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INTERVIEW

トップインタビュー【master+mind presents】中島卓偉×団長(NoGoD)【完全版/後半】(web Rooftop2017年9月号)

団長が憧れ続けた中島卓偉との対バンがついに決定!
9月22日の新宿LOFTで初共演となる中島卓偉×NoGoDのライブは見逃せない!!

2017.09.19

音楽を続けるこだわり

——お2人とも音楽を始めてから長いですが、音楽を続けていくにあたって、自分なりのこだわりは何ですか?

卓偉:団長さんにぜひ聞きたいね。バンドを背負っている人って、すっごい尊敬するんですよ。自分は本当はバンドをやりたかったから。ただ出会いの運もなかったし、やっぱりそれを壊して1人で全部の責任で全部で神輿を担ぐみたいのをやってきたから。それをやって今になるけれども、本来だったらバンドで背負えている人が本当に格好いいと思う。この間も8月3日にLOFTでLUNKHEADさんと対バンさせてもらったんだけど、メンバーさんは愛媛出身で同い年でみんなと一緒に出てきていて、みんなで考えてお金を計算してやっていて、もう魂が違う、やっぱり。

団長:格好いいですね。

卓偉:いる場所が違う。で、すごく温和だっていうところと、すごくがつがつしてる部分もあるし。「こういうのに憧れたな」って今でも思う。一生なれない後悔が1つあるとしたら、それなんですよ。以前対談した時は、NoGoDがまだ10年も経ってなかったってことで、今12年で干支を回ったってことで、本当にそこは尊敬します。

団長:は〜〜〜。

卓偉:続けるこだわり、バンドのこだわりとかって聞いてみたいなって思いますね。

団長:俺の場合は…。

卓偉:団長さんはリーダーだよね?

団長:いや、俺はリーダーを返上したというか、俺が創始者で、全部のコンセプトや曲とかも作ってたんですけど、金勘定ができないので、細かいプランを立てれないんですよ。マインドで動きすぎて。

卓偉:やっぱりボーカリストだね。僕も金の計算が出来ないですから(笑)。

団長:なんで結局、リーダーってものをうちのギターに譲って、会長みたいなポジションに。たまに会議に出て、えらそうなことを言って、すぐに帰るっていうやつになりました(笑)。

卓偉:なるほど、いいじゃないですか(笑)。ってことは、ギターリストの彼(Kyrie)が、基本的にアレンジとか進めるってこと?

団長:そうですね、全てのアレンジを。1回全員で出しよった原曲を精査して、アレンジして、バックするって感じですね。

卓偉:なるほど。そうやったらよっぽど転がるようになったってこと?

団長:バンドを始めた頃の最初の1年とかは、作詞、作曲、ホームページ作成、写真の加工、デザインとか、全部自分でやって、完全なワンマンバンドで立ち上げたんで、メンバーなんてのは振るいにかけていけばいいや、みたいな感じで始めたバンドだったんです。

卓偉:自分に付いて来れるんだったら、付いて来いみたいな?

団長:そういう感じで、俺さえ残っていればNoGoDだっていう考え方をしてたんです。

卓偉:いいんだよ、最初はそれで。

団長:でも段々メンバーに、「俺たちのやりたいことはNoGoDじゃねーのかよ」って言われた時に、メンバーの話を聞くことが大事だなって思って。

卓偉:バンドだからね(笑)。

団長:そうなんです(笑)。とにかく話を聞く。話を聞いて納得できないことは、納得できないっていう話をする。話をすることが大事なんだなって。移動中の些細な会話でも、「これ、最近のお気に入りのCDだから聴いてみて」とかでもいいんですけど、会話をするってすげー大事だなって思って。普段、飲みに行かなくたっていいんですよ。現場で会った時に、「昨日のあのテレビ観た?」でもいいから、会話をして情報共有をし続けるっていうのが、自分は大事だったかなって、思いますね。よくメンバーでつるむバンドだったので、そういう意味では会話をすることが一番大事だったのかなって、今考えれば。

卓偉:より今の方がバンドになってきたってことなんですね。

団長:今が一番仕上がってますね。最高に脂が乗ってる状態です。今のメンバーになって10年目になったんですよ。結成12年、今の5人で10年になって、すっげー仕上がってる感があります。

卓偉:いいね。男同士でも信頼感がないと、やっぱり10年も一緒にはいれないもんね。

団長:そうですね。大きい喧嘩も小さい喧嘩も数えきれないほどしましたけど、それでも今でもやってるのは、やっぱりいろいろと話し合ったおかげで、上手い信頼関係はできてましたね。結局、自分たちNoGoDだったら俺のやりたい音楽が一緒にできるって思わせてなきゃいけないじゃないですか、バンドで。責任を持って、それだけのバンドをしなきゃいけないんですよね。メンバーに残ってもらうためには、「それでもお前が歌うんだったら、付いていくよ」って常に思わせ続けなきゃいけないし。逆に他のメンバーも、「俺のギターだったら、絶対にお前たちを食いっぱぐらさせないからな」っていうのが、たまたま5人が何となくできたから。

卓偉:いいね。バンドって、バンドに依存していいからね。

団長:そうなんですよ。依存しなきゃいけないんですよ。させなきゃいけないんですよ。

卓偉:そうそう。これがないと自分は成り立たないって思った方が、バンドは強いんですよね。

団長:ファン以上に、まずメンバーを酔わせなきゃいけないんですよね、バンドで。それが重要かなとも思いますね。

卓偉:会長だね。

一同:(笑)

団長:でも細かいことは、何にもできないんです(笑)。

卓偉:いやいや、いい、いい。やっぱり会長は側だけ決めてね。鶴の一言がないと。やっぱり団長は素晴らしい。クレバーですね。そういうのがやっぱり、ソロはないからね。自分がやらないと始まらないし、責任も全部自分だし。だから責任感という意味においては、バンドとソロは全然また違うのかもしれないですね。いい話です、本当に。勉強になります。

団長:いやいや、とんでもないです。

——卓偉さんの続けていくこだわりは?

卓偉:これはね、幾つもあるんですけど、1つは意地と、あとは音楽が好きだっていう信念。まずはこの2つが強くて。あとは「何のためにやってるか」っていう自問自答を常にすることですね。常に自分のためにやってるっていう気持ちを持つことですね、やっぱり。ファンのためとか、スタッフのため、会社のためっていうのも、もちろん大事なことなんですけど。「何のためにやってるんですか?」って聞かれた時に、即答で「自分のためにやってます」ってはっきり言える人の方が、続くかなって感じます。っていうのは、僕の持論なんですけど、自分が感動してないもので、人は絶対に感動させられないと思うんですよね。だから逆に言うと、自分が感動しているものを出すから、人を感動させれると思ってるんですよね。「こんなのどうですかね?」とかって言われると、グッとこないっていうか。ふと思い出しましたけど、今、毎回一緒にやってくれるレコーディング・エンジニアさんがいるんだけど、その人に出会うまでに、数知れずいろんなエンジニアさんとやったんですよ。で、やっぱり、「プレイバックを聴かせてください」って曲を聴いて、みんな結局、「こんな感じでどうですか?」って言うんですよね。「どうですか? じゃねーよ」って思うんですよね。団長は分かると思うけど。

団長:(笑)分かりますね。そういう人、いますよね。

卓偉:「どう? 最高だと思わない? 俺の音。こういう風にまとめてみたんだけど」っていう自信がある人じゃないと。「あなたが繕ってくれた音じゃないんですか?」って思うんだよね。ただもちろん、「ここは、こうしたい」って時に、変に頑固で、「いや、変えたくない」って言われたら、「お前、誰なんだよ!」ってことになっちゃうんだけど(笑)。

一同:(笑)

卓偉:そこでも、「分かりました。じゃあここも変えてみます」とかっていうスタンスで来てくれる。今のエンジニアさんはそういう人だったから、ずっと最後まで一緒に仕事をしようと思ってるんですけど、その人に出会うまでは、「こんなんでどうですかね?」ってみたいな感じで来られると、「いや、この音にあんたは感動してないわけ?」って思っちゃうんだよね。だから、本当にこれが好きでやってるんだなとか、自信があってこれをやってるんだなっていうのを出されたりすると、すごくすごく嬉しくなるし。食べ物でもそうですよ。「このラーメン、すごく美味しいから食べてみて」って言ってくれた方が、それだけで美味しい気がしちゃうし。それが洗脳でも何でもいいんですよ。「どうかな、この味?」って言われたら、「どうかなもクソもあるか!」って思っちゃうんだよね。これは子供の時からそうで。

団長:分かりやすい(笑)。

卓偉:そうそう。だから自分が感動してないんだったら出す必要はないし、感動してるからこそ活動に繋げるんだっていう気持ちを持つことが、一番続けていく重要なことかなってとこですね。

団長:自分の音が一番大好きでいたいですね。

卓偉:一緒だね。

団長:やっぱり俺は、移動中に絶対自分の曲を聴きますもん。

卓偉:(笑)それはすごいね!

団長:何か俺の癖で、朝起きて車に乗ってる時に、まずは好きなアーティストとか、今日の気分はこれだっていう曲をかけるんですよ。4〜5曲聴いていると段々、「いや絶対にうちの方が格好いい」って思って。

卓偉:あっ、いいことだよ。

団長:で、変えちゃうんですよ。で、うちの曲に変えたまま、車を止めて用事を済ませて、また車に乗って自分の曲がバッと流れてくると、ちょっと嫌だなって、恥ずかしいなってなっちゃうんですよ(笑)。

卓偉:(笑)分かる、分かる。

団長:で、また人の曲に戻して、またしばらくして、「いや、やっぱ俺の方が格好いい」っていうのを、運転中は永遠に繰り返してます(笑)。

卓偉:いいじゃないですか。やっぱり自分自身で書いた曲に自信があるからそういう風に思うってことだよね。

団長:自分の場合、バンドのこの5人で出した音にすごく誇りを持ってるので。

卓偉:いいね。大事だよね。素晴らしい。それが続けてこれた理由の1つでもあると思いますよ。

団長:そうですね。自分のバンドが大好きだっていう(笑)。簡単なことですよね。

卓偉:ZIGGYの森重さんもそう言ってたよ。自分を大好きじゃないとダメだって。自分がナンバー1だと思ってステージに立たないと、ボーカリストは成り立たないって。

団長:その通りですよ。

卓偉:自分の中のイメージのロックスター像っていうのをただ自分で着込むだけなんだと。だからああいう髪型、ああいう衣装っていうのを、世界一この服が似合うのは自分だと言えるという。

団長:今度俺、森重さんと初めてイベントでご一緒させてもらうんですけど、初めてお会いするんです。俺は、卓偉さんから森重さんを知ったので、遅咲きなんですよ。ZIGGYが世代ではなくて、卓偉さんが渋谷公会堂で、「僕はその席でZIGGYを観たんだ」って指を指した時に。

卓偉:結構近い席だったんだっけ?(笑)

団長:そうなんです(笑)。「お、俺?」って当時思って(笑)。その後にZIGGYとかも聴く機会があって森重さんがどういう人かっていうのは知ってますけど、まだお会いしたことがないので、卓偉さんが憧れるロックスターって、実際にお会いした時にどういう人なんだろうって、すごい楽しみで。

卓偉:超紳士だよ。とげは一本もない。

団長:丸いんですね。

卓偉:丸いけど、世界一の不良、世界一のロック・スターだと思う。

団長:お〜! すごく楽しみだなあ。

卓偉:温和すぎてビビる、逆に(笑)。

一同:(笑)

卓偉:とげがないから。本当に腰が低い人だし。会ったことはないですけど、矢沢さん(矢沢永吉)もそうだって言うじゃない。

団長:そうなんですかね。

卓偉:この間も、TRICERATOPSのドラムの吉田佳史さんが、矢沢さんのバックで叩いた時に言ってたんだけど、イメージ通りの部分はイメージ通りだけど、イメージじゃない部分は、全部「恐縮です」みたいな、すごく腰の低い人だって。覆されるって言ってたよ。続けられる理由は謙虚だってことが必要だってことですよね、だとすればね。

団長:やっぱりどのバンドマンも『成り上がり』は読んでますからね。

卓偉:読んでるね(笑)。

団長:俺も読んでますし(笑)。

卓偉:あれはバイブルだよね。

団長:『成り上がり』は、21世紀にも伝えたいバイブルですよね(笑)。

卓偉:やっぱり男がいいとする何かラインってあって、そこに続けるヒントって、絶対書かれてるじゃないですか。

団長:書かれてますね。

卓偉:そういうことだと思いますね。

 

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LIVE INFOライブ情報

master+mind 〜Sense of Pulse #18〜

2017年09月22日(金)新宿LOFT

OPEN 18:15 / START 19:00

前売り 4500円 / 当日 5000円(共にドリンク代500円別)

※未就学児童入場不可

【出演】

中島卓偉 / NoGoD(50音順表記)

【前売りチケット発売中!!】

・ e+一般(Bチケット)

・ LOFT店頭(Bチケット)

・ ローソン(Cチケット/L:74462)

【入場順】

1. Aチケット(e+プレオーダー/受付終了)

2. Bチケット(e+一般・LOFT店頭)の並列

3. Cチケット(ローソン)

【主催・企画・制作】

新宿LOFT / master+mind

【お問い合わせ】

新宿LOFT 03-5272-0382

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