Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE NEATBEATS(Rooftop2018年4月号)

世界を股にかけるには三つのコードがあれば十分さ!
マージービートの真髄をいまに伝える極東のビート貴公子、圧巻のビンテージ・モノラルサウンドでSHAKE! TWIST! GRAVY!

2018.04.01

原曲のミスまで忠実にカバー

──たとえば岩川さんの場合はマックショウ以外にコルツもあるし、ソロワークスをやってみたりと息抜きできるところがあるけど、真鍋さんは基本的にニートビーツ一本じゃないですか。それで煮詰まったりすることはないのかなと思って。

真鍋:ニートビーツっていうバンドは自分の好きな音楽スタイルをそのままプレイしてるだけで、基本的には好きなレコードを聴いてるのと一緒なんだよね。だから特にプレイ感がないし、作業としては聴いてるのに近いっていうか。曲づくりに悩んだときは曲づくり自体をやめちゃうから煮詰まることもないしね。悩むくらいだから自分の好きな曲じゃないんだなと思うし、好きな曲なら最後までつくれるから。あと、カバーを入れてるのが自分たちにとっては息抜きと言えば息抜きなのかな。カバーをやる楽しさは常にあるからね。

──どんなところが楽しいポイントなんですか。

真鍋:当時の音源は楽譜がないから耳コピするでしょ? そうするとだいたいどこかで間違えてる。明らかにギターとベースのコードが違うとか、リズムがズレてるとかね。それを元に戻すか、そのままやるかの議論をするわけ(笑)。原曲に忠実にしたら間違えたままやけど、それを正すかどうかすごく悩む。どこまで再現するか議論するのは、オリジナルをつくるときよりも時間が長いね(笑)。

──どちらに転ぶことが多いんですか。修正するのか、忠実にカバーするのか。

真鍋:最近は忠実派やね。なぜかと言うと、そのほうが面白いから。そういう間違えまで忠実にカバーしてるのがわかる人を見つけたいし(笑)。聴く人によっては「間違えてるやん!」と思う人もいるかもしれないけど、いやいや、オリジナルがそこを間違えてるんで、っていう。

──ニートビーツのそうした忠実な再現は楽曲だけにとどまらず、先だってはビートルズが1964年のワシントン・コロシアム公演で使った回転円形ドラム台まで再現して360度のパノラマ・ライブを敢行していましたね。

真鍋:死ぬまでにやりたいことのリストをつくって、それをひとつずつ消していきたくてね。回転ドラムもずっとやりたかったことのひとつで、あのライブのためだけに工務店に発注したんだよね。

──ワシントン・コロシアムは競技施設だったので中央のリングをステージにして、ときどき四方に向きを変えて演奏しなくてはいけなかったわけですけど、そういう事情を知らない人はなんのこっちゃい!? という話ですよね。

真鍋:みんな意味がわかってなかったやろね。ドラム台が回ることがなんでそんなにすごいんですか? っていうお客さんも最初はけっこういたけど、実際にライブをやったらメンバーの後ろ姿を見れたことに感動したって人がいたね。ドラムが回って俺らが向きを変えて演奏してるのを見て感激したって人がけっこういた。

liveE.jpg──ToDoリストの項目には他にどんなことが記されているんですか。

真鍋:次はビートルズの1966年の武道館ライブを再現したいね。スタンドだけにしか人を入れなくて、ものすごくでかいステージをつくりたい。自分の身長くらいのとこにドラム台があるみたいな。で、前座にドリフターズみたいなバンドを呼ぶ。それをマックショウにパロディっぽくやってほしい(笑)。

fab4budokan.jpg──前座の持ち時間のほうが長くて、本編はわずか30分みたいな(笑)。

真鍋:そこまで再現したいね。あとは50年代、60年代のルーツ・ミュージックをちゃんとやってる人らが出れるフェスというか、60年代の『ニューミュージカル・エキスプレス』のフェス(『NME ポール・ウィナーズ・コンサート』)みたいなのをやりたいとずっと思ってる。まぁ、そういうバンドはいまや数が少ないから成立させるのが難しいかもわからんけど、すごくやりたい。

──チャック・ベリーが共通言語としてあるバンドじゃないとダメですね。

真鍋:そう、チャック・ベリー審査があるから(笑)。まずダックウォークができないとダメとか、俺が直々に面接したい(笑)。

──そういうバンドを増やすためにも、ニートビーツが旗振り役となって牽引していくしかないですよね。

真鍋:そうだね。俺たちみたいな特殊なバンドは世界的にも少ないみたいで、日本だけじゃなく海外からもライブに呼びたいとかレコードを出したいってオファーが最近は多くて、やっぱり好きな人は好きなんやなと思って。スペインのレーベルからニートビーツのレコードを出したいと連絡をもらったんだけど、ソロウズのカバーが入ってると言ったら向こうが過剰に反応してね。それだけで信用できるし、もうそこのレーベルから出そうかなと思ったもんね(笑)。

 

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OPERATION THE BEAT【CD】

2018年4月11日(水)発売
SPACE-012 / ¥2,800+税
発売元:MAJESTIC SOUND RECORDS / 株式会社スペースエイジ
販売元:株式会社スペースエイジ

【収録曲】
01. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
02. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
03. ICED COFFEE(T. Manabe)
04. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
05. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
06. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
07. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
08. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
09. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
10. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
11. GIT IT(B. Kelly)
12. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
13. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
14. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
15. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
16. WINKLE PICKER(T. Manabe)

OPERATION THE BEAT【LP】

レーベル:MAJESTIC SOUND RECORDS(国内盤)/SOUNDFLAT RECORDS(ドイツ盤)
品番:MSLP-091(国内盤)/SFR-091(ドイツ盤)
発売日:2018年4月21日(土)(国内盤)/ドイツ盤は4月下旬〜5月上旬発売予定
形態:LPレコード(完全限定盤)
価格:国内盤 ¥3,000(税抜)/ドイツ盤(価格未定)

【収録曲】
《side-A》
1. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
2. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
3. ICED COFFEE(T. Manabe)
4. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
5. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
6. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
7. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
8. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
《side-B》
1. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
2. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
3. GIT IT(B. Kelly)
4. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
5. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
6. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
7. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
8. WINKLE PICKER(T. Manabe)

Blu-ray&DVD『ゴーストロード』

2018年6月13日(水)発売
【Blu-ray】KIXF-556/4,800円+税/本編約79分+映像特典/BD25G/オリジナル日本語+英語(DTS-HD Master Audio2.0ch)/1080p Hi-Def/カラー
【DVD】KIBF-1579/3,800円+税/本編約79分+映像特典/片面2層/オリジナル日本語+英語(ドルビーデジタル 2.0ch)/16:9 LB/カラー
【Blu-ray&DVD 共通映像(音声)特典】
★予告編
★NG集
★オリジナル劇伴(音源のみ)
★劇場初日舞台挨拶映像
★初日舞台挨拶スチール・ギャラリー(静止画)
★THE NEATBEATSのMr.PAN、THE PRIVATESの延原達治、ザ50回転ズのダニー、マイク・ロジャース監督による音声解説
【発売】キングレコード+日本出版販売+タワーレコード
【販売】キングレコード
© 2017 Mike Rogers / Robot55 LLC
※ジャケットデザインや商品仕様は予定となっております。予告なく変更となる場合がございますので予めご了承下さい。

LIVE INFOライブ情報

SHINJUKU LOFT KABUKI-CHO 19TH ANNIVERSARY
出演:Akabane Vulgars On Strong Bypass、KiNGONS、ザ50回転ズ、COYOTE MILK STORE、サーティーン、JUNIOR、THE STEPHANIES、the twenties、Dr.DOWNER、Drop's、THE NEATBEATS、ボトルズハウス、MAD3、myeahns、夜のストレンジャーズ 他(五十音順・計19組出演)
DJ:DADDY-O-NOV、MIWAKO(Gonna Ball)、SATO(URASUJI.)、TAKESHI(SLAP of CEMETERY)、DJ RCF ALLSTARS(Hanaken, Satoshin', UK, and Hachi)他
★2018年4月27日(金)新宿LOFT
OPEN 19:00 / START 19:30
前売 ¥3,400 / 当日 ¥3,900(ともにドリンク代別¥600)
問い合わせ:LOFT 03-5272-0382

その他のライブ
★4月7日(土)・4月8日(日)新宿 red cloth(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─TOKYO SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月14日(土)・4月15日(日)大阪塚本ハウリンバー(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─OSAKA SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月21日(土)本八幡サードステージ(with:石橋勲BAND、THE STEPHANIES)
★4月22日(日)下北沢GARDEN(スーパー神田ナイト〜 キャノンボール・フェスティバル東京2018 振替公演)
★4月29日(日)神戸メリケンパーク特設ステージ(078Kobemusic)
★4月30日(月・祝)名古屋 CLUB UPSET(with:GASOLINE、下八[ハッチハッチェル+下田卓ユニット]、ニャーゴ 他)
★5月3日(木・祝)神戸 VARIT.(ワンマン)
★5月4日(金・祝)十三 FANDANGO(with:GASOLINE、イヌガヨ)
★5月5日(土)京都 磔磔(with:騒音寺)
★5月13日(日)上諏訪ドアーズ&club ROCKHEARTS 他(SUWA Ride On!! Vol.2)
★5月16日(水)〜5月26日(土)スペイン・ツアー(10公演予定)
★6月16日(土)石巻BLUE RESISTANCE(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル)
★6月17日(日)山形米沢ARB(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル、時既に遅し、やってもーたろ!)

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