若手にチャンスを与えられる場を作ってあげたい
――(笑)。
柳瀬:あそこはアドリブのシーンなんです。お願いしてましたけど、言ってくれるとは思ってなくて。現場にいた原作担当の方にも確認をしたところOKをもらえたので何をやってもいいんだと思ったんです。普通のボーイミーツガールものを求めてたら、イセスマはとっつきにくいと思うんですよ。主人公の努力がほぼない作品じゃないですか。
――そうですね。ただ、そこが売りの作品でもありますから。
柳瀬:そこを壊してしまうと “なろう系”じゃなくなってしまいます。原作サイドの方に「現実世界が辛いことがいっぱいあるのに、自分の好きな世界でも辛いことがいっぱいなのはちょっと、という人が読んでます」というのを聞いて、なるほどって思ったんです。最初は読んだときは僕もどうすればいいんだろうと悩みました。なのでWEBの「こんなのありえないよ」という反応は予想の範囲内でした。
――そうなんですね。世界観を受け入れられるかどうかは、どの作品にもありますからね。ちなみにキャストさんは、どのように決められたんですか。
柳瀬:テープを聞いて希望を伝えて、ほかの方の意見も聞きつつ決めています。
――柳瀬監督作品は若手が多いイメージがあります。
柳瀬:若手にチャンスを与えられる場を作ってあげたいなとは思っています。メインは難しいですけど、サブはできるだけ経験のない人を呼んであげられたらなぁと思っています。
――素晴らしいです。
柳瀬:オーディションの際に「若手の人をいっぱい呼びます」と言ってもらえてたので、制作全体としてもそういう考えがあったんだと思います。そういう場がないと新しい芽が育たないと思うので。
――キャストさんに限った事ではないですけど。きっかけがなければ化けることも育つこともできないですから。柳瀬さんはTwitterを見ていると原作者の方とも仲がいいのが印象的です。
柳瀬:先程も言いましたが原作を大好きになるので、原作者さんも大好きなんです。
――素晴らしいです。そこまで作品を愛していただけると原作者さんも安心ですね。だから、監督で主催をイベントも行われるんですね。
柳瀬:イベントをやるきっかけは「ひめゴト」なんです。「ひめゴト」では音楽ライブをしていたんですけど、トークイベントがなくてフラストレーションが溜まっていたんです。それは(佃煮)のりお先生も同じだったみたいで、いっしょにイベントを開催したんです。作品ファンの方と直接あってというのはすごく新鮮でしたし、全然別のイベントであっても声をかけてもらえて嬉しいですね。
――愛されていますね。
柳瀬:僕は敷居の低い人ですから(笑)。今更ですが、あんなにハグするとは思っていなかったです。
――自分からやっていたじゃないですか(笑)。
柳瀬:イベントの熱に当てられましたね。全然違うイベントでもハグを求められることがありました。
――(笑)。今回もハグしましょう。
柳瀬:そうですね(笑)。みんな笑って帰ってくれるならやってもいいですね。