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【ライブレポート】〜SHELTER 20th ANNIVERSARY〜『YO-KING 対 50円玉』

2011.09.14

〜SHELTER 20th ANNIVERSARY〜『YO-KING 対 50円玉』ライブ・レポート
YO-KING said“Neil Young With Crazy Horseみたいな夜”
2011年9月9日(金)下北沢SHELTER
文:石川 愛(web Rooftop)

「真心ブラザーズを分解し、対バンさせる」という贅沢なイベントが実現したのは、会場が下北沢SHELTERであったからに他ならない。
SHELTER20周年をお祝いするための、YO-KINGの粋な計らい。

まず登場したのはYO-KING。メンバーはグレートマエカワ、サンコンJr.、おおはた雄一。

MCにてメンバー紹介した時「今から“KING"って呼んでいい? なかなか切り替え時期がなくてさ」とサンコンJr.。
「いいよ、こういうのはタイミングだから、call me KING。今でしょ。今このタイミングで切り替えていいんじゃない?」とKING。
お二人は出会ってからかれこれ20年だそうで。

おおはた雄一はSHELTER初登場。
かなり小さな声で「よろしくお願いします…」。
それに対しKINGは「SHELTERは(出演する)回数によってマイクを大きくさせていくっていう。ライブハウスは封建主義だから」

10月24日にもフラワーカンパニーズでSHELTER出演を控えているグレートマエカワ曰く、
「俺はKINGよりもSHELTER出演回数多いから、それにより必然的にKINGより声が大きくなっちゃうよね。でもごめんね、ライブハウスってそういうもんだから」とかぶせてくる。

バンド名はずっと発表されずにいたのだが、その時グレートマエカワのラグランの胸元に「buffalo」とプリントされているのをみたKINGが、「えーと、じゃあ、バンド名は“YO-KING と Crazy Buffaloes”ね」といきなり発表。
弾ける照明、湧く観客、割れる海。
思いつきでもそれが“本物”になるから、すごい。
因みに「インディアンズ」の命名の瞬間も、グレートマエカワがインディアンのTシャツを着ていたらしい。

「ヤリスギくんまでいかない程度のデキスギくん」
「TPOに合わせて自分を出していきます。だから、“いいとも”に出る時と、SHELTERのライブは違うよね」
(グレートマエカワに向かって)やっぱり、本当に声デカイ。SHELTERマイルが溜まってる。出演回数って大事だなぁ」
「ショックのレベルはレディー・ガガ級」
といった珍妙且つ秀逸なKING MCもバンバン飛び出していました。

最後の曲『泣かないけどね』で泣きそうになったのはもちろん内緒です。
日本語ってなんて素晴らしいんだ、音楽ってなんて素敵なんだって、ドキドキさせられて、YO-KINGの声の魅力も在り方もすべてが相まって、もう、泣きそうだよ。泣かないけどね。

暗転。

「イエーイ、もいっちょイエーイ」というドリフスタイルにてYO-KING再登場。
「ついにあのユニットが“真心ブラザーズのライブ”という枠からはみ出て、この世界に解放される日が来ました。皆さん歴史の証人になってくださいますか? OK! COME ON! 50円玉!」

皆さんお待ちかね、50円玉の登場。
1曲目の『MC Sakuのラップでパーティー』からいきなりリリックぶちかまし、好きな曲ばっかりスパイラルチェーンライクでMC Ichiro乱入。
MCと紹介されながらもサックスを吹きながら登場したMC Koushiは、「SHELTERが20周年っていうから一人文化祭ノリで、50円玉作って来たよ」。
そしてすかさずMC Sakuの「そしてその大きな50円玉の裏にはカンペ」

MC Sakuからも「私も初めて、一番小さなサイズのキャンパスノートを買ってみました。そしてそこにマッキントッシュのステッカーを貼ることによって…これが僕の外付けHDです」
「この曲で、CDデビュー! ……したい!」
「円高解決50円玉!」

といった珍奇なMCが飛び出す。
ここまで一気に読んでいただいた方に対して注釈を。
十分おわかりいただいている方に対しては話の腰を折るようで申し訳ないのですが、MC Sakuは言わずもがな、あの真心ブラザーズの桜井さんですのであしからず。

『50円玉のテーマ』からスタート。
事ある毎に主張するようで申し訳ないが、昔から「バンド名+のテーマ」に目がない。飯! 女子! グッドミュージック!
「バンド名+テーマ」の良さ、それは、つい口ずさんでしまうその魅力。その一言に尽きる。飯! 女子! グッドミュージック!

MC Saku「YO-KING 対 50円玉って、喧嘩売られてるでしょ。しかもSHELTER20周年でさ。買いましょうよ、その喧嘩!」
場が整うまで少し時間を要したようにも見えたが、そこはプロ、スタイリッシュに決めた。
「50円玉の欠けた部分を補う、ビートの女豹、リズムの渡り廊下走り隊を紹介します。from YOKOHAMA! DJ MIYO!」と、なんとdetroit 7のドラム山口美代子が登場。

4人構成になった50円玉は、もはやただのラップ・ユニットではなかった。
その証拠に、ゴ太いダビーな音にあわせて、ラブホテルのびらびらを突き抜けたのである。
「そんな上っ面の言葉だけに惑わされないぞ。ちゃんとライブをレポートしろ!」とお思いの紳士淑女の皆様こそ、是非、ライブに行っていただきたい。
会場でご覧になっていた方には頷いていただけるであろう。
前半は、こうとしか表現のしようがないのです。
『〜炎の後半戦〜』にてMC Saku「MC Ichiroはベースを弾きながらラップはできません」
MC Ichiro「できません!」。
そこで、MC Ichiroと付き合いの長いと登場したのがまさかまさかのYO-KING!
ベースを弾くYO-KING、うねる低音に痺れて、もう、泣きそうだよ。泣かないけどね。

因みにMC Ichiro、お休みの日はネットで将棋の動画等を見ていると、一日が終わっているらしいです。
そんな彼のフリースタイルの内容を要約すると「住んでいるマンションの管理人さんが飼っている猫のムーチョとニャー」。

暗転。

アンコールでは、豪華メンツでの『どか〜ん』を披露。
普段がんばる皆さんひとりひとりへのご褒美だととらえています。
そのままYO-KINGは拳を突き上げてこう言った。

「SHELTERごと空にまいあがれ!」

ライブとは、まことナマモノであり、その場の空気、匂い、熱、湿り気、心地よい疲労感が伴って、でも「この感じ、他に無い!」という爽快感が、いろんな感情と折り混ざって、計り知れない喜びに換算されるものであると信じている。
ライブは、やっている時に、行けるなら、行ったほうがいいです。本当に。
チケット取る準備している時のワクワク感を、忘れないで欲しいです。本当に。
さて、10月はいよいよ20周年クライマックス。余す事なく期待できるライブのオンパレードなので、見られる限り、見て欲しいです。本当に。

---YO-KING play lists---
#01: バランス
#02: FOREVER YOUNG
#03: カプセル
#04: 若者たち
#05: 世界の元
#06: この世界と共に在れ
#07: たまたま
#08: DREAM IS OVER
#09: Hey!みんな元気かい?
#10: 泣かないけどね

---50円玉 play lists---
#01: MC Sakuのラップでパーティー
#02: 50円玉のテーマ
#03: Route20
#04: 寺原
#05: 生きる
#06: 〜炎の後半戦〜
#07: 50円玉のテーマ(〆)

---encore---
#01: どか〜ん
#02: 空にまいあがれ

 

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