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【11月19日(土)下北沢SHELTER公演】KEYTALK初ワンマン。ライブ&バカ騒ぎ打上レポート!!

2011.12.06

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11月19日(土)下北沢SHELTER
KEYTALK "SUGAR TITLE" レコ発記念ワンマンライブ
KEYTALK


 あれやこれやと、細かなことをいうのは後にしようか。良かっただの悪かっただのと、そんな御託を言うのもばかばかしくなるほどのエネルギーが溢れていた1時間40分だった。それは、音楽的なエネルギーか? はたまた、MCごとに笑いを巻き起こしていた、あのサービス精神からくるエネルギーか? 勿論、その両方であるのだが、あえていえば、後者の方である。KEYTALK、今めきめきと頭角を現しているこのニューカマーは、音源のクオリティはもとより、ことライブにおいては、その若さゆえの前のめり感と底抜けのバイタリティに天晴れであった。メンバー全員が20代そこそこという若いバンドであり、当然まだ卓越したエンターティナーというわけではなく、むしろMCなんて学園祭的なノリでさえある。だがしかし、彼らと同年代のバンドの中で、楽曲、パフォーマンス、MC、メンバー個々のキャラクター、その全てにおいて、これだけキャッチーなバンドがいるだろうか。そして、それら全要素において、なんだかんだで“キメどころ”を分かっているも末恐ろしい。断言するが、今KEYTALKは観て損がない。なんつっても楽しい。底抜けに楽しいのだ。馬鹿馬鹿しくなるほどに楽しい。その持ち前のセンスで、この日も200人を笑顔にした、彼ら初のワンマンライブを振り返る——。

 先月19日にSHELTERにて行われたKEYTALK初のワンマンライブ。普段の倍以上の持ち時間と、全24曲(=持ち曲全て+新曲+『トラベリング』2回プレイという)というフル・ボリュームのセットリストで挑んだ初のタイマン試合。しかし、当日は生憎の雨。それも台風並みの豪雨という悪天候であったが、開演前からSHELTER前には傘がずらりと並ぶ。沢山の人だかりができていた。

 オープニングを飾ったのは、最新作『SUGAR TITLE』から『アゲイン』。寺中が大人びた甘いヴォーカルを聴かせる両端では、首藤は体を左右に何度も振り回し、小野は盆踊りのような踊りを踊ったり、大きな目をぎょろぎょろさせながら百面相を浮かべ、ギタープレイ&笑いで客席を盛り立てていく。変わって『ストラクチャー』は首藤がヴォーカルを。先ほどとは一変して、今度はあどけない少年の声が場内に響き渡る。制作者がそのままヴォーカルを担当するというスタイルの彼ら、目まぐるしく攻守交代を繰り返すヴォーカルと、常に“笑いに”攻め気のギタリストによって、フロアは早くもジャンプやクラップが巻き起こっていく。“おめーら、まだまだそんなもんじゃねーだろー! 生きて帰れると思うなよ!”という小野の煽りを受け、開始早々客席もフルスロットルだ。

 そしてMCも小野を筆頭にのっけからフルスロットルである。
「今日はほんとにありがとう、来てくれて。ソールド・アウトっていうことで。絶対ソールド・アウトにしたかったんで5枚で閉め切ろうと思ったんだけど、そんな姑息なマネしないで済みました。ほんとありがとう!」
「新しいアルバム『SUGAR TITLE』っていうのを出しました。買ってくれました? まだ買ってない人も、今日買えるぜ、買えるZ!(ゼートッ!)」
「今もその新譜からやったんですけど、まだまだその新譜からいっぱいやるんで。新譜の王将いくぜ! あ、応酬ね。」

 MC明けの『sympathy』では、『SUGAR TITLE』から取り入れたというツイン・ヴォーカルを披露。毛色の異なる透明度の高いボーカルが重なり合っていく。フロント3人が揃って歌うコーラスは拙くも眩しく、大人と少年との中間のバランス感、その自然派生的なアンバランスさと未熟さも垣間見える若いステージングの眩しさに思わず胸が熱くなる。

 そして、やってきました、2度目のMCタイム。キャラ設定完璧なメンバー紹介を小野さんから。
小野「ドラム、オムスター!! (※本名、八木優樹)オム二ャーン! いやー俺らもほんと良いポケモン捕まえたね〜。ほんと。まさか野生でいるとは思わなくて捕まえたらね、すごいドラム上手くてびっくりしてんすよ。」(※オムスターとは、ポケモン図鑑No.139のポケモンのこと。)
小野「べース、おしゃれ番長!(※本名、首藤義勝)今日もおしゃれっすね。」
首藤「…ありがとうございまーす…(しばしの沈黙)。…皆さんのおかげでおしゃれになれました…。」
小野「で、ボーカルの巨匠(※本名、寺中友将)です。」
小野「そして、KEYTALKのアイドルこと、小野・ぺーい・武正です。ありがとうございます!」
小野君のMCは、小2並みの知能指数のギャグなのだが、その分かりやすさや、可愛らしさがライブだとものすごくかっちりとはまる。そして、笑わされる度に、妙な愛着が沸いてくるのだ。分かりやすくいうと、成長途中のPOLYSICS・ハヤシ君といったイメージだろうか…。

 メロディ重視のシンプルなアレンジが印象的な今作とは正反対に、次から次へと新たな展開を見せていく、音への探求がそのまま形になっている初期の楽曲も登場した次のブロック。さらには、彼等の前身バンドrealの楽曲も、2曲披露。さすがは初ワンマン、バンドの歴史を丸ごと網羅する豪華な内容である。

 「フォッフォッフォ。懐かしいのう、realの頃が。もう、80になってもうた。フォッフォッフォッフォ。」
ますます幼児化していく小野君のキュートなMCと共に、このMCゾーンでは他のメンバーが大活躍。巨匠の物真似タイムである。巨匠扮するスペシャル・ゲストは福山雅治、ミスチル・桜井さんという超豪華二大スター。そして、何故か、桜井さんはカバー曲『千の風になって』を披露するも、客席はしっかりウェーブが巻き起こっていた。(個人的には、首藤君のクタッとした、やる気のないウェーブがツボであった。)ファンへの仕込みも完璧である。恐れ入った。

 そして、ますますギアが上がっていった後半へ突入だ。ここからの波の乗り方、盛り上がり方は本当に素晴らしかった。文字通り“怒涛の盛り上がり”であった。メロディも演奏も全てがメロウな『blue moon light』では、その甘くドラマティックな音のウェーブ乗って、客席はジャンプの嵐。皆が跳ねる度、メロディのドラマ性、ギターの熱情は一桁ずつ上がっていく。そしてその波は、続く『Sunday Morning』で横ノリの穏やかなウェーブを呼び起こしていく。

 嵐の前の静けさは首藤のエモいヴォーカルが打ち破った! 『amy』、そして『a picture book』と、一気にbpmを上げまくっていく! かき回されるフロア前方、テンポが上がる度、ダンスの嵐でぐちゃぐちゃになっていく。ダンス・モッシュ・ピットと化していく。そして、勢いある、若者は、“ノリどころ”“攻めどころ”を外さない。寺中の“みんなの大好きなあの曲をやります!! ”を合図に、『トラベリング』が炸裂だ! フロアを照らし出す真っ赤なライト同様に、見る間に沸騰していく客席。その全てを燃やし尽くすような音圧が炸裂したラスト・ナンバー『夕映えの街、今』では、閃光のような光に包まれながら、メロディアスの嵐がフロアへ何度も突き刺さる。客席の盛り上がりに負けまいするメンバー、途中、首藤と小野がぶつかる場面も。そして小野は、ダイブ! 踊る! ギターを置いて意味不明に動きまくる!

 アンコールでは、新曲や、インタビューでバンドの新たなの可能性が詰まっていると話していた楽曲『アワーワールド』をプレイし、今日この日、初のワンマンライブから広がっていくであろう、彼らの未来への可能性もしっかりとアプローチしてくれた。

 そして、勿論、ダブル・アンコール、最後をしめるのは、再びの『トラベリング』(巨匠Ver.)! 最後の最後まで暴れまくり、踊りまくり、お祭り騒ぎで気持ち良く終了! 発達途中、発育途中の若いバンドの未知数のエネルギーを心ゆくまで堪能できた1時間40分であった。

再び、断言するが、このバンドは、きっとこれからもっと愛される!


〜余談〜
打上の話しです。

打上でバカをやる若いバンドは減っている中、KEYTALKはかなりはしゃぐという噂は聞いていたのですが…。

いやー、噂以上、かなりのわんぱく具合でした。いうなれば、大きい子供たちです。いや、生後間もない、いたずら盛りの子犬といった方がいいでしょう。元気。やんちゃ。そして、わんぱく。おとなしく、談笑しながら飲んでいたと思ったら、深夜0時を回ったころから、事態は急変。母親に“もう寝なさい”と言われた途端やたらとテンションが上がる子供よろしく、いきなりステージ上では小野君と八木君による“ももクロ(ももいろクローバー)ダンスタイム”が開催されている。かと思うと30分後には、メンバー揃って満面の笑みでドリンク・カウンターに来て、全員+レーベル・オーナーKOGA社長で、テキーラ一気が勃発。
以下に、それ以降の子供たちの盛り上がりを、一気におさらいしていきます。

4人が満面の笑顔でフロアで寝転がって、プロレス状態にもみくちゃになり、(それがじゃれあっている犬っぽい)←本当に終始満面の笑顔。

そこに加わるレーベル社長K〇GAさん。

社長に向かって4人そろって大声で“月給制コール”

4人+社長で再びテキーラショット。

飲むなり吐く、ドラム八木君。
八木君が吐いた瞬間、瞬時にトイレットペーパーとビニール袋を手に取り、ほんの数秒で、居酒屋店員顔負けのスピードでそれを片付ける、仕事人首藤君。

その数時間を全く同じ流れで、再び「テキーラ→吐く」を繰り返す八木君を見て、その学習能力の低さに、再び「生まれたての子犬」というワードがよぎりました。

間髪入れずに、ステージに上がり、再び小野君&八木君がステージで踊り始めたかと思ったら、

10分後、ふと再びステージを見たら、一人全裸で踊る八木君という、とっても生まれたてな光景へと変わっておりました。お酒は人を童心に帰らせるのです。子供が童心に帰ったら、あとは赤子に帰るだけなのです。しかし、八木君が股間にあてている、そのドラムのシンバルは、〇万円はする代物なので、スタッフは大慌てで八木君の股間から回収させていただきました。

そのまま3時に強制終了させるまで、小野くんを筆頭に、全力で“ももクロ”を踊っていました。恐るべしその体力。

——初日からライブ、そして打上共にこれだけの盛り上がりである。現在もツアー真っ最中の彼らは、このままツアー・ファイナルまで突っ走ってくれることでしょう。しかし、この日出勤していたシェルタースタッフは、年末12月31日に再び襲来するこの4人の子供たちの大忘年会に今からひやひやしております。ひとまず、ドラムのシンバルは死守させていただきます!!

(TEXT:島根希実/下北沢SHELTER)
 

Live Info.

KEYTALK
SUGAR TITLE TOUR!!

11月19日(土)下北沢SHELTER ※ONE-MAN SHOW!!
12月2日(金)高崎FLEEZ
12月3日(土)仙台FLYING STUDIO
12月4日(日)盛岡CLUB CHANGE
12月6日(火)京都MUSE
12月7日(水)神戸太陽と虎
12月8日(木)大阪2nd LINE
12月9日(金)名古屋UP SET
12月10日(土)沼津WAVE
12月11日(日)新潟GOLDENPIGS RED
12月15日(木)横浜FAD
12月17日(土)熊谷BLUE FOREST
12月22日(木)宇都宮HEVEAN'S ROCK
12月23日(金)広島NAMIKI JUNCTION
12月24日(土)岡山PEPPER LAND
12月26日(月)松山SALON KITTY
2012年1月12日(木)鹿児島SR HALL
1月13日(金)大分SPOT
1月14日(土)福岡SPIRAL FACTORY
1月15日(日)熊本Django
1月16日(月)小倉LIVE SPOT WOW!
1月21日(土)新代田FEVER -TOUR FINAL!- 2man live with/ GUESTバンド(11/19KEYTALKワンマンライヴにて発表!!)
1月27日(金)札幌SPIRITUAL LOUNGE
1月29日(日)旭川CASINO DRIVE
 

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