誰もが待ちに待った、SMORGASの7年ぶりのニューアルバム、「NEUBLU」遂に完成! 前作からの7年間、進化し続け蓄積されてきたSMORGASのサウンドと、それをさらにパワーアップさせる超豪華コラボアーティストの面々!
アルバムタイトル「NEUBLU」に込められた思いから楽曲制作の裏側まで、1枚のニューアルバムを通して今のSMORGASを丸裸にします! [interview:柳沢英則(新宿LOFT)・安 佳夏(下北沢SHELTER)]
アルバムタイトル「NEUBLU」に込められた思い
-アルバム「NEUBLU」を一足先に聴かせていただきました。今回この「NEUBLU」というタイトルにはどういう意味が込められているのでしょうか?
来門:まるでね、澄み通った空のようにね…新しい、青…ってことなんですよ。
-まるで澄み通った空のように…青…と、いうと?(笑)
SENSHO:タイトルは僕がつけたんですけど(笑)。アルバムを作っているときはタイトルはなかったんですけど、アルバムタイトルどうしよっかってなったときにアイニさんと「ストレートでブルーでいいんじゃん?」っていうやり取りがあって、「ブルー」っていいなあと思って。で、またこういうミクスチャーみたいなアツい音楽を新しい気持ちでやるっていう意味で「ニューブルー」と。でも、単純に英語の「NEW」と「BLUE」だとつまんないので、この「NEU」っていうのが、今回「NEUMANN(ノイマン)」っていうドイツのメーカーのマイクを歌で使ってまして、それがニューアルバムを作るにあたって結構キーになる機材だったのでその最初の文字からとりました。あと、今年200年ぶりに新しい青の色素が発見されて。それで、「ニューブルー」っていいなと思って。ブルーの「BLU」はイタリア語です。
来門:俺ほら、半分イタリア人じゃないですか。世田谷で育ったんですけどね(笑)。
SENSHO:新しい青が見つかったっていうことと、ニューアルバムがかかってていいかなと思って。
-今回のアルバムは、コラボアーティストも今までのアルバムよりも多いと思いますが、そこから聞いていこうと思います。3曲目の「IT’S SHOW TIME feat. Kj, H ZETT M, DJ MASS, 前田サラ」では、KjさんのパートでSMORGASの曲のタイトルがたくさん入っていますが、歌詞はKjさんが書いたんですか?
来門:そうです。嬉しい。Kjさんがうちらのこと知っててくれてて。
SENSHO:Wikipediaで調べたかもよ(笑)。
来門:そうかもしんない…。
-アイニさんはDragonAshのライブにゲストで出たことがあるんですよね。Kjさんとはどんなつながりなんですか?
アイニ:そうですね。建志は、もともとはSOURCEってバンドで会ったんですよ。ミクスチャーの2MCのバンドなんですけど。そのSOURCEってバンドのフューチャリングで俺とか来門とかUZUMAKIとかいて。
来門:そうだよね。ATARUくんとJYUと俺とアイニとKjでやったんだよね。
アイニ:そう、そこで建志と、初めてじゃなかったけどちゃんと話したのはそこが初めてで、ちょっと仲良くなって。
来門:最初はね、やっぱね、怖かったんですよ。全然話しかけてくれなかったんですけど、俺とUZUMAKIが聖闘士星矢の話をしてて、アンドロメダ瞬の話で、Kjが食いついてきました。(笑)。
SENSHO:ネビュラチェーン(笑)。
-ほんとですか、それ?(笑)
来門:確かほんとです(笑)。
-Kjさんとコラボしてみてどうでしたか?
来門:いやもう、ホンモノだ〜ってなりましたね。
アイニ:「降谷建志だ〜! 」って言ってたもんね(笑)。
来門:降谷建志だ〜ってなりましたよ(笑)。かっこよかった。その場でリリックとか書いたりして。考えてきたものもあったんだろうけど、やっぱり結構その場で書いてましたよね。2回し目のKjのはいり口が、彼の独特のビートの取り方で、ラップの間合いの取り方がかっこいいなぁって思って。建志さんかっこいい〜!! ってなりました。
超豪華コラボアーティストたち
-ヒイズミさんやDJ MASSさん、前田サラさんとはどんなつながりからコラボに至ったんですか?
アイニ:ヒイズミくんは、もともと僕S-KENっていう人のところから音楽始めたんですけど、ヒイズミくんはS-KENつながりと、あとSMORGASも好きでいてくれて、ライブも来てくれてて。PE’Zのライブの時にS-KENに紹介してもらって、勝手に俺がファンだったっていうのもあって「いつかやりたいね」って話をしてて、今回きっかけがあったので。
-「IT’S SHOW TIME」はどのように、どこから作ったんですか?
アイニ:僕がデモを作って、みんなに渡してっていう感じですね。サックスのフレーズとかはざっくり入れて、でもサラちゃんはフリーに、クレイジーに吹くのが得意だったからそこはお任せして。
SENSHO:MASS兄さんもわりと生真面目にスクラッチ入れてましたよね。何パターンもスクラッチ入れてくれて。
来門:ヒイズミさんも机の上でこうやって…ソロの時とかクレージーでかっこよかった。
-別々で録ったんですか?
SENSHO:別々で。最初にバンドトラックだけ録って、ゲストの方は別日だったりして。
-6曲目の「DESPERADO feat 餓鬼レンジャー」は、この前のSHELTERでのレコ発で初披露だったと思うんですけど、冒頭の来門さんのラップがアツい感じで、その後のポチョムキンさんのゆるい感じが全然違って面白かったんですが、この曲はどういった風に出来上がったんですか?
来門:これは…DESPERADOって「ならず者」っていう意味なんですけど、俺的にはそういう感じの、ならず者的な、ウエスタンな感じで作りました。二丁拳銃を撃ち回す、ビリー・ザ・キッド的な。…そしたらポチョムキンさんがタコタコタ〜コ! ってタコベルの話を持ってきたから…さすがだなぁと思った(笑)。でもその後またYOSHIくんがねぇ、ラップでウエスタンな感じを入れてきてくれて、アイニのラップもかっこいいし。俺、餓鬼レンジャー超好きで。トラックの運転してる時に餓鬼レンジャーの曲聴いて、泣きながら野菜の配送をしてたんだよ。絶対に一緒にやりたいなとその時から思ってた。
-餓鬼レンジャーとはいつ頃知り合ったんですか?
来門:そう…でもこの曲も実は結構前からあったんだよね。
アイニ:多分、ポチョムキンくんから連絡があって、一緒になんかやらない? って言って餓鬼レンジャーの方にフューチャリングされるって話で。じゃあ逆にこっちもしていい? みたいな話から始まって。それが2年くらい前かな。
来門:仲良くしてくれてるんですよ、ポチョムキンくんは。よく連絡くれて。なんで俺になんか連絡くれるんだろう(笑)。ライブもよく見に行ってます。
-8曲目の「POWER OF LOVE featさかいゆう」ですが、このさかいゆうさんって方だけ私は知らなかったんですけど、どんな感じの人なんですか?
来門:いやなんか、学生プロレスやってて…っていう話は聞きましたよ。彼の口から。ほんとはものすごくハードコアな人なんです。すごいマッチョで喧嘩っ早いんですよ。でも俺はこのPOWER OF LOVEのゆうくんの曲聴いて、もうすげえなってなっちゃって。コーラスとか。びっくりしちゃいましたね。
-この曲だけアルバムの中の他の曲とちょっと違う感じしますよね。
SENSHO:なんかどんどん違う風になっちゃった(笑)。でもこういうのがアルバムの中にあるといいかなと思って。フックになるっていうか。さかいさんはもともとオーガスタつながりで。うちらのライブ見に来てくれたりして、かっこいいって言ってくれて。出てくれてる人たちはみんなリスペクトがあって出てくれるから、やりやすかったですね。
-じゃあコラボの話はこの辺で…。
来門:いや、実はもう1人入ってるんですけど言っちゃいけないんですよ。だからやめときます(笑)。
SENSHO:すごいスペシャルな人が参加してます。
新しいことにも挑戦したアルバム制作
-ここからアルバム全体のことを聞きたいと思うんですけど、「NEUBLU」の制作はどんな感じでしたか? 大変でしたか?
SENSHO:結構デモを作ってましたね。デモ曲をいっぱい作ってって、仮で歌ってもらったりとかしていって、バンドで合わせてみて、あ、この曲いいね、みたいな風に作っていきました。わりとSMORGASとしては今までやってないスタイルかもしれないですね。今までは10曲だったら10曲ガツンと作ってたけど、今回はセレクションして。他にも何曲かあったけど、その中で今回はこの10曲にしましょうか、みたいな感じで。
-2016年くらいからやってる曲が何曲かありますよね。4曲目の「GOING TO HIGHER LEVEL」と、5曲目の「DRIVE OF ANGER」とか。この曲があって、他の曲もできてきた感じなんですか?
アイニ:その前も何曲かあったよね。
SENSHO:だいたい同時期に作ってると思います。
-特に大変だった曲はありますか?
来門:「HIT THE GROUND」はSENSHOくんが作ってきたけど、今まで生音のバンドだけでやってきたけど、ちょっとシーケンサー的なの入れてやってみようってなって。あれはあれで面白かったよね。ゆうこちゃんのビートはズレないけど、生音ってちょっと、ちょっとだけ走ったりすることも…まあゆうこちゃんはないですけど!(笑)
SENSHO:人のグルーヴのよさみたいなのはあるんですけど、REWIND出した時は全部ほとんど一発で録ったから、その時にバンドっぽいサウンドはやったから、次に行く時期かなと思ってて。曲作ってる時にそういう曲が、まあ一応あるんだけど、俺の中ではあんまりなかったので、そういうミクスチャーなんだけどループが入ってて…俺がミクスチャーどっぷり入ってた時代のサウンドがやっぱりいいなと思ってて。そういう曲を今アップデートしてて、しかも何年もやってるバンドでやるとどういう風になるかなっていうのもあって。
-あの途中のベースの音色とかは、河辺さんが作ってるんですか?
SENSHO:俺が作りました。今回録音が、MAD CAPSULE MARKETSのサウンドを録ってる小西さんって方が録ってくれたんですけど、「4PLUGS」とかは日本のミクスチャーの走りのようなアルバムだから、せっかく録ってもらってるし、そういうリスペクトを込めてああいう音にしたいなと思って。
-アートワークとかももう出来上がってるんですか?
SENSHO:うん、それが今大問題に…難航中です。
-ツッコんでしまった…(笑)。あんま聞かないほうがいいですかね(笑)。
SENSHO:いや、「NEUBLU」ってことでその新しく見つかったっていう青を使いたかったんですけど、なんか高くて。それでどうしようかなっていう話になってて。まあでも青なんですけど。デザイン会社に期待して待っているところです。
来門:助けてください。(笑)。
メンバー内で流行っているフレーズ
-最近、ライブでアイニさんの歌声がすごい力強くなってきてるなって思うんですけど、心がけていることとかあるんですか? 腹筋とかやってるとか(笑)。
アイニ:いや腹筋はやってないですけど(笑)。でもいろんな声の出し方を研究してて。自分なりに課題はあって、それをいろいろ試してます。
-アルバムの歌詞も、アイニさんのラインが面白いなと思って。チョチョギレカイジとか。ちょいちょい面白いフレーズが。
アイニ:あ〜。面白くはしたいんですけど、なんか面白くないんですよね、自分的には。
-いやいや、面白いです(笑)。
SENSHO:いまうちらの中で流行ってるのが、
来門・SENSHO:暗闇の中で〜迷った時には〜目を瞑る♪ 暗闇の中で音を紡ぐ♪
来門:っていうのが流行ってるんですよ(笑)。でこの間、夜中近所を情緒不安定でそれをずっと口ずさみながら歩いてました(笑)。
アイニ:(笑)。
SENSHO:DRIVE OF ANGERって曲でそういう歌詞があるんですよ。
リリースツアーファイナルは久々のワンマン@新宿LOFT
-来門さんに質問なんですが、来門さんはDragonAshのHIROKIさんや元RIZEのU:ZOさんとROSでも活動をはじめました。来門さんの中でSMORGASとROSの違いみたいなものはやっぱりあったりするのでしょうか?
来門:えーっと…基本的にはないです。やっぱりミクスチャーだから。ROSもミクスチャーのブレイクビーツの上でラップをのせるっていうのと、SMORGASもゆうこさんのブレイクビーツの上にラップをのせるっていうとこなんで基本的には違いはないです。ただ、ROSは黒い服を着てて、SMORGASでは青い服を着ている。(笑)。そういった意味でも、「ニューブルー」(笑)。
-いつも青ですもんね。昔から。
来門:そうですね。SMORGASとあとソロの時も青です。SMORGASは例えばさかいくんがフューチャリングした「POWER OF LOVE」とかのような、日本語が結構多くて、それでちょっとメロディアスなものも挑戦していて。例えば「INTO ENDLESS SUMMER」とかも、もうちょっと歌を歌おうかな、みたいな。
SENSHO:カラフルだよね。SMORGASの方が。ROSはもっとストレートにロックな感じがする。
来門:でもやっぱりどっちにも力を反響させたいなと思ってて。例えばSMORGASのライブをやってメロディもいいのができたとしたら、それをROSのライブでも反響させて、ROSのゴリッゴリのミクスチャーですげぇいいものをゲットしたらそれをSMORGASに反響させてっていうのをやっていきたい。
-ではソロはしばらくあんまりやらないですか?
来門:ソロは…う〜んまぁ…今の所ちょっとね、やめとこうかなあ。今ミクスチャーがすごい面白いんですよ。ドラムンも楽しいですけど、ミクスチャーはほんと楽しくて。そういった意味でも、「NEUBLU」っていうのは、若い子たちも今ミクスチャーかっこいい子たちいっぱいいるから、そこに行くっていう意味でも、「ニューブルー」みたいな感じでできればなと。今ROSも若い子たちとやったりしててみんなすごくかっこいいから、そういう所にもSMORGASがいければな〜という感じはありますよね。もう…ステージで死にます(笑)。死にたい。(笑)。
SENSHO:死ななくてもいいんじゃない…? (笑)。
-でも1月6日の新宿LOFTで開催される歌舞伎町爆音祭ではSMORGASとROSも出演で、来門さんのダブルヘッダーとなりますが。死んじゃうんじゃないですか、ほんとに(笑)。
来門:そう、もう、2バンド続けてで大丈夫です(笑)。
-意気込みを聞かせてください。
来門:いやもう、死にますよ、俺。いやマジで。俺の、命を、吸ってください! そういうライブをやります! (笑)。
-まあ、アルバムのリリースツアーも控えてますから…(笑)。
来門:もうそういうのはいいの(笑)。俺の、遺作。「NEUBLU」(笑)。いやでも2018年1発目からからすげえ嬉しい! ROSでSMORGASとも対バンできるし、SMORGASでROSとも対バンできる!
-まあ、大変ですけどね…
来門:いや全然大変じゃない! もう野菜の配送とかに比べたらもう全然(笑)。超楽しい! もうほんっと音楽楽しい。うん、なんかごめんね話しすぎちゃって、2人からも意気込み言って(笑)。
SENSHO:意気込み…まぁ、頑張ります。(笑)。
アイニ:そうですね、来門の死に様を。見届けます(笑)。見ものです。
-オリジナルのアルバムとしては2011年から、7年ぶりくらいですよね。結構待っている人も多いと思うんですが、そういう方々にメッセージをいただければと思います。
来門:はい。えー、今後の、我々SMORGASの活躍を、ご期待ください。
SENSHO:えー。7年待っていてくれた方々の、期待を裏切るようなアルバムになったと思うので。もちろん良い意味で。楽しんでもらえたらいいなと思います。あと、それを聴いてライブに足を運んでもらえたら嬉しいでございます。
アイニ:そうっすね、7年分の蓄積された音が入ってると思うので、それを楽しんでもらって、ライブも来てもらえたら。いいかなと思います。
-2月も名古屋、大阪、最後に新宿LOFTではワンマンがあります。
来門:SMORGASで他の街に行くのが久々だからね〜。嬉しいよね。
-日程が結構詰まっていて大変そうですが…
来門:全然大変じゃない。 野菜の配送に比べたら(笑)。超楽しいです。
SENSHO:ワンマンがもう、15年ぶりとかじゃない? shibuyaAXが最後かなあ。LOFTでワンマンは、DJを途中入れたり、ゲストもいっぱい出てきたりするから、ワンマンの楽しみをバンドが楽しんでやれたらすごくいいライブになりそうですね。