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Asagaya / Loft A 3rd Anniversary『高木フトシ×高野哲×高畠俊太郎』ライブ・レポート

2010.12.16

Asagaya / Loft A 3rd Anniversary
『高木フトシ×高野哲×高畠俊太郎』ライブ・レポート
2010年12月13日(月)Asagaya / Loft A
文:石川 愛(web Rooftop)
写真:大島由紀

阿佐ヶ谷ロフトAと言えば、12月1日(水)に行われた遠藤賢司の弾き語りワンマン・ライブが記憶に新しい。
トークがメインのライブハウスの、第2弾3周年記念ライブである。
このハコ、一度も足をお運びになったことがない方には本当に説明しにくい雰囲気が漂っていることは間違いない。
基本的に座って観るライブが多く、空間を贅沢に使い、ゆったりと寛ぐことができる。
客席の明かりは暗く、各テーブルにはキャンドル。
気の利いた素敵なグラスで、数限りない様々なカクテルが楽しめる。

12月13日(月)、大雨にも関わらず挙りに挙ること100人弱。みるみる椅子席が埋まり、立ち見のお客さんも出てくるほどであった。

ペルトリカ阿佐ヶ谷.jpgまずオープニング・アクト、神奈川を中心に活動しているpertorika
普段とはまた違う、アコースティックでの演奏だ。
編集子、実はライブハウス勤務でもあるため、この日は照明として参戦。
このバンド、とにかく雰囲気が柔らかい。
気持ちよく晴れたお休みの日の昼過ぎに、洗濯物を干した後にいただく紅茶にぴったり合う音楽である。

高木さん阿佐ヶ谷.jpg出演最初は、高木フトシ
暗い曲はどっしり暗い。さあ覚悟しろとばかりに唄い上げる。
後で詳しく記述するが、この時まだトリの高野哲さんが到着していなかった。それまでMCでもそわそわとしていたが、ステージ横の楽屋に高野の姿を確認した高木は、気が楽になったのか矢庭に饒舌になり、「日本人なのにモヒカンにしてみました。美容師の友人に挑発的に“動きのある前髪”と言ったのがいけなかったか」など客席を沸かせるシーンあり。
途中、野球のサインとおぼしき動きもあり、次の出番の高畠に対し目で何かを訴えていたが、そこは出演者のみぞ知るところである。

俊さん阿佐ヶ谷.jpg次いで高畠俊太郎
新しく作られた音源について「なんて言うかねー、すごい夜のバスなんです」と説明してから曲を披露し、一言「ね、すごい夜のバスだったでしょ」。
口で説明しちゃってるじゃん、という指摘は野暮というものです。
「1年に1回くらいここ(阿佐ヶ谷ロフトA)でイベントに呼んでもらっているのですが…素敵なイベントなので嬉しいです。ありがとう」という言葉が、ライブハウス関係者の心にはズーンと響いたのではと思われる。
人と人が繋がるというのは、大事なことだし、何よりお互い信用していなければ続かない。
それが事実続いているのは、素晴らしいことだと思う。

哲さん阿佐ヶ谷02.jpg最後は高野哲の登場。
ここで明かす事実、実はこの日、なんと高野は40度の高熱を出していた。リハーサル時間になっても熱が引かないため病院に行き、飛沫感染系のウィルス疾患かどうか検査をしてもらっていた。
結局「扁桃炎での発熱であり、出演はOK」というドクター・チェックを見事クリアした高野。
ここからは彼の言葉をそのまま記載したいと思う。
「僕は40度出てて、もう、ふらふらで、なんならスウェットとかですよ。で、診察してくれたお医者さんがカルテを見て『ほう、ロック歌手ですか』と。僕はぼーっとする頭で何も考えられなくて『はい、そうです。今日ライブなんです』と答えたんですが、そのお医者さんが『ライブというと、歌って踊って、のアレですか』と言うんです。僕はもうどうでもよくなって、『そうです、歌って踊るロック歌手です』と」。

この手の弾き語りライブのいいところは、距離的な近さもあるが、MCが落ち着いていてたくさん聞けることと、いい意味での変な緊張感のなさだ。
「歌って踊れるロック歌手が、2時間前に座薬を入れたので、3時間は持つはずです。ちなみに今36度まで下がりました。さっきまで40度あってうなされていたとは思えない男の歌をお楽しみ下さい」。
見よ、これがその時の余裕の笑みである。ピース。

哲さん阿佐ヶ谷01.jpg

nilとはまた違った側面を見せる高野。
アンコールにも応じ、前回ワンマンで出演した時に披露した『ざわざわ下北沢』などもリクエストされていた。
前日がお誕生日だったそう。お客さんから沢山のプレゼントを渡された中で、紙袋の中を覗き込み「えーっと座薬と…」と冗談を言う余裕さえ出ていた。
座薬で熱をおさえこんでいるとはいえ、流石である。

オール・スタンディングのライブにマンネリを覚え始めた方には本当におすすめのライブハウスなので、好きなバンドのアーティストのソロ弾き語りなどをチェックして、是非一度その良さを体感して欲しい。
3歳のお誕生日、おめでとう阿佐ヶ谷ロフトA。
これからも、様々なイベントで我々を驚かし続けて欲しい。

Live Info.


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