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金子マリ(Rooftop2018年6月号)

ステージの上がいちばん自由でいられる

──ちなみに、再開発が進んで移りゆく下北沢の街並みはマリさんにはどう映っているんですか。

金子:下北に限らず、街は変わっていくものなんですよ。バブルの時代に姿を消した商店街の人たちもいっぱいいるし、確かに下北は変わった。今やロフトの平野さんとUKプロジェクトの藤井淳さんの街になったんじゃないの?(笑) 今でこそ下北は音楽と演劇の街って言われるけど、私の若い頃は町内会で全く理解されなかったから。「金子総本店の娘は歌を唄ってるらしいぞ」「ジャンルはロックっていうんだってよ」なんてね。歌手っていえば三波春夫と一緒くたにされちゃう時代だし、若い頃は近所の人たちにいろいろ誤解されて面倒くさかったね。周りはとにかく知ってる人たちばっかりだったから。

──どれだけ街が変わっても、愛着があるからこそ60年以上にわたって下北沢に住み続けているわけですよね。

金子:ジョニー(吉長)と結婚した時に「この街から連れ出してやる」って言われたのに、街から連れ出すどころか、向こうは苗字を金子にして居ついちゃってさ(笑)。まぁ、結果的には連れ出してくれなくて良かったと思うけど。何も言わずにお金を出してもいつもの銘柄を出してくれるたばこ屋みたいな店は他にないしね。下北のライブハウスに出る時は家から近いからいつも遅刻しちゃうけど(笑)。

──この14年、下北沢と横浜でのマンスリー・ライブは欠かさず、地方へのツアーも精力的に行なっていらっしゃいますが、50年近くボーカリストとして第一線で活動し続けている原動力とは何なのでしょうか。

金子:やっぱりね、唄うことが好きだから。それとステージに立ってる時がいちばんリラックスできる、自由でいられるからじゃないかな。私はもともとすごいあがり症だったから、ロフトに出てた時もみんなが演奏してるあいだに帰っちゃおうかなと思ったことが何度もあったの。それがここ20年くらいかな、少しずつあがらなくなってきて、今はステージに上がってスポットライトを浴びた瞬間にそこが自分の居場所だと思えるようになった。一気に図々しくなるっていうのかな(笑)。唄いたくて唄ってるわけだし、歌を唄ってる時にいちばん輝いてないとね。

──そこまで自分の好きなことをやり続けていられるのは幸せですよね。

金子:そりゃ過去にはいろいろとありましたよ。バックスバニーの曲を覚えるのが難しすぎて、バンドをやめたくてステージの上で倒れたふりをしたこともあったし(笑)。今やってる5thは私のやりたいことに賛同して音を出してくれるバンドだから唄いやすいし、メンバー全員のことが大好きだし、本当にありがたいと思ってる。私は私で好きなことをやってるし、別に私の歌を嫌いな人がいてもいいんですよ。なんていうか、最近は没個性というか平坦な感じの人が増えたでしょ? まぁ、気配を消すくらいのことができなきゃ毎日満員電車には乗れないのかもしれないけど。でもその弊害で、個性が薄まったり感動する機会が減ったよね。だからこそ私は歌を通じて誰かの心をちょっとでも動かしたいと思う。好きでも嫌いでもいい。何かを感じてほしいわけ。このフェイクばかりが溢れた今の世の中でね。資本主義はフェイクが好きらしいから。

──そんなフェイクばかりが横行する世の中だからこそ本物の歌を聴かせたい、という感じでまとめていいですか?

金子:うん、そういうことにしておいて(笑)。
 

Mari Kaneko Presents 5th Element Will
『Mari Kaneko Presents 5th Element Will featuring Kyoichi Kita II』

CD+DVD2枚組(デジパック仕様・ブックレット付)
PR-004/定価:5,400円(税込)
2018年5月2日(水)発売
発売・販売:Pacific rim record

amazonで購入

<収録曲>
【DISC-1 CD】
1. 風は吹かない
2. Stand Alone
3. Spicy Morning
4. 月と魔法
5. 忘れ物音頭
6. A Change Is Gonna Come
※Bonus Track(Rec at James Blues Land)
7. Stratus
8. Goodbye Pork Pie Hat
9. I'm Tore Down
【DISC-2 DVD】
1. 忘れ物音頭(Music Video)
2. 風は吹かない(Music Video)
3. Brush With The Blues(Rec at Shimokitazawa 440)
4. 春夏秋冬(Rec at Shimokitazawa 440)
※Bonus Track:Making of Music Video
All Songs are Arranged by 5th Element Will

Live info.

【Mari Kaneko Presents 5th Element Will】
毎月第3土曜日[6月16日(土)、7月21日(土)]
下北沢 440
OPEN 18:30/ START 19:30
前売り¥3,000 / 当日¥3,000(2order¥1,200別)
ゲスト:gnkosaiBAND

【Mari Kaneko Presents 5th Element Will】
毎月第4土曜日[6月23日(土)、7月28日(土)]
横浜 STORMY MONDAY
OPEN 18:00 / START 19:00 / 2stages
live charge予約¥4,000+税 / 当日¥4,500+税(各別要2オーダー)

【Johnny吉長追善七回忌興行 〜其レハ其レ〜】
6月4日(月)下北沢GARDEN
OPEN 18:00/ START 18:30
前売り¥6,900 / 当日未定
出演:ICHIRO / 岡雄三 / 金子ノブアキ / 金子マリ / Kenken / 近藤房之助 / 鮫島秀樹 / 菅木真知子 / 高橋Roger和久 / Char / 坪倉唯子 / 鳴瀬喜博 / 西山毅 / 野村義男 / 原田喧太 / Mac清水 / 松本照夫 / 森園勝敏 ...and more!

【下北沢音楽祭 〜異世代共存響声〜 Mari Kaneko Presents 5th Element Will Featuring Kyoichi Kita Ⅱ Album Release Party】
7月7日(土)下北沢GARDEN
OPEN & START 17:30
椅子席:前売り¥5,000 / 当日¥5,500(各別途ドリンク代)
立見:前売り¥4,000 / 当日¥4,500(各別途ドリンク代)
学割チケット:¥2,000(各別途ドリンク代)
下北割りチケット:¥3,000(各別途ドリンク代)
出演:Mari Kaneko Presents 5th Element Will
Brothers Act:MOJO CLUB with KOTEZ[三宅伸治(Vo.Gt)、谷崎浩章(Ba)、杉山章二丸(Dr)、KOTEZ(Harp)]、gnkosaiBAND[gnkosai(Dr.Poet)、足立PANIC壮一郎(Gt.cho)、アベナギサ(Ba.Cho)、Vi-ta(Key.Cho)]