Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューおバカ創作研究所(ザリガニワークス×乙幡(おつはた) 啓子×現代美術二等兵)(Rooftop2017年8月号)

"おバカ"を突き詰める3組による笑いに満ちたおバカ工作イベント、関西初開催!

2017.08.01

 ザリガニワークス(武笠 太郎、坂本 嘉種)、乙幡 啓子、現代美術二等兵(籠谷 シェーン、ふじわらかつひと)の3組のクリエイターによるイベント「おバカ創作研究所」。
 毎度〈宿題〉と称されたお題に対し、出演者とゲストが次々と"おバカ"な作品を発表していくこのイベントは東京で大きな人気を博している。
 そんな彼らが、9月1日(金)ロフトプラスワンウエストにやって来る! 今回本誌では、イベント開催に先立ち、出演者を代表し現代美術二等兵の籠谷 シェーンにインタビューを敢行。初の関西上陸を前に、イベントについて伺いました。[interview:宮武 孝至&平松 克規(Loft PlusOne West)]

あの作品もここから生まれた! 「おバカ創作研究所」とは?!

 

——「おバカ創作研究所」は、どのような経緯で始まったんでしょうか?

籠谷:カルチャーカルチャーさんから、ザリガニワークスさんに「何かやらないか?」ってオファーがあったんです。それで「自分たちだけでやるのはあれなんで……」ということで、近しいことをやってる乙幡さんと僕らに声をかけてくれたんです。

——他の出演者のみなさんとは、もともとお知り合いだったんですか?

籠谷:ザリガニさんとは名刺交換もしてたし、乙幡さんとはグループ展でご一緒したことがあるんですけど、3組で何かやるっていうのはこのイベントが初めてでしたね。2012年の話です。

——イベントでは、どのようなことをしているんでしょうか?

籠谷:それぞれの活動報告会や商品即売会、あとゲストやスポンサーの方に決めて頂いた〈宿題〉と呼んでいるお題に対して、僕らがドンドン作品を発表していきます。

——スポンサーもついてるんですか。

籠谷:はい。ザリガニワークスさんが、その辺の交渉に長けているので。これまでは、ブシロードクリエイティブさんや、コイケヤさん、キタンクラブさんなどがスポンサーになってくれてます。

——宿題の発表はどのように行うのでしょうか?

籠谷:基本的に事前に準備した立体物や、スケッチブックに描いたイラストなどを発表していきます。あと、イベント中に思いついたことを、その場でスケッチブックに描いて見せることもありますね。

——準備が大変そうですね……。

籠谷:もう毎回ギリギリです。他のメンバーも徹夜でやってきたりとか。ウケるかどうかも分かれへんし……。

——他の人の作品を見て、「これはやられた!」と思うことはあるんでしょうか?

籠谷:しょっちゅうです(笑)。その日までどんなことをしてるか分かんないし、楽屋でも見ないようにしてるんで。ステージで初めて見て、「やられた!」と。

——他の二組の方々は、イベントでどんな作品を発表しているんですか?

籠谷:ザリガニさんの作品は、『舟スナック』とか商品化できそうなネタが多いですね。乙幡さんは、何といっても『ハトヒール』。

 

船スナック.jpgはと.jpg

 

——あっ! あれって、このイベント発なんですか!?

籠谷:はい。発表した時は自信無さげに見えたんですけど、よもやの大ブレイク。

——かなり話題になりましたよね……。現代美術二等兵の作品で、最もウケの良かった作品は何ですか?

籠谷:相方のふじわらの作品なんですが、「スナック」というお題の時に、この虫カゴ(写真④)を発表したんです。土に見立てたチョコフレークの上に、キャラメルコーンを幼虫っぽく置いただけなんですけど……。

——なかなかのリアリティですね……。

籠谷:ごっつ気持ち悪くて、会場はスゴい沸き方でしたね。

 

キャラメル.jpg

 

——反対に「トホホ……」な作品は、あったりしましたか?

籠谷:「アダルトグッズ」というお題の時に、肌色のタートルネックを改造して、ウレタンの棒で血管や裏筋を入れた『愚息タートル』っていう作品を作ったんです。事前に着て仕込んでて、発表の時に「これや!」って見せたんですけど、まぁ見事な失笑で(笑)。結構な手間暇をかけたんですけどねぇ……。

——悲喜こもごもですね(笑)。イベントを始めてから、何か反響はありましたか?

籠谷:メーカーさんからの、「何か一緒にしましょう」っていう依頼仕事が増えましたね。あと、感想やアンケートを見てたら、学生さんから「作ることに迷ってたんですけど、勇気が出ました」みたいなコメントをもらったりもして。どうしても大学だと、オリジナリティがどうだとか難しいことばっかり言われるんですよ。でも僕らは好き勝手に作ってるだけなんで、「これで良かったんだ……」って思ってくれたみたいです。

 

待望の関西初開催!

——そういうコメントはうれしいですよね。さて、9/1(金)にロフトプラスワンウエストで「おバカ創作研究所8」が開催されますね。

籠谷:はい。同時期に『おバカ創作研究所』でこれまで発表した作品を、まとめて見せる展覧会を京都で開催するんです。それならせっかくなので、東京でしかやってなかったイベントを関西でもやりたいなと思って、今回開催することになりました。

——初の関西での開催。心境としてはいかがですか?

籠谷:関西なんで客層も違うから、シビアなのかなと……。ボクとふじわらは、大阪出身なんですけど「おもんないぞー!」って言われたらどうしよ……と、ビクビクしてます(笑)。他の二組の方が、腹据わってますね(笑)。

——(笑)。今回のゲストは、どなたなんでしょうか?

籠谷:京都の造形師・カミロボ作家の安居 智博さんです。フィギュアの造形をされるかたわら、プロレスマスクや「カミロボ」っていう紙製のロボットを35年間作り続けているんです。超絶技巧のモノ作りをする人で、すごい尊敬しているので、楽しみですね。

 

カミロボ.jpg

 

——今回の宿題はもう発表されているんですか?

籠谷:はい。京都で展覧会をするので「京都」。それと今回のスポンサーである兵庫の通信販売会社「フェリシモ」さんからは、「変身」という宿題をいただきました。

——製作、頑張って下さい! それではイベントに来ようか迷っている読者の方に、一言メッセージをお願いします。

籠谷:ゆるいイベントなんですけど、いつも「自分も作ってみたくなった!」って感想をもらっているので、モノ作りに興味のある人には、ぜひ来てもらいたいですね。あと単純にバカバカしい物を見たいとか、それを作ってる人は何を考えているのか知りたいって人も、ぜひお越し下さい!

 

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LIVE INFOライブ情報

9/1(金)「おバカ創作研究所Vol.8」
協賛:(株)フェリシモ
 
【出演】
乙幡 啓子
現代美術二等兵
ザリガニワークス
【ゲスト】
安居 智博
 
OPEN 18:00 / START 19:00
前売¥2,500 / 当日¥3,000(共に飲食代別)※要1オーダー500円以上
前売券はイープラス、ロフトプラスワンウエストWeb&店頭&電話予約にて7/22(土)発売開始!
※ご入場はイープラス→Web→店頭電話予約→当日の順となります。
電話→ 06-6211-5592(16時~24時)
 
 
【展示会情報】
現代美術二等兵キュレーション
おバカ創作研究所 研究発表in京都
会期:2017年8月26日(土)から9月3日(日) 12:00から18:00 (月曜日休み)
会場:KUNST ARZT(京都市東山区夷町155-7)
乙幡啓子、現代美術二等兵、ザリガニワークス
 
 
 
 
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