1/27(土)より渋谷・ユーロスペースにて公開される映画、『サラバ静寂』。本作にて映画初主演デビューとなるモデルのSUMIREと、劇中にバンド『ASSFORT』として出演するドラマーのMASATOにお話を伺った。
【Interview:小林和仁(『サラバ静寂』プロデューサー) 構成:マツマル(LOFT9 Shibuya)】
共通点の多い二人!?
―まず、『サラバ静寂』にご出演いただいたお二人の共通点でいくと「ドラマー」だという点なんですが……。
SUMIRE:そう言うと誤解が生まれそうな気もしますけど(笑)。学生の時にコピーバンドはやってましたね。チャットモンチーとか。
MASATO:なんでドラムを選んだの?
SUMIRE:単純に家にドラムがあったからです(笑)。
―お母さん(CHARA)が『Mean Machine』で活動していた頃にドラムをやってましたよね。MASATOさんはいつからドラムを?
MASATO:完全に「あるある」ですけど、文化祭でドラムやる奴がいなかったからっていう(笑)。
―SUMIREさんはまだMASATOさんのライブも見たことないんですよね。『R』(SUMIREの父・浅野忠信ヴォーカルでMASATOがドラムを叩くパンクバンド)の音源は聴いたことありますか?
SUMIRE:もちろんありますよ。携帯にも入れてますし。
MASATO:ありがとうございます(笑)。
―お父さん(浅野)と一緒にバンドを組んでいるMASATOさんですが、奇しくも本作でその娘さんとも共演する形になりましたね。
MASATO:う~ん、とりあえず浅野くんに「娘さんと共演することになったよ」ってLINEしたら「よろしくお願いしまーす」とは来ましたね(笑)。
―SUMIREさんの演技はどうでしたか?
MASATO:俺も芝居のことはそんなにはわからないんだけど、初めてとは思えないくらい堂々と女優さんしてたよね(笑)。
SUMIRE:ありがとうございます(笑)。
MASATO:どうしてSUMIREちゃんを主演にキャスティングしたんですか?
―作品の舞台が近未来だったので、監督との間でちょっと現実離れしたイメージを持っている人がいいんじゃないか、という話をしておりまして…。その中で映画界だけじゃなくて、音楽界だったり、ファッションだったりと、幅広いカルチャーの世界の人を巻き込みたい! という気持ちもあり、ダメ元でSUMIREさんにオファーしてみたら、それが見事にハマッた感じですね。
MASATO:演じてみて、楽しかった?
SUMIRE:楽しかったです(笑)。
―モデル、女優、と来て他に挑戦してみたいことはありますか?
MASATO:歌は?
SUMIRE:歌は……カラオケで十分ですかね(笑)。
MASATO:カラオケか~。俺は高校生ぐらいから行ってないな。パンクスはカラオケ行っちゃいけないっていうルールがあるからね(笑)。
舞台は「音楽の禁止された世界」
―『サラバ静寂』を観て、率直な感想はどうですか?
SUMIRE:率直に言って、面白かったです。それと、全体を通して画がキレイだなと感じました。
MASATO:俺は全体的に夢も希望もない話だなと思ったけどね(笑)。
―それは監督の意志ですね(笑)。映画の設定が「音楽の禁止された世界」なんですが、実際に音楽をやっている側のMASATOさんはそれについてどう思いますか。
MASATO:ありえなくはないな、と思いますね。現実でも「自由」なようでいて、実は「不自由」なことって、意外と多いなと。たとえばテレビを見ていなかったり、ゲームを持っていなかったりするだけで、学校で仲間外れにされたりとか。基本的には自分が最後に責任を持てば何をやってもいいはずなのに、知らないうちに周りから強制されていることは非常に多いと感じます。
―まさにそういう危惧から生まれた映画なんですよね。その夢も希望もない世界でSUMIREさんには「ヒカリ」という役を演じていただいたんですが、演じてみて何か思うことはありましたか?
SUMIRE:演じている私からすると、ヒカリは「勇者」っていうか、たとえ映画の舞台にあるような世界に生まれたとしても、自分はそこまで行動に移せないだろうな、と思いましたね。
―父を殺されて家を飛び出したヒカリが、ライブハウスで音楽に触れることで解放されるシーンがありますが、自分もそうなるような気がしますか?
SUMIRE:ヒカリと全く同じ心境になると思います!長い旅路を経てライブハウスにたどり着いた時、芝居じゃなくてリアルな声が出ましたね(笑)。
―よかったです!過酷な撮影を強いた甲斐がありました(笑)。ところで、サノバノイズ関連の企画で、お二人のツインドラムでの共演をお願いしたいなと勝手に思ってるんですが、いかがでしょうか。
MASATO:俺は別にいいけどね(笑)。
SUMIRE:ほんとですか!?失礼がないように練習しておきます……(笑)。