ヒュー・キース=バーン『マッドマックス』『チェーン・リアクション』『マッドマックス怒りのデス・ロード』 ●アマンダ(アマンダ):ヘレン・モース『ピクニック at ハンギング・ロック』 ●ドクター・デス(死神):ヴィンセント・ギル『マッドマックス』 ●フックス(スケこまし):ロジャー・ウォード『マッ ドマックス』 ●ゴーダウン(倉庫屋):ブルース・マクファーソン ●セプティック(ゴミ箱):デューウィー・ハンガーフォード ●スティンク フィンガー(すかしっ屁、水虫):ジェイムズ・H・ボウルズ ●ミッドナイト(丑満):ビンディ・ウィリアムズ ●69(69):ビリー・グリーン ●バッドマックス(極道):ジム・ウォルシュ ●バードマン(すっ飛び):トニー・アリン ●弁護士:レグ・エヴァンズ『マッドマックス』 ●タート(やらせ):スーザン・ロイド ●ピンボール(パチンコ):マイケル・ロビンソン ●スクラッグ(やせっぽち):ネヴィル・オーヴァーホール ●フェレット(白イタチ):ピーター・キング ●ゾンク(ラリ公):ジョン・イフコヴィッチ

『マッドストーン』ブルーレイ&DVD

2015年10月14日(水)発売
■ブルーレイ:『マッドストーン』<墓掘りエディション> KIXF-289/定価:4,800円+税/キングレコード
カラー/ビスタサイズ/オリジナル英語/テレビ版日本語吹替/むかしの日本語字幕/本編約99分+映像特典/映像特典:★オリジナル予告編 ★ドキュメンタリー「マッドストーンよ永遠に」(1999年/62分) ★メイキング(22分) ★撮影前の貴重なテスト映像(8分) ★監督コメンタリー付きスライドショー(21分)
■DVD:『マッドストーン』 KIBF-1382/定価:3,800円+税/キングレコード
カラー/ビスタサイズ/オリジナル英語/テレビ版日本語吹替/むかしの日本語字幕/本編約99分
(テレビ放送版吹替え情報)昭和57年7月26日(月)TBS「月曜ロードショー」版 ●葬儀屋:津嘉山正種 ●穴ほり:池田勝 ●ガマ:長堀芳夫 ●ストーン:安原義人 ●死神:徳丸完 ●ウシミツ:廣瀬正志 ●バイキン:北川米彦 ●お通夜:沢木郁也 ●バネッサ:高木早苗 ●ノーパン:塚田恵美子 ●タウンズ:岸野一彦 ほか

関連リンク

このアーティストの関連記事

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻