Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE NEATBEATS(Rooftop2018年4月号)

世界を股にかけるには三つのコードがあれば十分さ!
マージービートの真髄をいまに伝える極東のビート貴公子、圧巻のビンテージ・モノラルサウンドでSHAKE! TWIST! GRAVY!

2018.04.01

自分が国になってメンバーを保護している

──スペインは以前もライブの招聘がありましたが、今年もまた行くんですよね?

真鍋:今年も2回行くね。スペインは意外と60年代ノリのバンドが多くて、好きな人も日本より全然多い。そういう音楽に特化したフェスも多いし、ガレージとかパンクとかに優しい土壌なんだよね。アメリカやイギリスのパンク系のレジェンドな人たちもよくライブをやってるし、そういうバンドは必ずスペイン・ツアーを入れてる。基本はみんなレコードを聴いててCDは聴かない。デジタルかアナログの両極端なんだよね。

──絶滅危惧種のロックンロールが日本でいよいよ立ち行かなくなったらスペインへ移住するしかないですね(笑)。

真鍋:だから最近はちょくちょくスペインの物件を探してる。スペインの不動産で値段を見たりとかして(笑)。まぁ、国の特色もあるのかな。ヨーロッパのバンドは全般的にいい雰囲気で音楽をやってるよね。ローカル・バンドとかクラブで演奏してるバンドでも基本的に生活していけるシステムがちゃんと成立してるし。このあいだフランスのバンドと話をしてたら、「ニートビーツはワールドワイドで活動しててすごくいいな」と言われてね。「でも俺たち普段はバンド以外に仕事してるよ」と言ったらすごい驚かれて。というのも、フランスは年間48本、月に4本のライブを1年やり続けている証明ができれば、政府が月に15万円くれるんだって。年に48本でOKなら、ニートビーツは月に40万円くらいもらえるんじゃない?(笑)

──フランスには文化をしっかりと保護する仕組みがあるわけですね。

真鍋:うん。アートや音楽をやってる人は証明できさえすれば国が手厚く保護してくれる。そういう証明する機関もちゃんとあるらしくて。だからみんなバンドで生活していける。フランスとしては将来的に偉大な芸術家を生み出したいから、その育成としてお金が出るみたいね。

──ニートビーツがすごいのは、国の保護を受けなくても20年以上スリーコードのロックンロールをやり続けていることだと思うのですが。

真鍋:もうね、自分が国やと思ってるから(笑)。俺が国になってメンバーを保護してる(笑)。でもそういう感覚はあるかなぁ。自分の好きな音楽、やってるバンドを自分の領土として持っとくべきかなと。そのなかで誰が何と言おうが、どういう流行りがあろうが、これがうちの国のスタイルです、みたいな。そんなふうにやってるほうが長続きする気がする。

──今回のアルバムもそういう作品ですもんね。何かに媚びることなく、純粋に好きなことだけしかやっていないし。

真鍋:いまは円熟味を増せる時期というかね。今回のアルバムを出したからもう当分出さないとかもないし、次のアルバムを来年出そうかってことになれば普通にやれるし。

liveF.jpg──ニートビーツがアナログ盤にこだわるのはメンバー4人分のレコードがまずほしいからというエピソードがすごく好きなんですけど、それも本当にピュアな気持ちでロックンロールと向き合っていることの表れですよね。

真鍋:レコードのプレスは4枚でもいいんだよね。逆に10枚しかプレスせんと、1枚=50万円くらいで売るのもいいかな(笑)。50年後くらいの音楽雑誌のレビューで「正規の10枚プレス」とか載るかもわからへん(笑)。…あ、あとね、もうひとつやっておきたいことを思い出した。ビートルズのブッチャー・カバー。

fab4butcher.jpeg──ビートルズの『“YESTERDAY” ...AND TODAY』というアメリカの編集盤で、メンバー4人が肉屋(ブッチャー)の格好をして赤ん坊の人形や肉の塊を抱えたグロテスクな写真がジャケットに使われた作品ですね。あまりの非難にすぐ回収されて、ジャケットが差し替えられたという。

真鍋:そう、それで高値のアイテムになってるやつ。俺たちも一度出荷したアルバムをわざわざ回収して、上からジャケットを貼り替えたい(笑)。このセンスをどこまでわかってくれるかな? みたいなね。まぁレコード屋さんからしたらいい迷惑やし、いまやったら「これ不良品ですよ?」って言われて終わりかもしれんけど(笑)。あとロカビリーのレア盤で、トラックの輸送中の事故でレコードが燃えちゃって希少盤になったのがあってね。それを真似て、プレスしたレコードを一度燃やしてみるとか(笑)。

──意図的に消失させると(笑)。

真鍋:そういう逸話がその作品の価値を高めたりするし、そんな作品のつくり方をこれからもしたいと思ってる。そこまで徹底してやったほうが達成感があるもんね。「これで一個ToDoリストが消えた!」みたいな。ToDoリストはどんどん増えていく一方やから、一個ずつ確実に消していきたい。まぁ、お金も手間もかかるよね。それこそ国に保護してもらわんと(笑)。

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OPERATION THE BEAT【CD】

2018年4月11日(水)発売
SPACE-012 / ¥2,800+税
発売元:MAJESTIC SOUND RECORDS / 株式会社スペースエイジ
販売元:株式会社スペースエイジ

【収録曲】
01. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
02. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
03. ICED COFFEE(T. Manabe)
04. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
05. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
06. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
07. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
08. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
09. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
10. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
11. GIT IT(B. Kelly)
12. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
13. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
14. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
15. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
16. WINKLE PICKER(T. Manabe)

OPERATION THE BEAT【LP】

レーベル:MAJESTIC SOUND RECORDS(国内盤)/SOUNDFLAT RECORDS(ドイツ盤)
品番:MSLP-091(国内盤)/SFR-091(ドイツ盤)
発売日:2018年4月21日(土)(国内盤)/ドイツ盤は4月下旬〜5月上旬発売予定
形態:LPレコード(完全限定盤)
価格:国内盤 ¥3,000(税抜)/ドイツ盤(価格未定)

【収録曲】
《side-A》
1. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
2. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
3. ICED COFFEE(T. Manabe)
4. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
5. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
6. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
7. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
8. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
《side-B》
1. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
2. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
3. GIT IT(B. Kelly)
4. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
5. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
6. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
7. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
8. WINKLE PICKER(T. Manabe)

Blu-ray&DVD『ゴーストロード』

2018年6月13日(水)発売
【Blu-ray】KIXF-556/4,800円+税/本編約79分+映像特典/BD25G/オリジナル日本語+英語(DTS-HD Master Audio2.0ch)/1080p Hi-Def/カラー
【DVD】KIBF-1579/3,800円+税/本編約79分+映像特典/片面2層/オリジナル日本語+英語(ドルビーデジタル 2.0ch)/16:9 LB/カラー
【Blu-ray&DVD 共通映像(音声)特典】
★予告編
★NG集
★オリジナル劇伴(音源のみ)
★劇場初日舞台挨拶映像
★初日舞台挨拶スチール・ギャラリー(静止画)
★THE NEATBEATSのMr.PAN、THE PRIVATESの延原達治、ザ50回転ズのダニー、マイク・ロジャース監督による音声解説
【発売】キングレコード+日本出版販売+タワーレコード
【販売】キングレコード
© 2017 Mike Rogers / Robot55 LLC
※ジャケットデザインや商品仕様は予定となっております。予告なく変更となる場合がございますので予めご了承下さい。

LIVE INFOライブ情報

SHINJUKU LOFT KABUKI-CHO 19TH ANNIVERSARY
出演:Akabane Vulgars On Strong Bypass、KiNGONS、ザ50回転ズ、COYOTE MILK STORE、サーティーン、JUNIOR、THE STEPHANIES、the twenties、Dr.DOWNER、Drop's、THE NEATBEATS、ボトルズハウス、MAD3、myeahns、夜のストレンジャーズ 他(五十音順・計19組出演)
DJ:DADDY-O-NOV、MIWAKO(Gonna Ball)、SATO(URASUJI.)、TAKESHI(SLAP of CEMETERY)、DJ RCF ALLSTARS(Hanaken, Satoshin', UK, and Hachi)他
★2018年4月27日(金)新宿LOFT
OPEN 19:00 / START 19:30
前売 ¥3,400 / 当日 ¥3,900(ともにドリンク代別¥600)
問い合わせ:LOFT 03-5272-0382

その他のライブ
★4月7日(土)・4月8日(日)新宿 red cloth(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─TOKYO SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月14日(土)・4月15日(日)大阪塚本ハウリンバー(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─OSAKA SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月21日(土)本八幡サードステージ(with:石橋勲BAND、THE STEPHANIES)
★4月22日(日)下北沢GARDEN(スーパー神田ナイト〜 キャノンボール・フェスティバル東京2018 振替公演)
★4月29日(日)神戸メリケンパーク特設ステージ(078Kobemusic)
★4月30日(月・祝)名古屋 CLUB UPSET(with:GASOLINE、下八[ハッチハッチェル+下田卓ユニット]、ニャーゴ 他)
★5月3日(木・祝)神戸 VARIT.(ワンマン)
★5月4日(金・祝)十三 FANDANGO(with:GASOLINE、イヌガヨ)
★5月5日(土)京都 磔磔(with:騒音寺)
★5月13日(日)上諏訪ドアーズ&club ROCKHEARTS 他(SUWA Ride On!! Vol.2)
★5月16日(水)〜5月26日(土)スペイン・ツアー(10公演予定)
★6月16日(土)石巻BLUE RESISTANCE(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル)
★6月17日(日)山形米沢ARB(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル、時既に遅し、やってもーたろ!)

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