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THE NEATBEATS(Rooftop2018年4月号)

レコードの音が一番の理想

──今回はテープ録音した音源をアナログ・レコード制作用のマスター・ラッカー盤に落として、それにデジタル・マスタリングを施す手法を取り入れたそうですね。

真鍋:原盤となるラッカー盤をそのまま再生してデジタルにするっていうね。簡単に言ったら、むかしレコードをカセットテープにダビングしたでしょ? そういう状態の音になってる。レコードをCDに焼いてるみたいなね。前もシングルではそういうことをやってたけど、アルバムでは初。いままでテープからCDにしてたのを、今回はテープからレコードに落としたのをCDにしてる。

──恐ろしい手間暇をかけているわけですね。

真鍋:誰がそこまでやるのを喜ぶんやろ? と思うけど、少なくとも俺たち4人は大喜びやね(笑)。とにかくレコードの音が一番やし、CDもできるだけレコードの音に近づけたい。そういうのを自分らの特色にしておかないと、バンドの存在意義が薄まるしね。まぁ、こういうマニアックなことをやる会社があるんだ? みたいな隙間産業やから(笑)。

──真鍋さんとしては、できることならこのアルバムもレコードで聴いてほしいと?

真鍋:まぁね。望むのはやっぱりレコードやけど。とはいえCDでも楽しんで聴いてほしいから、CDにも最大限のレコードっぽさを入れてみたというか。一応レコードも出すんやけどね。日本盤は今年のレコードストアデイのエントリー作品として出して、あとジャケット違いでドイツ盤も出る。

sorrows.jpg──今回の収録曲なんですが、恒例のオールディーズ・バット・グッディーズなカバー曲で真鍋さん以外のメンバーがボーカルを取っているのが興味深いですね。ソロウズの「YOU'VE GOT WHAT I WANT」をベースの浦(大)さん=Mr.GULLYが、チャン・ロメオの「HIPPY HIPPY SHAKE」をドラムの中村(匠)さん=Mr.MONDOが、シフォンズの「ONE FINE DAY」をギターの土佐(和也)さん=Mr.LAWDYがそれぞれメインで唄っていて。

真鍋:最近はちょっとビートルズっぽい感じで俺以外のメンバーにも1曲ずつ唄ってもらっててね。誰かが突出して上手いわけやないし、歌のレベルは4人とも同じようなものなんで(笑)。それぞれ個人が得意そうなやつを選んでもらって、たとえば大ちゃんは黒人っぽいボーカルの曲が合うからいつもそういうのを選んでくる。

liveB.jpg──「HIPPY HIPPY SHAKE」はこのラインナップでは有名な曲ですね。

真鍋:そうそう。モンちゃんはスタンダード担当なんだよね。会社で言えば受付の窓口みたいな。窓口に立つのは若くて話しかけやすいキャラクターがいいしね(笑)。

──それでいくと土佐さんは何担当なんでしょう?

真鍋:土佐はロマンチストなので、選んでくるのはだいたい女性ボーカルのキラキラした感じの曲が多い。ロックンロールっていうよりはポップス寄りやね。

──真鍋さんはアーサー・アレキサンダーの「YOU DON'T CARE」、ジーン・ヴィンセントの「GIT IT」、ビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタスの「DON'T YOU DO IT NO MORE」をカバーしていますが、取り上げたポイントはどんなところですか。

真鍋:アーサー・アレキサンダーはローリング・ストーンズとかビートルズとかイギリスのビート・グループがいろいろとカバーしてる黒人のシンガーなんやけど、「YOU DON'T CARE」のカバー音源ってあんまりなくてね。これは俺の想像の話で、ビートルズがハンブルグのスタークラブに出演してた時代にもし「YOU DON'T CARE」が発売されてたら、ステージで演奏してたんじゃないか? っていう。「YOU DON'T CARE」は1965年の曲だからあり得ない話なんやけど、やっててもおかしくないっていうか。もしくは雰囲気が「YOU BETTER MOVE ON」と似てる曲なので、音源には残してないけどストーンズもライブでやってたんちゃうか? と。そういうノリでカバーしてみようと思ってね。

 

随所に挟まれた創意工夫の技

──「GIT IT」はコーラスとの掛け合いの面白さを堪能できる曲ですね。

真鍋:そうやね。グループ感を出すというか。ジーン・ヴィンセントがやってるバージョンもあるけど、俺らはウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズのバージョンを参考にしてみた。

──ニートビーツのカバーはオリジナルが誰かは特定できますけど、誰のカバー・バージョンのアレンジでやっているかまではマニアックすぎてわからないんですよね。

真鍋:それがやり方として面白くてね。「GIT IT」も大抵みんなジーン・ヴィンセントのほうをカバーすると思うんやけど、そこをあえてウェイン・フォンタナでやるという。「HIPPY HIPPY SHAKE」もそうで、スウィンギング・ブルー・ジーンズとかチャン・ロメオといった定番のバージョンじゃなくて、パット・ハリス&ザ・ブラックジャックスという埋もれたビート・バンドのバージョンをお手本にしてる。シングル1枚か2枚くらいで終わったノーヒットの人たちだけど、マージービート・コレクターの人は喜ぶんちゃうかな? 俺たちが「HIPPY HIPPY SHAKE」をやると聞いて「うわぁ、ベタやなぁ…」って思う人、いざ聴いてみたら「うわっ、これパット・ハリスのバージョンやん!」って驚く人と2種類いると思う(笑)。

──「DON'T YOU DO IT NO MORE」は正統派のマージービート・ナンバーですが、これも世に埋もれた曲ですよね。

真鍋:ビリー・J・クレイマーがちょっと落ち目になったときの曲でね。ビート・ブームも終焉に向かってどうしようかと試行錯誤してるときにジョニー・キッド&ザ・パイレーツのミック・グリーンがダコタスに入った混沌とした時期というか、マージービートのまま行ってもいいんかなぁ? と迷ってる時期(笑)。

──どうしてもそういうマイナーな曲に惹かれてしまう嗜好性なんですね(笑)。

真鍋:結果的には売れなかったマイナーな曲かもわからへんけど、曲的にはいいやんっていうかね。聴いてみて「これいい曲やな」と純粋に思える曲はカバーしてみたい。

liveC.jpg──オリジナル曲も粒ぞろいで、なかでも「ICED COFFEE」はジョン・レイトンの「JOHNNY REMEMBER ME」っぽいというか、大瀧詠一っぽいというか(笑)。いずれにせよメロディアスでポップ・センスに溢れた曲で、ビートの効いた野性味のある曲だけじゃないニートビーツの幅の広さと懐の深さを実感できますね。

真鍋:「ICED COFFEE」もそうやし「ROCKIN' HOME」もそうだけど、最近はポップさのある曲をやりたい傾向にあるね。

──「ICED COFFEE」は哀愁漂うアコギの音が良いアクセントになっていますね。

真鍋:あれはアコギじゃなくてエレキの12弦の音なんだよね。あまりにもアコギちっくに録るのがイヤやったから、エレキの12弦をアンプに通さずにマイクで録ってみた。その結果、アタックだけ出るっていう。それが新しいと思ってね。普通はみんなアンプに通すか、アコギの12弦で弾くでしょ? そうするとバーズとかビートルズの弾く12弦の音みたいになるから、それとはちょっと違うパターンをやってみたくてね。

──そういった創意工夫は他の曲にもあるんですか。

真鍋:たとえば「ROAD-HUG RUBBER」とかインストの曲なんかは、テープエコーがかかったギターをスピーカーから出した音をマイクで録る。それを後で原音と合わせるっていう手間のかかったことをしてみた。そうするとよくあるテープエコーの音じゃない、ちょっとエッジの効いた音になるんよね。60年代のサーフ系の音ってけっこう丸くてリヴァーブがビンビン効いてるけど、そういう感じじゃなく、エッジが残ったままエコーがかかってるみたいにしたかった。

──なるほど。インストと歌の入った曲の線引きはどんなところにあるんですか。

真鍋:歌詞が浮かばへんとインストになるってだけやね(笑)。基本は歌ありきでつくってるけど、これはもう歌詞ができひんってなるとインストになる。

 

OPERATION THE BEAT【CD】

2018年4月11日(水)発売
SPACE-012 / ¥2,800+税
発売元:MAJESTIC SOUND RECORDS / 株式会社スペースエイジ
販売元:株式会社スペースエイジ

【収録曲】
01. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
02. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
03. ICED COFFEE(T. Manabe)
04. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
05. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
06. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
07. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
08. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
09. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
10. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
11. GIT IT(B. Kelly)
12. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
13. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
14. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
15. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
16. WINKLE PICKER(T. Manabe)

OPERATION THE BEAT【LP】

レーベル:MAJESTIC SOUND RECORDS(国内盤)/SOUNDFLAT RECORDS(ドイツ盤)
品番:MSLP-091(国内盤)/SFR-091(ドイツ盤)
発売日:2018年4月21日(土)(国内盤)/ドイツ盤は4月下旬〜5月上旬発売予定
形態:LPレコード(完全限定盤)
価格:国内盤 ¥3,000(税抜)/ドイツ盤(価格未定)

【収録曲】
《side-A》
1. IT'S MY FRIDAY(T. Manabe)
2. SHAKE! TWIST! GRAVY!(T. Manabe)
3. ICED COFFEE(T. Manabe)
4. YOU'VE GOT WHAT I WANT(Dallon)
5. OOH! MY BEAT(T. Manabe)
6. ROCKIN' HOME(T. Manabe)
7. ROAD-HUG RUBBER(T. Manabe)
8. YOU DON'T CARE(J. Willis-H.Ryals)
《side-B》
1. BYE BYE VERY GOOD(T. Manabe)
2. SWEET CHERRY PIE(T. Manabe)
3. GIT IT(B. Kelly)
4. HONEY DON'T CRY(T. Manabe)
5. HIPPY HIPPY SHAKE(R. Romero)
6. ONE FINE DAY(C. King-G.Goffin)
7. DON'T YOU DO IT NO MORE(MacDonald-Green)
8. WINKLE PICKER(T. Manabe)

Blu-ray&DVD『ゴーストロード』

2018年6月13日(水)発売
【Blu-ray】KIXF-556/4,800円+税/本編約79分+映像特典/BD25G/オリジナル日本語+英語(DTS-HD Master Audio2.0ch)/1080p Hi-Def/カラー
【DVD】KIBF-1579/3,800円+税/本編約79分+映像特典/片面2層/オリジナル日本語+英語(ドルビーデジタル 2.0ch)/16:9 LB/カラー
【Blu-ray&DVD 共通映像(音声)特典】
★予告編
★NG集
★オリジナル劇伴(音源のみ)
★劇場初日舞台挨拶映像
★初日舞台挨拶スチール・ギャラリー(静止画)
★THE NEATBEATSのMr.PAN、THE PRIVATESの延原達治、ザ50回転ズのダニー、マイク・ロジャース監督による音声解説
【発売】キングレコード+日本出版販売+タワーレコード
【販売】キングレコード
© 2017 Mike Rogers / Robot55 LLC
※ジャケットデザインや商品仕様は予定となっております。予告なく変更となる場合がございますので予めご了承下さい。

Live info.

SHINJUKU LOFT KABUKI-CHO 19TH ANNIVERSARY
出演:Akabane Vulgars On Strong Bypass、KiNGONS、ザ50回転ズ、COYOTE MILK STORE、サーティーン、JUNIOR、THE STEPHANIES、the twenties、Dr.DOWNER、Drop's、THE NEATBEATS、ボトルズハウス、MAD3、myeahns、夜のストレンジャーズ 他(五十音順・計19組出演)
DJ:DADDY-O-NOV、MIWAKO(Gonna Ball)、SATO(URASUJI.)、TAKESHI(SLAP of CEMETERY)、DJ RCF ALLSTARS(Hanaken, Satoshin', UK, and Hachi)他
★2018年4月27日(金)新宿LOFT
OPEN 19:00 / START 19:30
前売 ¥3,400 / 当日 ¥3,900(ともにドリンク代別¥600)
問い合わせ:LOFT 03-5272-0382

その他のライブ
★4月7日(土)・4月8日(日)新宿 red cloth(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─TOKYO SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月14日(土)・4月15日(日)大阪塚本ハウリンバー(THE NEATBEATS 生音ワンマン・ライブ『BACK TO THE CAVERN!』─OSAKA SPRING BEAT 2 DAYS─)
★4月21日(土)本八幡サードステージ(with:石橋勲BAND、THE STEPHANIES)
★4月22日(日)下北沢GARDEN(スーパー神田ナイト〜 キャノンボール・フェスティバル東京2018 振替公演)
★4月29日(日)神戸メリケンパーク特設ステージ(078Kobemusic)
★4月30日(月・祝)名古屋 CLUB UPSET(with:GASOLINE、下八[ハッチハッチェル+下田卓ユニット]、ニャーゴ 他)
★5月3日(木・祝)神戸 VARIT.(ワンマン)
★5月4日(金・祝)十三 FANDANGO(with:GASOLINE、イヌガヨ)
★5月5日(土)京都 磔磔(with:騒音寺)
★5月13日(日)上諏訪ドアーズ&club ROCKHEARTS 他(SUWA Ride On!! Vol.2)
★5月16日(水)〜5月26日(土)スペイン・ツアー(10公演予定)
★6月16日(土)石巻BLUE RESISTANCE(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル)
★6月17日(日)山形米沢ARB(with:THE ZOOT 16、ミドリのマル、時既に遅し、やってもーたろ!)