Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューMC正社員(戦極MCBATTLE主催)(web Rooftop2017年8月号)

「U-22 MCBATTLE」徹底解剖

2017.08.01

 

まず第一次予選を勝ち上がった9for。「高校生ラップ選手権」も獲ってるし、バトルMCとして強い要素が全て揃っているというか、バトルの評価基準ってこれだけMCバトルが流行ってくるとライムとかフロウとかアンサーとか出来るのが当たり前で、そこにどうプラスアルファを乗せてくるか、9forの場合はアンサーに意外性があって、とんちが効いてる、“そうくると思わなかった”みたいな、それが素晴らしいですよね。

 

 

あとはAmaterasかなー、そもそも彼は去年の「U-22」大会の準優勝者なんですよ、だから予選会は出なくいいよって言ったんですけど、本人が出たいって話になって、でも手の内を知られてるから優勝しないだろうなって思ったんですよ、さっきの話になってくるんですけど、ライム、フロウ、アンサーは出来て当たり前でプラスアルファが何かって時に意外性とかで決まると思うんですけど、もうひとつ自分をいかに主人公にするか、大会の中で俺はいかに特別だぞって空気を作っていくかってのがAmaterasは相当うまいと思っていて。

 

 

この試合、ベスト8なんですけど、ここでAmaterasが空気を作ったせいで、準決勝や決勝でどんなに相手が上手いこと言ってもAmaterasの“パンチライン待ち”になっていて、そうなるとめちゃくちゃ強いんですよね。最後の2バースで、この大会は俺の大会だぞって空気にした、それ以外はそんな上手いこと言ってないんですけど一発でひっくり返せる。KUREIも韻踏んで攻撃していくタイプで、「金持ち」じゃなくて俺は「友達」の多さで買ってやるとか意外性があるけど、最後の最後でAmaterasが一撃で全部持っていく、そこまでのキャラ設定とかセルフプロデュースがうまいと思うんですよね。本選でもAmaterasモードに持っていけたら、相手がどんなカッコいいこと言っても勝てないと思いますよ。あと優勝戦線に食い込んで来そうなのは、バランス感覚の良さでいくとSHOHEI、“ライムジークンドー”って異名を付けましたけど、ホントその名の通り手数の多さが半端ない。あと昔から知ってるTORA-G、すごくいいラップをするようになりましたね。あと予選会の決勝に残ってないんですけど優秀組として選んだAPELIL、ENEMY、MC KUREI、NillNicoも優勝に食い込んでくるんじゃねぇかなと。あと大阪のBreaKer、DOraham、大阪って今、ライム主義で、大阪トップのR指定っぽいものを求めがちなんですけど、自分自身のストーリーの強さとかで勝ち上がってきたのがこの2人だったので、かなり期待してます。

――「U-22」予選会のベスト4に残った方以外も決勝にエントリーしてますよね、どういう基準で選ばれてるんですか?

面白いことができる、っていうか、MCバトルって大会を面白くしてくれる人じゃないとダメだと思うんですよね、それを僕は“ファンタジスタ”とか言うんですけど、爆発力があるタイプを選んだつもりです。

――あとゲストラッパーと予選組の戦いも見どころですね。

ゲストバトラーは華のある人を選んだつもりなんですけど、今、予選組が強いから負けちゃうかもしれない、ただ“じょう”とかは、まだまだ最強候補ですよね。「高校生ラップ選手権」の日本武道館大会で優勝して、そこから大会で負けたりすることも多くなってきたけど、まだバトルに関しては日本で一番うまいんじゃないかなと思います。

 

 

それをひっくり返すのが“ミステリオ”みたいなタイプかなー。MCバトルって自分に設定されたハードルを越える戦いで、じょうはみんな上手いの知ってるからハードルがむちゃ高いんですよ、そのハードルを越えないとお客さんが湧かないから負けてしまうってあるんですけど、ミステリオはハードルを越えるんじゃなくて、くぐるんですよね(笑)。

――そうきたか、みたいな(笑)。

そう、ミステリオも頑張って欲しいですよね、あとみんな上手さに気づいてないと思うのがW1NG、あとEINSHTEINのバトル動画を久々に見たんですけど、ちょっと違う感じになっててかなり良かったです。言×THEANSWAERとMC☆ニガリも今、ローテーションが早いんで、すぐ次のスターが出てきちゃうんですけど未だに錆びてない、かまして欲しいですね。あとかわいいMC MIRIちゃん(笑)、ラップをすごく勉強してると思うし、喉の手術して多分これが初めてのバトルだと思うんですけど、爆発して欲しいなー。ムートン、蛆密は「UMB」22歳以下組ですね、2人とも「高校生ラップ選手権」に出てないけどUMBではかなり活躍してて期待してます。あと裂固も最強候補ですね。昨年の大阪大会で活躍したadamと写楽は久々にバトルに出ると思うんですけど、やっぱ輝くものがありますね。あとT-Tongueも今、強いです、声質の良さとヤンキーチックな見た目もあるんで一発で“こいつ強えな”ってオーラを持ってる。あとCHARLESちゃんも子供産んでやってきましたんでね、メガネを掛けたMOGURAくんも頑張って欲しい、これで全員言いましたよね(笑)。

――じゃあ、誰が優勝してもおかしくない大会ですね。

順当にいけば優勝は多分9forな気がしますけどね。まず予選から出てるのが強いし、今の人気とバトルの強さ、今一番バトルMCとして脂が乗っている時期じゃないかなー。あと、優勝候補はMC☆ニガリ、ムートン、裂固、Amaterasっていう感じかな。ただ1回戦で結構決まると思うんですよね、自分の空気にした人が優勝すると思います。

 

ホント未来がなかった……

――なるほど、ありがとうございます。では今後についてですが、まだ「高校生ラップ選手権」が始まる前の2011年のインタビューで、正社員さんが当時のMCバトルシーンを「少し飽和状態になっている」と答えてて意外だったんですけど、それに比べて今の状況はどうですか?

飽和状態というか、その頃はホントに未来がなくてバトルに関しては夢がなかったですね……。2005年にUMBが出来て、2008年に般若さんが優勝して、アンダーグラウンドシーンの中では盛り上がりつつあったんですけど、2009年ごろから音源を出しているアーティストがMCバトル強者に負け始める状況が出てきて、そうなるとリリース系の人はバトルに出なくなってくる。

――リスクを考えますよね。

そう、その波がピークに来たのが2011年ごろで……。UMBの決勝大会がそれまでクラブチッタでやっていたのがリキッドルームになって、本選が新宿ロフトに移り……。

――シーン全体が下がり始めたんですね。

下がってましたね、バトルをやる人がダサイという空気になってた。だからあの時は飽和状態というよりも先が見えない状態でしたね。あの時に、深夜にMCバトルの番組が始まって大人気になってるよとか、日本武道館で18歳以下の大会をやってるよとか、DOTAMAとか崇勲が超人気者になるよとか言われたら爆笑してるでしょうね(笑)。

――うそつけ! と(笑)

なんとかしたいという思いはあったけど、お客さんが全然いなかったし、全く先が見えなかったですよね。

――それでも続けられた理由って何だったと思いますか?

好きだからですよ、なんでこんなにうけないの? って思いながらやってました。まず1回しかないじゃないですか、バトルって。あと色んな要素も含むし、お話的なことも出来るし、ドラマチックなこともできる、だから最高の音楽で最高のエンターテイメントで、最高のドラマだと思ってました。うけない方がおかしいと思ってたんですけど、ずっーーーとうけなかったですね(笑)。

――辞めようと思ったことはなかったですか? 以前インタビューで「戦極10章で終わらせようと思ってた」と答えてましたけど。

辞めようはずっと思ってますよ(笑)。

――え、そうなんですか!

1年に1回ぐらい思ってます。

――なぜですか?

不安じゃないですか、今のブームって何年続くんだろうとか思うと、10年とか20年は無理だし……、だから辞めたいとは思うんですけど、辞めて他の仕事をするよりも、この仕事を続けていく方が自分には向いてると思うし、その方が絶対色んな人から愛されると思うので、だからやっぱり続けようみたいな感じで思ってます(笑)。

LIVE INFOライブ情報

「U-22 MC BATTLE 2017 FINAL」
 
会場:TSUTAYA O-EAST
日程:8月25日 (金) 開場16:30 / 開演17:30
内容:
 
・U-22MC BATTLE:48MC’S
・LIVE:BEST4に勝ち上がった4名
・HOST:MAKA
・DJ:YANATAKE,HIRORON,SION
チケット:イープラ,ローチケHMVにて発売中
 
・チケット:4,500円 / Tシャツつきチケット:6,500円 (共にドリンク代別)
 
 
「戦極MCBATTLE at LOFT9 Shibuya」(仮)
日時:9月18日 (月・祝) 夜 詳細近日発表!!!!
 
8月19日 (土) 戦極MCBATTLE 第17章 東北ツアー 山形予選
8月20日 (日) 戦極MCBATTLE 第17章 東北ツアー 福島予選
9月9日 (土) 戦極MCBATTLE 第17章 関東ツアー 東京予選
9月30日 (土) 戦極MCBATTLE 第17章 関東ツアー 埼玉予選
 
 
 
詳細は戦極MCBATTLEブログをご覧ください
 
 
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