自然にミクスチャーになっていく
——CONNECT歌舞伎町から、デモ音源とTシャツの販売も始めて、DIYを大切にしてると思うんだけど、そこのこだわりがあったら聞かせてください。
RYOCHI:UCがレコーディングは大活躍で、エンジニアとしてもマスタリングまですべてやってくれましたからね。
UC:一旦、皆のどういう音にしてほしいとかを全部取り入れて1曲だけ仮ミックスしたものを送って、それからまた皆の要望を取り入れて。普段が僕がやらないようなミックスの仕方をやって、999999999っぽいなという音を作り上げていきましたね。
RYOCHI:最初のミックスやってくれたデモの時点でもドンピシャでしたね。
YAMAUCHI:僕たちの音楽はパンクなんでローファイなのが基本なんですけど、UCさんから上がってきたのが最初ハイファイな方向だったんですよ。それが自分らで作ってるんだけど安っぽくないし、聞きやすい、艶っぽい仕上がりで。自分らで作っていても安っぽくならないものが上がってきたのは嬉しかったですね。
RYOCHI:僕はUC君と一緒に仕事もしてたんで、どれくらいのミックスをやってくれるのかある程度の想定はしてたんですけど、VOLTとYAMAUCHI君は初めてだし。オールドスクールなパンクをやる上で、昔のそういう音源の音を目指すよりは、今の音でやりたいなってのはあって。当初描いていたものが形にできたなと思います。
——CIRCLE JERKSのカバーも入ってて、あれを選んできたのはメンバーの好み?
UC:あれは最初RYOUCHIさんが選んできたんですよね?
RYOCHI:むちゃくちゃ名曲なんですよ。
——CIRCLE JERKSはもう50年も前のバンドなのに今聞いてもアガるって不思議だよね。
RYOCHI:全然ジャンルは違うんですけど、細野晴臣さんが何年か前にカバーアルバム出したときに、「昔にあんないい曲があるんだからもう曲を作らなくてもいいんじゃないか」って思ってるって言ってて。なるほどな、と(笑)。 もちろんあの人が言うから説得力があるんですけど。でもそういうカバーがあるから僕たちが昔の曲を知れたりするし、僕たちのカバーもそういうようになったら良いですね。もっとハードコアとかパンクを好きになる人が多くなったら嬉しいです。
——自分もライブハウス歴は長くて、ハードコアなハコにもずっと出てるんだけど、999999999の音楽って面白いと思う。ハードコアなんだけどそこまでゴリゴリなわけじゃないし、そこにダブとか混ぜてきたり。曲はRYOCHIが作ってるの?
RYOCHI:そうですね。音楽を能動的に聞くようになったのはハードコアとかパンクなんですけど、今はクラブミュージックとかブラックミュージックを聞くことも多い。そんな中でもオールドスクールパンクは、そこと同時に聞けるんですよ。それがなぜなのか自分でもわからないんですけど、そういう今の自分の耳でも聞けるものを作っていったら面白いんじゃないかなと。パンクがずっと好きな人にももちろんリスペクトはありますけど、そうじゃない人間が作るのも面白がってもらえるんじゃないかな。
YAMAUCHI:各々のできること、パンク以外にできること、UCさんはUCさんのスタイルがあるし俺には俺のスタイルがあるし、それをRYOUCHIさんが持ってきたデモに俺らが色を加えていく、俺たちができることを自然にやると自然にミクスチャーになっていくというか。
——ライブを始める前に、レゲエとかダブみたいなことをやるのもインパクトがあってイイよね。どんどん面白いものを作っていってほしいね。
RYOCHI:まだそんなにライブではできてないですけど、結構いろいろ試してますよ。打ち込みとか含め。
——999999999でやってハマって面白ければいいよね、楽しみです。
RYOCHI:だから何年かやって、このバンドがどういうサウンドになってるか想像つかないですね。
YAMAUCHI:僕たちが今やってる音楽はオールドスクールなハードコアがベースになってるんですけど、自分たちとしては単純にロックバンドだって話はしていて。ハードコアだけに縛られたくはないですね。
RYOCHI:あと生粋の人たち、それだけを愛してやってる人たちには尊敬もあるし畏怖もあるんだよね。僕らはそこには勝てないし、勝てなくてもいいと思うんです。
YAMAUCHI:DUB 4 REASONとかすごいですよね。
RYOCHI:ああいう続けてる人たちの想いって、どうしたってライブに出ますからね。