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【ライブレポート】桃井はるこ「しょうわ歌謡ショー」(2011年11月11日)

2011.11.23

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 「モモーイ」こと桃井はるこのアルバム『しょうわ』発売記念ワンマンライブが11月11日川崎クラブチッタで開催された。ライブタイトルは「しょうわ歌謡ショー」というそのまんまなタイトル(コマ劇場がまだあったら是非そこでもやってほしかった!?)。前日に比べ気温が一気に下がり、会場周辺のクリスマス装飾の雰囲気もあったせいか、いよいよ冬が到来したことを感じさせる日だった。

 場内はステージ中央にせり出す大きな花道が設置されていて、この舞台だけで早くも歌謡ショームードが高まる!

 そして開演。
 1曲目はアルバムのタイトルチューン「しょうわ」。モモーイが愛聴するTOM★CAT(「ふられ気分でRock'n' Roll」!!)ばりの派手なシンセサウンドが心地よい曲で一気にエイティーズ気分を満喫。観客もノリノリだ。
 2曲目「Feel so Easy!」を歌って挨拶のMC。日付が2011年11月11日ということに加え、桃井はるこのデビュー11周年でもあるということで「おめでとー!」とお客さんからの盛大な祝福を受ける。それを受けてモモーイは、多くのお客さんが手にしているサイリュームやルミカライトを指して「今日はまさに1づくしで棒状のものの記念日ですけど、“モモーイが綺麗と言ったから、11月11日はサイリューム記念日!”」と、昭和を代表する歌集「サラダ記念日」をパロディーにしつつ、この日を“サイリューム記念日”と命名! すかさず、サイリュームにうってつけの曲「LOVE.EXE」を演奏した。『しょうわ』からの曲ではないが、TM NETWORKへのオマージュでもあるこの曲は、桃井サウンドの一つの特徴である80's要素を昇華した重要な曲であり、まさにこの日にぴったりだ。

MomoiHalko11111102.jpg 「祭りだ! BOY MEETS GIRL」「トンドルベイビー」と激しい曲が続き、MCで「みんな大丈夫?」と尋ねるが、お客さんの方からしたらモモーイの方こそ大丈夫なのか?と心配になる程前半からとばしていた。

 モモーイがこの歌謡ショーをどう演出するかを考えた末にボツになったアイデアとして、音に反応する「フラワーロック」(※80年代に大流行したオモチャ)を並べようと思ったとか、やはり80年代に放映された『所さんのただものではない!』のエンディングで毎回使われていた「クレイジーストリング」(※蛍光色の糸が出るスプレー)を用意しようとしたとか、昭和育ちの人でもすっかり忘れているような細かいネタを連発する。会場には平成生まれのお客さんも多かったので「ごめん!完全置いてけぼりにして」と謝りながらも、次から次へ昭和ネタは尽きない(笑)

 

 モモーイのファンには女性も多く、この日もモモーイ・コスプレをしたお客さんなど女性客がかなりの数来場していたが、ここからの曲は女子の気持ちを歌った曲が続く。
「“I LOVE YOU”という言葉を私なりの言葉で伝えた曲」と前置きして歌われたのは「フィギュアになりたい」。そして「スカート丈の長いメイドさんには絶対にかなわない」。オタクの女心を生々しく表現した曲もまた、桃井はるこの魅力のひとつだ。


MomoiHalko11111106.jpg ライブ中盤で衣装チェンジ。前半は「ガチャガチャ」をイメージしたドレスだったが、後半はなんと「ブロック崩し」!! ホント、この日は細かい所まで昭和づくしです(笑)。

 そしてモモーイのシンボル「ショルダーキーボード」を装着してさらにパワーアップ! 7枚目のシングルで、桃井はるこが今の時代を生きる人達に捧げたアンセム「21世紀」を歌う。僕もこの曲で何度励まされたことか。いやー、名曲です。

 そしてモモーイのアイドル観を表した曲ということで、飯島真理の「愛・おぼえてますか」(※劇場版「超時空要塞マクロス」主題歌)を歌い、続けて『しょうわ』の中でもとりわけパーソナルな曲と思われる「夏より熱い冬」を歌う。この曲はアイドル冬の時代を歌った曲で、モモーイがいちアイドルファンとして同性の女性アイドルを追っかけていた頃の体験がモチーフになっている。先程、桃井はるこには女性のお客さんが多いと書いたが、ファンの気持ちを誰よりも知っているモモーイに女性ファンが共感するのは当然だし、男性ファンにとっても気を許して(自分のオタク性を晒して?)応援できる所があるんじゃないかと思う。

 

 このあたりから終盤に向けて一気にロックモードに突入。「へんじがない、ただのしつれんのようだ」「ゆめのばとん」「Brand new music」「もっと、夢、見よう!!」とキラーチューンの連打だ。

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 「最後の2曲になりました」というMCの後、すかさず客席から「エエェー、いま来たばっかりー!!」と、アイドルコンサート伝統のお約束コールが入る。しかし、このコール&レスポンスがあるとなぜか安心するなあ(笑)。

 その最後の2曲は『しょうわ』から「がんばれ…それは、I Love You」そして「夜明けのサンバ」。アニメ『ときめきトゥナイト』の主題歌を思わせる陽気なサンバのリズムに合わせ、お客さんもホイッスルの音を鳴らして大騒ぎだった。全22曲を歌いきったモモーイは大声援の中、一旦バックステージに捌ける。

 

 そしてアンコール。スカ、プログレ、ハードロック、チップチューンなどを絶妙にミックスして子供の頃のヒロインへの想いを高らかに歌った名曲「WONDER MOMO-i」で会場は再びヒートアップ! UNDER17解散後、ソロとして音楽活動を再開した桃井はるこのリバースとも言えるこの曲はファンにとってもとりわけ思い入れが強いものだ。歌い終わった後、モモーイが「わたしのやってきたことは間違いじゃ無かった!」と言ったことに全く異論がないのは、この日の客席の盛り上がりを見れば一目瞭然だ。
 そしていよいよラスト。「最後の最後の曲は『しょうわ』の中で唯一今日まだ歌ってない曲」と紹介して、まさにこの瞬間のためにあると言える曲「ライブのあとはさみしいな」を静かに、そして力強く歌った。鳴り止まない拍手の中、完全燃焼したモモーイは後ろ髪をひかれながらも、マイクを置いてステージを後にした。

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 ……これでライブレポートは終わりのはずだったのだが、なんとこの日は、予定外のエピローグがファンの手で用意されていた。

 

 すべてのセットリストが終わって客電がつき、場内アナウンスが流れる中、お客さんのアンコールを求める声が鳴り止まない。そして(予定外のことだったが)もう一度挨拶するためにモモーイがステージに現れた。
 すると、客席から一斉に紙テープがモモーイにめがけて投げられた。一瞬にして会場を埋め尽くしたピンクの帯。「昭和-アイドル-紙テープ」ということで、ファンの有志が開場時間中にこっそりとピンクの紙テープ(しかも芯抜き!)をお客さん達に配っていたのだ。
 この粋なサプライズにモモーイも心底驚いて、「夏より熱い冬って、もしかして今日のことだったんじゃね?」と客席に応えて、アカペラで「夏より熱い冬」を歌い始めた。
 「宙に向かって投げた 僕の紙テープ 君の頭上 花吹雪」と歌詞で歌われているままの場景が、今まさに目の前で起こっていて、お客さんはもちろん、モモーイも本当に嬉しそうだった。

 ライブで会場が一体となるのはよく見られることだが、この日の一体感は僕にとっても尋常でないほどの出来事だった。年齢も経歴も生活環境もバラバラな1人ずつが、1がたくさんついたこの日ここに集まり、モモーイの歌で1つになった。こんな素敵な時間を共有できるなら、僕たちの青春(はる)はずっと続いていくはずだと思わせてくれる “夏より熱い” ライブだった。素晴らしいライブをありがとう、モモーイ、そしてモモーイファンのみなさん! (TEXT:加藤梅造)

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セットリスト

1.しょうわ
2.Feel so Easy!
3.LOVE.EXE
4.祭だ!BOY MEETS GIRL
5.トンドルベイビー
6.MOCO MOKO ROCK!
7.愛のメディスン〜アニサマバージョン〜
8.フィギュアになりたい
9.スカート丈の長いメイドさんには絶対にかなわない
10.ヒ・ミ・ツ
11.Night Park☆
12.ですぱれーしょん☆です!
13.21世紀
14.I my moko
15.愛・おぼえていますか
16.夏より熱い冬
17.へんじがない、ただのしつれんのようだ。
18.ゆめのばとん
19.Brand new music
20.もっと、夢、見よう!!〜2011Ver.〜
21.がんばれ…それは、I Love You
22.夜明けのサンバ
Encore
23.WONDER MOMO-i 〜World Tour Version〜
24.ライブのあとはさみしいな

商品情報

桃井はるこ / しょうわ

DGAA-10004 / 3,000yen(tax in)
IN STORES NOW

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Live Info.

 

■2011年12月9日(金)
会場:ロフトプラスワン
 
桃井はるこトークライブ「はるこの秘密」
桃井はるこデビュー11周年(&プラスワン出演15周年)記念!!
恒例の「はるこの秘密」今年も開催。しかも2部制!!
 
●夜の部
Open 18:00 / Start 19:00
前売¥3000 / 当日¥3500(飲食代別)
●深夜の部
Open 24:00 / Start 24:30
前売¥3000 / 当日¥3500(飲食代別)
前売券は11/27(日)よりローソンチケットにて発売
【Lコード:37063】(1人2枚まで購入可能)
※Lコードは夜・深夜共通です。購入時にどちらか選択して下さい。

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