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GRASAM ANIMAL(Rooftop2018年7月号)

今の時代にロックンロールをやるということ

──「LOVE OIL」の歌詞のテーマをあえて言うならどんなことですか。

木屋:生きてることに意味があるってことをこじつけたらこうかな、っていう理論の話ですね。自分が死んだ後のことを想像すると、生きてることに意味があるとこじつけることもできるかなっていう。

──肉体と精神と霊的パワーの交歓についてブログに書かれていたことがありましたが、いわゆるスピリチュアルな世界には以前から関心があったんですか。

木屋:ここ1年くらいハマってますね。自分の内面に興味があると言うよりも人間が植物や動物と共存するサイクルと言うか、人間がいることで地球のサイクルはどうなっていくのかに関心があるんです。人間は必要があって生まれてきたはずだから、上手く生きるにはどう行動すればいいのかを考えると、地球の意志に背かないことが一番なんじゃないかとか。そんなことをいつも考えてますね。「LOVE OIL」に出てくる「石油」もその延長線上にあって、人間は石油という生物の死骸を燃やして生み出すエネルギーを利用してるじゃないですか。それが僕には面白い。

──問題提起ではないわけですね。

木屋:何かを訴えたいわけじゃなく、ただ事象を唄ってるだけです。

──カップリングとして「あの子の心臓に」をチョイスしたのは、「LOVE OIL」とは毛色の異なる曲にしようと考えたからですか。

木屋:「あの子の心臓に」のほうが早くできてたんですけど、自分では「LOVE OIL」と違うタイプの曲とは思ってないですね。両方同じような曲だと思ってます。

──「あの子の心臓に」は輪廻転生がテーマなのかなと思ったのですが。

木屋:そうですね。端的に言えばロックンロールの話なんですけどね。今の時代にロックンロールをやることを唄ってるんです。あまり解説しちゃうとアレなんで、この辺にしときますけど。

──仮に木屋さんが明日死んだとしても、木屋さんの唄うロックンロールは誰かの心臓に焼きついたまま残るぞと言うか。

木屋:ああ、そうかもしれないですね。どんな歌詞を書いたのかちょっと忘れちゃったけど(笑)。

──身も蓋もない言い方をすればツェッペリンとビートルズのハイブリッドなんだけど、不思議と整合性が取れていますよね。

木屋:昔のロックを適当につなげただけに見えるのが面白いですよね。あの曲とこの曲をくっつけりゃいいじゃんと思って作ったんだろ? みたいな(笑)。

──そこは確信犯なわけですね。

木屋:軽いギャグですよ。だけど違和感がないでしょ? っていう。ちょっとした速弾きみたいな感じですね。ギタリストが速弾きするみたいに作曲者が速作りしてみたって言うか(笑)。でもそれしかなかったんですよ。「君の中に 近付く」の後に「未だ眠れない僕たちは」をくっつけるにはあのメロディを持ってくるしかなかった。

──ロックンロールも50年以上の歴史のなかでおよその曲調は出尽くしただろうし、新しいメロディのパターンもコードの展開も限りがありますよね。さっき「今の時代にロックンロールをやること」とおっしゃいましたけど、ロックの古典のあからさまな引用と配合は今を生きるロック・バンドなりのあっかんべー!なのかなと思ったんですよね。

木屋:まぁ、ギャグなので(笑)。「あの子の心臓に」を聴いて古くさいとも思わないし、すごく新しいわけでもない。でも新鮮な感覚で聴けるとは思うんですよ。

 

“いい歌”かどうかがすべての基準

──今回の配信シングルに限らず、GRASAM ANIMALの音楽は一貫して「オーソドックスだけど新しい」と思うんです。メロディは既視感ならぬ既聴感があるけど似たものが見つからないし、聴き心地が良いのでそんなことはどうでもよくなると言うか。

木屋:聴き心地が良いメロディにするために試行錯誤してるんですよ。曲作りの最初はもっとガッチャガチャですからね。たとえばファースト・アルバムで言うと「風のサンバ」はサンバのリズムを使って曲を作ろうと最初に思いつつ、本物のサンバのリズムをいろいろと試しながら曲にするのがけっこう大変だったんです。

──ロックンロールのいいところはなんちゃってサンバでも通用する部分だと思うんですけど、そこは妥協しないんですね。

木屋:サンバに対する愛があるので譲れないんですよ。本物のサンバを自分たちなりに咀嚼して、その上でメロディを良くしようとすると、最終的には普通にいい曲に聴こえちゃうんです。本物のサンバのリズムをやろうと悪戦苦闘した部分が薄れちゃうんですね。僕らの音楽は聴けば聴くほどいろんな発見があると思います。あと、詞の置き方が実はヘンな感じになってたり、やたら韻を踏んでるのを自分でも最近発見しました(笑)。他のアーティストなら英語にしてやり過ごすところも、僕は一貫して日本語を乗せようとしてますし。

──日本語なのに英語みたいに聴こえるところもありますよね。「LOVE OIL」の「勇敢な方へ」は「You've Got a Hold on Me」が仮歌だったのかなとか思ったりして。

木屋:仮歌では英語でも、韻をたどって耳ざわりのいい日本語に置き換えることはありますね。英語に限らず、自分から遠い言葉を歌詞に使いたくないんですよ。いくら意味は通っていても、自分には馴染みのない言葉は英語も含めて使わないようにしてます。「LOVE OIL」の頭の「Hey」は、「ヘイ、バッチコイ!」みたいな感じで普段でも使うからOKなんです。

──それだけ深いこだわりがあるなら、曲作りに時間がかかるのは仕方ないのかもしれませんね。

木屋:こういう作り方を始めた手前、後に引けなくて、軽く曲を作れなくなったので自分でも不自由を感じてるんですけどね(笑)。

──ダンサブルな曲調をベースにしつつ、この先どんな感じの曲を作っていきたいと考えていますか。たとえば踊れながらも歌詞に深みを持たせる曲とか。

木屋:ファースト・アルバムの時にそういうのを目指してたんですよ。踊りながら泣ける曲とか。今はもうちょっと変わってきて、たとえばビートルズの「Strawberry Fields Forever」みたいに歌の表情がしっかり出た曲を作りたい。ニュアンス至上主義と言うか、それは空気感という言葉にも置き換えられると思うんですけどね。楽器それぞれの叩き方、弾き方に実は情報量がものすごく詰められているけど、それをしっかり出せてるバンドって少ないと思うんですよ。もちろん自分たちもまだちゃんと出しきれてないし、そこは頑張りたいですね。自分の歌も含めて。

──今回のシングル曲の歌はなかなかいい線をいっているように思えますけどね。

木屋:まだいけるなと思いますね。「LOVE OIL」は自分で作った曲なのに唄うのがすごく難しかったんです。リズムとメロディの高低がかなりのネックで。試しにディレクターの斉藤(匡崇)さんに唄わせてみたら、やっぱり全然唄えなかった。なんとかカラオケで唄えるようにして、みんなにもこの歌の難しさを味わってほしいですね(笑)。

──話を伺っていると、木屋さんは曲作りが最優先で歌はその次なのかなと思ったのですが。

木屋:曲作りも好きだけど、僕が一番好きなアーティストはエリス・レジーナだし、結局のところコンポーザーではなくボーカリストが好きなんですね。自分が追い求めてるのもいい歌なんだと思います。「LOVE OIL」も歌のメロディ・ラインに力があると思ったのでシングルにしたし、やっぱり歌がすべての基準なんですよね。

 

1st DIGITAL SINGLE
LOVE OIL c/w あの子の心臓に

2018年7月4日(水)より各音楽配信サイトにて配信開始
レーベル:EIGHT BEATER

1st ALBUM
ANIMAL PYRAMID

2017年7月26日発売
XQNH-1001
1,800円+税
レーベル:EIGHT BEATER

【収録曲】
1. 死ぬまでフラミンゴ
2. POCARI SWEAT
3. 抱きしめたい
4. Sir, Fried Monster
5. 風のサンバ
6. インサイド!インサイド!
7. 地球が何周回っても

Live info.

GRASAM ANIMAL presents
at the Ruby Room vol.3

ACT:GRASAM ANIMAL / キイチビール&ザ・ホーリーティッツ / and Special Act
2018年6月23日(土)渋谷RUBY ROOM
OPEN 18:30 / START 19:00
前売 2,000円(ドリンク代別)
問い合わせ:RUBY ROOM 03-3780-3022

見放題2018
ACT:GRASAM ANIMAL ほか約150組出演
2018年7月7日(土)心斎橋アメリカ村周辺19会場
OPEN 12:00 / START 13:00
前売 4,000円(ドリンク代別)

GRASAM ANIMAL presents
GRASAMANIA〜LOVE OIL RELEASE PARTY〜

ACT:GRASAM ANIMAL / Lucie, Too / バレーボウイズ
2018年7月13日(金)下北沢SHELTER
OPEN 18:30 / START 19:00
前売 2,300円(ドリンク代600円別)
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430

NEW LINK!
ACT:GRASAM ANIMAL ほか多数出演
2018年8月8日(水)下北沢ライブハウス5店舗(BASEMENT BAR / CLUB 251 / DaisyBar / mona records / 近松
OPEN 17:30 / START 17:30
前売 2,000円(ドリンク代別)