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イギリス人(Rooftop2018年1月号)

 イギリス人。ロフトではもうかなりお馴染みのバンドだが、彼らのことをよく知らないという人でも、この、「バンド名としてどうなんだ?」と突っ込まずにはいられないおたんちん度合いから、とにかく名前だけは知っているという方も多いのではないだろうか。ならばこの際、彼らのサウンドも知ってみませんか?
 いや別に怪しい勧誘ではない。彼らは実際、かなり良いバンドなのだ。むしろ、めちゃめちゃ良い。ライブを見てくれると話が早いのだが、このたび配信されるシングル「などわ」(短編映画『などわ』主題歌)を聴いてくれてもいい。聴けばたぶん「もうちょっと聴いてやってもいいんだからね。てゆうかもっとないの?」と、なぜかちょっとツンデレ状態で要求し始めること請け合いだ。
 パンクの心意気でパワフルにアグレッシブにバーストするのは、アイリッシュでトラッドでフォークでメロディックなロック。そこに乗っかるのは四畳半風呂なしトイレ共同で育んだかのような、せつなくもおバカでハートフルなリアル男心。甲斐性は微塵もないが夢なら任せとけとばかりに天井を突き抜けていくその様は、なんだかよくわからんが激しく胸を撃つイギリス人。来年2月には、満を持してのニュー・アルバム『SMILE』の発表も予定されているので、この機会にぜひ彼らのことを知ってほしい。というわけで、今回はあえてベーシックなところからインタビューしてみた。ボーカルのたつ子りんと、バンジョー&マンドリンを忙しく持ち替える多才なリーダー、サコに話を聞く。(interview:中込智子)

一人に対して唄ったものは他の人にも共鳴する

──まず、何年にどのような形でバンドがスタートしたのか、教えていただけますか?

サコ:えーと、初ライブが2008年?

たつ子りん:イギリス人と名乗ってライブをやったのが2008年ですね。サコとはその前からのつながりを入れると、かれこれ12〜13年の付き合いになります。そもそも僕、東京でバンドをやりたいなと思って、学校卒業して一人で東京に来たんですよ。行きゃあどうにかなるだろ? って思ってたんだけど、まったく誰ともどこともつながりなんてないし、ライブハウスもロフトと武道館しか知らなかったし。

──武道館はライブハウス違います。

たつ子りん:でもしょうがないんですよ。ヒムロックがギャグで言ってたなんて思ってなかったんです。まだネットとかもなかったから、ロフトがどんな見た目なのかも知らないし、武道館も、外の写真は雑誌とかで見たことあったけど、そもそもライブハウスの定義もよくわかんないから「へぇー、武道館っていうライブハウスがあるんだ」みたいな。それで、その2個しか知らないそこに出たい! と思って上京したんです、静岡から。でも、知り合いなんていないから、まず最初はコンビニの店員と友達になって、廃棄をもらうってところからスタートしました。

──廃棄。コンビニで賞味期限切れで捨てられるお弁当とかの廃棄。

たつ子りん:はい。そしてその店員がイエロー・モンキーのファンだったってところから、ほんとにちょっとずつ、音楽をかじってるような人と出会い始めて。んで、スタジオの場所とか相場がいくらとか教えてもらって。そうやってちょっとずつちょっとずつ知り合いが増えていったんですよ。そんななか、知り合いや、知り合いの知り合いがやってたバンドの解散が出始めて。ほら、高校卒業するとか就職するとかって、バンドを辞めるタイミングじゃないですか。そんで、そもそも地元で知り合ったいろんなバンドの知り合いと、変わった楽器を使って演奏してた時があって、じゃあそれを母体にして「一緒にやるしかないんじゃない? イギリス人」っていう始まりです。

──元は複数バンドの集合体だった。

たつ子りん:はい。まぁでも集まりは辞め、集まりは辞めで、結局17人くらいメンバー・チェンジを繰り返すんですけどね(笑)。

──それは多いっす(笑)。ちなみにその始まった2008年の頃のサウンドは、いまと比べるとけっこう違う?

サコ:いえ、わりと一緒なんですけど、ただ下手だったんで…下手でした(笑)。

たつ子りん:みんな一人なら上手かったりしたんだけど、6〜7人いるバンドとして各々の立ち居地がよくわかってなかったっていう、立ち位置の下手さでしたね。6〜7人で同時に音を鳴らしちゃいけないとか全然わかんなかったし、こんだけ人がいるのに全員でなんか同じことやってるっていう(笑)。

──はははは。でも、基本路線はいまと同じだったんですね。

たつ子りん:はい。ただ、始めた頃は意味のない歌詞を唄うっていうコンセプトでした。

──そこはいまとずいぶん違うんですね。いまは意味ありまくりじゃないですか。

たつ子りん:そうなんですよ。僕、逆に言葉をすごく重く受け止めてたんですよ。言葉に掛ける気持ちが大きいからこそ、陳腐に聞こえたくないっていうので…それで全部、動物の歌とかにしてたんです。動物シリーズとか虫シリーズとか。図鑑の動物の行動をそのまま歌詞に乗っけるとか、そういうことやってた。メロディはいまと全然変わらない感じなんですけどね。でも、やってる途中で気づきました。「何をやってるんだ俺は!」って(笑)。

──はははは。ちゃんと言いたいことがあるのに! と?

たつ子りん:言いたいことっていうか、僕、不特定多数に対して「がんばれ!」って言っても伝わらないと思ってて。ただ、一人に対して唄ったものは、その他の人にも共鳴するんだと思って、そう考えたら「もう意地を張らずに、一人に対して唄ったものを今後は作っていこう」って思うようになって。そしたら、意味のない歌が1曲もなくなりました!(笑)

 

配信&サブスクリプションシングル
などわ

2018年1月17日(水)リリース
2018年春全国劇場公開短編映画『などわ』タイアップ曲

ニュー・アルバム『SMILE』、ロフトレコードより2月14日(水)リリース決定!

Live info.

イギリス人シングル『などわ』リリースツアーファイナル
出演:イギリス人 / セックスマシーン / BiS
2018年1月24日(水)下北沢SHELTER
OPEN 18:30 / START 19:30
前売 3,000円 / 当日 3,500円(ともにドリンク代別、4歳以上チケット必要)
チケットはぴあ(Pコード:102-210)、ローソン(Lコード:73097)、イープラス、SHELTER店頭にて発売中
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430

イギリス人シングル『などわ』リリースツアー
1月20日(土)神奈川 Music Lab. 濱書房
with:SPEED-D.THUNDERBOLT[Vo. ジョニー・パイソン、Gt. ジョージルーカス撮影前(犬神情次、犬神サァカス團)、Gt. チェル・信入(沼倉真、グルグル映畫館、ADAPTER。)、B. ジンジャックビッグボディー(犬神ジン、犬神サァカス團)、Dr. パットン(S@TT-ON)] / 無許可 / Squall / にのみやバンド / and more...

1月21日(日)大阪 十三ファンダンゴ
with:騒音時 / 忘れてモーテルズ

1月22日(月)静岡 Sunash
with:絶叫する60度 / and more...