Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー藤田恵名(Rooftop2017年7月号)

“今、一番脱げるシンガーソングライター”ができるまで

2017.07.01

 講談社が主催する、まったく新しいタイプの女の子を発掘し育てるオーデョション「ミスiD」で注目を浴び、文字通り"裸一貫"でギター片手に世間の荒波に挑もうとするシンガーソングライター、藤田恵名。自身の誕生日である7月7日に渋谷WOMBにてワンマンライブ、その翌日にはLOFT9での打ち上げイベントを控える彼女に話を伺った。[interview:石崎典夫(LOFT9 Shibuya)]

福山雅治に見つかる

――僕が藤田さんを知ったのは、昨年渋谷WWWでやったワンマンの映像で『EVIL IDOL SONG』を泣き顔で絶叫してたんですね。そのパワーがすごくて一気に引き込まれたんですけど、その後にミスiDに出た時の自己紹介動画を見たら、そこでも泣いてて(笑)。

藤田恵名(以下:藤):私、あの動画が未だに見れないんですよ。サムネイルがメッチャ泣き顔で、コメントにも“再生する気うせる”とか書かれて(笑)。わりとあの時のことを鮮明に覚えているからトラウマというか……。でもあれで私のことを知った方も多くて、色んな方からあの動画見たよって言われます。

――ツカミとしては最高ですけどね(笑)

この前、福山雅治さんがファンの方への会報誌で、あの動画について「泣きながら水着で歌ってるんだよ」ってインタビューで触れて下さって。

――そこに届くとは、ですよね。

一番、見て欲しくない動画でしたけど(笑)。でも写真とか自分で良くないと思っても他の方が良いと言ってくれることも多いから、必ずしも自分の判断が全てじゃないんだと改めて思いました。

 

ラップバトルが好きになれない理由とは

――そもそも藤田さんが“今、一番脱げるシンガーソングライター”を名乗り始めたキッカケってなんだったんですか?

もともと歌だけでやっている時は“一人遊園地シンガーソングライター”って名乗ってたんですよ。遊園地にあるアトラクションみたいにいろんな楽曲を歌いこなせる歌手ってことなんですけど、わけわかんないですよね(笑)。“シンガーソングラドル”って名乗った時期もあるんですけどなかなか浸透しなくて……。で、去年CD(『EVIL IDOL SONG』)のジャケットでヌードになった時に、それが「FRIDAY」の袋とじになったんですよ。袋とじになるシンガーソングライターってなかなかいないじゃないですか(笑)。これは使えるぞと思って“今、一番脱げるシンガーソングライター”って名乗り始めたら、バラエティの現場でもクスッと笑ってもらえるようになって。

――“脱げる”って言い切ることの大事さですよね。

まさか自分が袋とじになる日が来るとは思ってなかったんで(笑)。もういいやと思ってます。

――最近は活動の幅も広がってますね。

パチスロとか麻雀とか、パチスロに関しては全然できないのにそれがウケてレギュラー番組を頂いたり、あとフリースタイルも始めてしまい……。

――藤田恵名 a.k.a МCビキニですよね。

なんかもうゴメンナサイというか、ここまできたら叩かれる覚悟で全部やろうと……。

――フリースタイルバトル参戦は、どういうキッカケだったんですか?

グラビアのマネージャーがラップ好きで、LINEのメッセージに女性ラッパーが集まる大会のサイトが貼ってあったんですよ。「これ出ろってことですか?」って聞いたら「出てみたら」って。

――そんなラフな感じで(笑)。

私はあれこれ器用にできる人間じゃないんですよ、本当に歌しかやってこなかったから。小さい頃に習い事もやってたんですけど、どれも極めたいという願望がなくて……、だからすごい中途半端で。

――なるほど。藤田さんのブログに「ラップに夢中になれず好きになれない事をМC正社員さん(戦極МCバトル主催者)に見抜かれてしまっている」と書いてあって、見抜かれてるんですね(笑)

そうなんですよ、そもそも人が言い合いしているのを見るのが苦手で……。私のおじいちゃんとおばあちゃんがよくケンカしてたんですけど、お互い難聴だから声も大きくて(笑)。だから『フリースタイルダンジョン』を見た時に、その光景が蘇ってきて。

――ご長寿同士のケンカシーンが(笑)。

出る度に憂鬱になってるんです。こんなにすり減るならマジでやめたいってマネージャーに言うと、「でも上手だったよ」とか「プロップスやばいよね」とか言ってきて(笑)。

――そういう時に褒めるんですね(笑)。

でもラッパーの皆さんと交流する機会が増えて、皆さん優しくて熱い人ばかりで。いつ自分が勝つか負けるかわからない状態でいるからこそ天狗になってる人もいないし、バンドだったら30分とか決められた時間がありますけど、1試合2分で終わる人とかもいるから、そこにかける思いが違いますよね。

――今後もバトル出場のオファーきたら受けますか?

音源出すよりバトルに出る方が恐怖だから、あえてその中に出ていくことでバトルに来る人にも音源を聞いてもらえるかもしれないので、オファーがあれば出ます!

――よかった(笑)。あとタレントの鎌田紘子さんと「人助け団体」を始めたそうですが、これはどういった団体ですか?

これはミスiD主催の小林司さんから「紘子ちゃんからエナメル(藤田さんのニックネーム)を呼び出せと言われている」といきなり連絡があって(笑)、行ってみたらお酒の勢いもあってか、紘子ちゃんが私への愛をすごく語ってくれたんですよ。その前から紘子ちゃんのことは知ってたんですけど、そこから急速に仲良くなって、「一緒に海外行きたいねー」とか「二人で写真撮りたいねー」とか話してたんですけど、「アフリカの子供に服送りたいねー」という話になって、「なんかいいことしたいね」、「人、助けない?」みたいな(笑)。徳を積んで余生を穏やかに生きようという話になって。

――急に壮大な話になりましたね(笑)。

あと「ホームレスの人にお酒をごちそうしたいねー」とか(笑)。それを動画にして話題になったら嬉しいなと思っていて。ガー子さん(藤田さんのバンドメンバー兼マネージャー)が言うんですけど「やらない善より、やる偽善」っていい言葉だなと思っていて、「人助け団体」って偽善っぽいけど、それをやることによって誰かが救われるなら別にいいよねと思っていて。今、紘子ちゃんが「宗教法人マラヤ」でCD1万枚を自転車で売り歩く“お遍路”企画をやっていて、それが落ち着いたらもっと動画を上げていこうと思ってます。

 

7月7日、8日はぜひ渋谷へ

――では7月7日渋谷WOMBでのワンマンライブですが、どんなライブになりそうですか?

1年ぶりのワンマンで、昨年よりは確実に活動の幅が広がっているので、来て下さる方が増えてくれたらいいなと。あと女性入場無料なので、女性の方にもたくさん来て欲しいし、新曲もここでやります。あと歌わなくなった昔の曲をメドレーにして歌ったり、いつものライブの熱量で出来たらと。7月7日は私の誕生日当日なので、いいスタートが切れたらいいですね。

――そして7月8日はLОFT9で打ち上げイベントですね。前回やって頂いた時は、撮影会用に持ってきた水着が「乳首が透けるから」という理由で着れなかったり、物販終了が朝7時だったり(笑)。今回も色々あるかもですね。

ほんとごめんなさい(笑)。物販はこのイベントの為にわざわざ遠くから来た方もいると思うと、ついつい話し込んじゃって、この人とこのぐらい喋ったから次の人も、となるとドンドン長くなってしまって……。

――いや、そういう所が藤田さんが愛されるポイントですよ。

話し込んでる自覚もなかったんですけど、ファンの方が少ない時期を味わってるから、早く物販を終わらせるのが恥ずかしくて……。だから一人一人丁寧にやるクセが付いちゃって。次回は気を付けます(笑)。


■メディア出演

2017年8月19日公開 映画「血を吸う粘土」出演
毎週木曜27時OA フジテレビ「佳代子の部屋」レギュラー出演中

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シンガーソングラドル(シンガーソングライター+グラビアアイドル)、ミスiD2017、MCビキニなど多方面で活躍する、藤田恵名のオリジナル・アルバム。自身が出演する映画の主題歌「私だけがいない世界」や、MCビキニ名義で歌う映画『怪談新耳袋Gメン』主題歌他を収録。

LIVE INFOライブ情報

■イベント情報
ワンマンライブ「あとはねるだけ」

2017年7月7日 渋谷WOMBLIVEにて開催
前売¥3500(イープラス,Famiポートほかで販売中)
女性無料

 

■藤田恵名のオールナイトトークライブ『もうねちゃうの?』

2017年7月8日LOFT9 Shibuyaにて開催

前売¥3,000 / 当日¥3,500(税込・要1オーダー500円以上)
前売券はe+にて発売中

 
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