今のパートを始めたきっかけ
——お互いに面識はありますか?
卓偉:今回が初ですね。
小高:会ったのも初めてですね。お名前はもちろん知ってましたけど。
卓偉:僕もです。
——ではお互いを知るということも踏まえ、今のパートを始めたきっかけを教えて下さい。
合田:なんかノリですね(笑)。バンドブームみたいのが中学生くらいの時にあって、何か楽器を持ってみようって思ったのがきっかけですかね。
小高:俺もそんな感じですね。
——目指していたバンドとかはいたんですか?
小高:中学生の頃は、『深海』(1996年6月発売のアルバム)くらいまでの曲だったら、イントロ1秒で曲が当てられる自信があるくらいミスチル(Mr.Children)しか聴いてなかったですね。割と真面目な中学校だったんで、バンドとかそういう文化が全然なかったけど、ミスチルのような4人組のバンドをいつか組みたいなって思ってて。高校に入った時に、LUNKHEADの最初のドラムの石川(龍)が同じクラスだったんですよ。彼は中学校の時からバンドをやっていて、初めはギターだったんですね。彼は何をやるにもリーダー気質で、同じクラスでバンドを組もうってなった時に、「俺がギターをやるから、お前は歌えよ」って言われて、「分かった!」って。で、LUNKHEADをやることになった時に、「壮の方がギターが上手いから、俺はドラムをやる」って言ってドラムになったんですよ。
合田:まあ、そんな感じのノリですね(笑)。
——合田さんは、どうしてベースを選んだんですか?
合田:すごい恥ずかしいんですけど、ギターのチョーキングが痛くて。
一同:(笑)
合田:1弦とかを爪と指の腹の間に食い込ませて音を上げるのが、尋常じゃねえって思って。
小高:最初にチョーキングを知った時って、びっくりしたよね。当時は映像とかもほとんどなかったから、音を聴いて、「1音上がってるな」って思って、タブ譜を見て「こうやってやるのかな」ってやってみたら、1音上げるだけでも「はあっ!?」って思うくらいね。
合田:そうそう。で、ベースやったら簡単そうやなって思って(笑)。よくギターはFが弾けなくて断念するけど、僕はチョーキングの痛みに耐えられなくて(笑)。
小高:チョーキングってありふれた技術すぎて、誰も教えてくれないし、どこにも載ってないんですよ。でも聴くと「ブゥ〜ン」って鳴ってるから、最初は「アームかな?」って思ってたんですよね。恥ずかしいね。
合田:恥ずかしい(笑)。
小高:今となっては、チョーキングよりも指が曲がるくらいスラップしてますからね。
合田:今はね(笑)。
小高:そっちの方がよっぽど痛いじゃんって。指の当たる強さでベースが削れちゃってますからね。
合田:野蛮なんです(笑)。
小高:ボディが結構削れてるよね。いつか貫通するんじゃないかってくらい(笑)。
——では卓偉さんは?
卓偉:僕も同じように中学生くらいの頃に「バンドやりたい」と思って。初めはサイド・ギターだったんですね。ギター・ソロというよりかは、和音が好きでコードを弾きたくて。最初に何となく仲間内で組んだバンドでは、サイド・ギターにプラスでハーモニーというか。ザ・ビートルズが好きなんで、ハーモニーを歌うのが好きだったんですよね。でもそのボーカルがド下手もいいとこで、主旋をちゃんと歌ってくれないからハモれないわけですよね。そういうのがずっとあって、ある時にバンドを作り直そうって話が出て、「じゃあ、俺が歌うわ」みたいな。そういうきっかけでしたね。でも作曲するためにギターはずっと続けていて、レコーディングやライブでは自分で弾くんですけど、ギタリストっていう感覚はないですね。だから僕もチョーキングの気持ちは分かります。できなくて、薬指や中指の爪の間に弦が入らないようにアロンアルファを詰めてやったりしました。
一同:(笑)
卓偉:でも結局はパンクとかが好きだから、12フレットより上はフレットじゃねえって思ってるんで、下のフレットばっかりでしたけど(笑)。ギター・ソロには当時から興味がなかったっていうのもあるんですけど、あんまり耳もいかなくて、バッキングとか、開放弦を弾いて鳴らす和音とか、そういう方に魅力を感じる子供でしたね。
小高:俺もそっちでしたね。親が好きだったのもあり、カーペンターズやサイモン&ガーファンクルとかが好きだったんです。母親が好きだったのか、サザン(サザンオールスターズ)とカーペンターズとサイモン&ガーファンクルの音楽がよく車でかかっていた気がします。当時は、サザンの音楽は子供にはまだちょっと分からなくて。フォークのその和音の感じがすごく好きで。最初に耳コピで覚えたのは、ゆずでしたね。音が拾いやすくて。
卓偉:日本の音楽をよく聴かれてたんですね。
小高:英語が分からないから、日本の方が俺は聴いてましたね。洋楽を聴くようになったのは、うちのギターの影響ですね。うちのギターはレディオヘッドとか、いろいろ何でも聴くんで。でも悟もレッチリ(Red Hot Chili Peppers)とか、いろいろと聴くよね。
合田:何でもまあ。そんな嫌いなジャンルとかはないね。
小高:メンバーの影響で、俺は洋楽を聴くようになったって感じですかね。基本的には日本語の歌詞が好きなんで。
——卓偉さんも音楽が家で流れていた環境だったんですよね?
卓偉:そうですね。うちは親父の影響で、当時はアナログで、本当のリズム・アンド・ブルースというか、黒人音楽のブラック・ミュージックとかソウル・ミュージックとか、クラシックもかかっている中で、サイモン&ガーファンクルやカーペンターズもあったし、そこにザ・ビートルズがちょこっとだけあって。兄貴がいるんですけど、俺と兄貴がザ・ビートルズに反応して、誕生日とかクリスマスとかの行事の度に親父がザ・ビートルズのレコードを買ってくれたんですよね。
小高:素敵ですね!
卓偉:そういうのがあったんで、最初の1コードとか、そこまでガッツリ歪んでなくても開放弦を使った和音みたいなものを弾きたいっていうのを多分思ったんでしょうね。そういうので洗練を受けちゃったんで、ブリティッシュの音楽が大好きで、日本の音楽でもブリティッシュっぽさを追いかけてる人というか、ブリティッシュが匂う人の音楽が好きですね。
——うちの親は家で音楽を聴くタイプではなかったんで、すごいなって感じてるんですけど、合田さんはどうですか?
合田:僕もそんなにではなかったですけど、井上陽水とかTUBEとかがかかってましたね。
卓偉:親の影響は絶対にあると思いますね。
合田:そうですね。
小高:俺の親父は家ではステレオのレコードでクラシックばっかり聴いてましたね。ミスチルが聴いてた音楽の中で一番悪い音楽くらいでしたね。
一同:(笑)
小高:中学校3年の時に何かで松山のタワレコに行って、エアロスミスを試聴機で聴いたんですけど、3秒くらいで「うるせっ! 何だこのキンキンした声!」って思って聴くのを止めちゃったくらい、ロックの免疫がなかったですね。うるさい音楽がすごい嫌いだったんですよ。
卓偉:意外ですね。LUNKHEADさんは結構激しい曲が多いですよね(笑)。
小高:そうなんですよ(笑)。
一同:(笑)
小高:何でこうなっちゃったんだろうって(笑)。うるさい音楽は嫌いだったんですけど、世界で一番好きなバンドはNUMBER GIRLっていう矛盾が…。
一同:(笑)