Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー和嶋慎治(人間椅子)×大澤敦史(打首獄門同好会)×マーガレット廣井(八十八ヶ所巡礼)(Rooftop2017年11月号)

これぞオルタナティヴ・ミュージックの最新鋭にして最前線!
タブーなき表現空間=ライブハウスの真髄を極めた『ロフトフェス』、今年も堂々の開催!

2017.11.01

ライブハウスは表現の制約が一切ない場所

──今回の『ロフトフェス』はみなさんの他にもeastern youth、OGRE YOU ASSHOLE、大森靖子さん、川本真琴さん、戸川純さん、Have a Nice Day!の6組が1Fのメインステージに出演するのですが、それぞれつながりのある共演者はいらっしゃいますか。

大澤:いないんですよねぇ。この組み合わせでブッキングされることってないよなとしみじみと実感した次第です。

廣井:僕らはロフトで戸川さんとご一緒したことがありましたけど(2014年6月12日)。

和嶋:戸川さんとはこのあいだクアトロでご一緒したばかりです(2017年9月19日)。戸川さんは今で言うサブカルの元祖だし、メジャー・シーンで不思議で突飛なことをやっても大丈夫というのを見せつけた先駆者だし、またお会いできるのが光栄ですね。大森さんは「ドラマチック私生活」という曲(『TOKYO BLACK HOLE』収録)でギターを弾かせてもらったことがあります。イベントでもよくご一緒する機会があるので、またファミリーに会える感覚がありますね。あと、eastern youthは昔からぜひ一緒にライブをやりたくて、どうしたらご一緒できるんだろうと思っていたので、今回の共演がすごく楽しみなんです。マーガレットのプレイはeastern youthのベースとちょっと似てるところがないですか?

廣井:前のベースの二宮(友和)さんとは、実は同じ出身なんですよ。愛媛県の吉田町っていう所で、人口が1万人もいない町で。それもあって、高校の頃からeastern youthはずっと聴いてました。上の人たちから「これだけは絶対に聴いとけ!」って言われたんですよ(笑)。

──ここ何年も似たようなメンツの集まるフェスが多いし、今回は新宿ロフトというライブハウスが発信するライブハウスらしいフェスをやりたいと思って僕がブッキングさせてもらったんですけど、みなさんにとってライブハウスとはどんな場所ですか。

和嶋:時間や集客のルールが一応はあるけど、ライブハウスはバンドをやりたいという初期衝動を叶えてくれるし、ロックやアートの本質をそのまま出せる場所じゃないでしょうか。これがホールとかになるとライブもパッケージのひとつに組み込まれてしまうし、ちゃんと収益を考えてやらなくちゃいけないから冒険ができない。そういう大人の世界に比べて、ライブハウスは表現する上での制約は一切ありませんよね。こんなことを喋っちゃいけないとか、おちんちんを出しちゃダメとか(笑)。何をやってもいいし、過激なこともできるわけで、音楽に関してそんなことができる場所はライブハウスだけだと思いますね。

OMI_4625.jpgOMI_9521.jpg廣井:まったく和嶋さんのおっしゃる通りですね。まぁ、後にも先にも店員にめちゃくちゃ怒られたのはロフトだけですけど。掃除が終わったライブハウスではどれだけ酔っ払っても床にゲ○を吐いちゃいけないと教わりました(笑)。

和嶋:それはライブハウスのルールというより、人としてのルールだね(笑)。会長がディスプレイやプロジェクターを使ったライブを始めたのもライブハウスだったんですよね?

大澤:そうですね。最初はたしか渋谷のエイジア系列のライヴハウスで、そこにVJのできるスクリーン環境があったんです。VJが得意なバンド仲間もたまたまいたので、ちょっといたずらするような気持ちで「パワーポイントで歌詞を出してよ」とお願いしたんです。それが大好評で、あちこちでやるようになったんですよ。

和嶋:なるほど。やっぱり原点はライブハウスじゃないですか。そういうのをでかいホールでやろうとすると、事前にちゃんと打ち合わせをしなくちゃいけなくなりますよね。

大澤:大きい会場だと機材を持ち込みすることになるし、大掛かりなことになるし、実績がないとダメですね。それがライブハウスなら特に許可もなくできるし、とりあえずやってみようぜ感はありますよね。そうやっていろいろといたずらができて、ウチのバンドの文化を作ってくれてるのはライブハウスならではの空気なんだと思います。

──僕もバンドをやっていたのでわかるんですけど、昔のライブハウスはいろいろと敷居が高かったし、厳しかったですよね。デモテープの審査があったり、オーディションがあったり。

和嶋:ロフトは、今はもうテープ審査はないんですか?

──ないですね。YouTubeを見てどんなバンドか確認するので。

和嶋:そうかぁ…僕らはロフトに2回くらいテープを送ったのに出られなかったですよ。

大澤:結果論で言うと、なかなか出られない敷居の高さも今になってみると燃える要素だったりするんですよね。念願叶ってやっと出られる達成感を味わえるのもライブハウスならではの良さだと思います。

 

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LIVE INFOライブ情報

LOFT MUSIC & CULTURE FESTIVAL 2017
2017年11月23日(木・祝)CLUB CITTA'川崎

<1Fメインステージ出演>
【出演】eastern youth / 打首獄門同好会 / OGRE YOU ASSHOLE / 大森靖子 / 川本真琴 / 戸川純 / 人間椅子 / 八十八ヶ所巡礼 / Have a Nice Day!
【司会】吉田豪 / 里咲りさ / 絵恋ちゃん

<2Fアティック『Asagaya / Lof A 10th Anniversary Stage』>
【トークライブ】hy4_4yh / 水野しず
【人間椅子檀家】三平×2 / めいどのみやげ・サッチィー / 日本クレール・中島女の子
【LOFT Aアコースティックライブ】工藤ちゃん / こだまたいち(THE TOKYO) / さめざめ・笛田サオリ / 岬たん / 里咲りさ
【BESTネタライブ】ADVANCE / アントワネット / Aマッソ / ガクヅケ / ギフト☆矢野 / ゴールドラッシュ / ジャイアントジャイアン / ジンカーズ / ステレオパンダ / トンツカタン / 曇天三男坊 / にゃんこスター / マッハスピード豪速球 / 真夜中クラシック / モグライダー / ランジャタイ / ロビンソンズ / わたなべるんるん
【FOOD】ロフトキッチン「ORANGE CLOCK」

OPEN 11:00 / START 12:00
前売 1F立見¥5,900(ドリンク代別)、2F指定席¥9,000(ドリンク代別・福袋付き) / 当日 未定
*2F指定席はLOFT店頭販売のみの取り扱いとなります(プレイガイドの発売なし)
*2F席の方のみアリーナフロアへの移動も可能です
*チケットはチケットぴあ、ローソンチケット、e+、新宿LOFT店頭にて絶賛発売中

主催:LOFT PROJECT
企画・制作:LOFT PROJECT
運営協力:HOT STUFF PROMOTION
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382

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