阿佐ヶ谷ロフトAの名物イベント! プロレス芸人としてお馴染みユリオカ超特Qが中心となり、ゲストのプロレスラーから「ここでしか聞けない話」をじっくり聞き出すプロレストークショー『プロレス談話室ユリオカ』が、なんと今年で7年目に突入! 5・23の開催を目前に控え、ユリオカ超特Qにこれまでにゲストとして迎えた選手数名をピックアップして、振り返ってもらったぞ![interview:浜田貴之/構成:前川誠(阿佐ヶ谷ロフトA)]
中邑真輔
ユリオカ:トークショーでは他の選手のことをいろいろ伺いましたけど、中邑選手は試合相手のことをすごく細かく分析していたから、とても興味深い話をたくさん聞けました。ちなみにこの頃、中邑選手はすごい試合を連発していて評価が高まっていた時期でした。どんな相手でもプロレスを楽しんでいるように見えたし、相手が誰だとか関係なく俺の力量で試合をリードするんだという、そういう自信が出てきたように思える時期だったので、トークショーができて本当に良かったです。それにしても中邑選手、今やアメリカでも大人気みたいでね、昔とはまったくお客さんの反応が違うって中邑珍輔が言ってました(笑)。
オカダ・カズチカ
ーーオカダさんは、失礼かもしれないけどかわいらしい方でした。
ユリオカ:自然体なんですよね。天性のスターというか、愛嬌みたいなものがトークの場になると出てきますよね。「先輩みたいなやり方は古いですね」なんて普通に言うと生意気な選手になっちゃうのに、すごく自然体だから嫌味がない。あと、根性論的なものを一切見せないんですよ。本当は15歳からプロレスの世界に入って、新日本の練習についていくのとかすごい大変だったと思うんですけどね。
ーーそして、トークでは外道さんとの信頼感も見えました。CHAOS入りの経緯のお話も伺いました。
ユリオカ:アメリカから帰国した第一戦が余り評判良くなくて、メインイベント後に棚橋選手から「IWGPは遠いぞ」と言われてしまう。ところが外道さんだけは「金の成る木、こっち来い」とばかりに誘ってくれたと。でもね、「金の雨を降らせる」なんて、あんな大上段に構えたキャッチフレーズ付けられたら普通は手に余りますよ。それが今や文字通りの存在になってる訳だからすごいですよ。
KENTA/柴田勝頼
ユリオカ:このトークイベントのステージ上で、柴田選手がNOAH参戦を発表したんですよ。KENTA選手を裏切ったマイバッハ谷口選手への制裁を、柴田選手が「俺が代わりにやりますよ」と言って。それぐらい2人の関係性は深くて、ソウルメイトと呼び合う二人ならではでした。
ーー柴田選手は2回出演して頂いてますが、2回目はすごくリラックスされていた印象です。
ユリオカ:柴田選手はリング上の活躍と比例するんですよ。1回目のときはプロレスに戻ってきてすぐだったけど、2回目のときは新日本の中で確固たる位置を占めている時期だったのでトークもなめらかで。私もいろいろなレスラーの方とトークのお仕事してますけどね、リング上の活躍とトークの出来は比例するんです。試合の調子が良くなるとバラエティーでの活躍度もあがっていくんです。トークが得意じゃない人も、リングで活躍し始めると自信をもってトークし始めるんです。
真壁刀義
ユリオカ:真壁さんは昔からトークが上手いんですけど、今はもうタレントとしての経験値もありますから、例えば「最近どうですか?」と言うだけで面白い話をしてくれるんですよ。番組(『新日本プロレス大作戦DX』)でも一番共演してる人なんで、安心してやれました。ちなみに真壁さん、昔から他選手の分析が鋭いんですよ。番組のロケなんかに行った際、全然カメラが回ってないところで「あの選手どうなんですか?」なんて聞いたら「あの選手は昔こうだったけど最近こうで~」みたいな話を真面目にしてくれますよ。例えば昔、柴田選手が日本に戻ってきて井上亘選手が同期として迎えうったときも「俺はこれをきっかけに井上にブレークして欲しいんだ」みたいなことを力説されたこともありました。そして、やっぱり苦労してるんでね。今や隆盛を極めた新日本プロレスの、一番しんどい時期の方じゃないですか。何をやってもお客さんに響かないし、先輩達に理不尽なかわいがりを受けた最後の世代なんです。それは今の強さに繋がっていると思いますね。
鈴木みのる
ユリオカ:僕はね、もしかしたら芸人のなかで一番プロレスラーとトークの仕事をしているかもしれない。三沢さんだって蝶野さんだってやりました。そんな僕にとって鈴木選手とのトークは、異種格闘技戦のような気持ちでしたね。トークライブなのに、リング上で戦っているような。だからこそ達成感はありましたよ。本当に、一筋縄ではいかない男ですよ。ある意味リング上と同じでしたね。こちらが展開したいペースに絶対ノってくれなかった。簡単にいうと、こっちの質問に素直に答えてくれない。でも、面白い話はしてくれる。そこがスゴいんです。「世界一性格の悪い男」はやはりリングを降りても健在なんですね。試合ではリング上で戦いながら「お前より俺の方が上なんだ」と相手のプロレスラーに感じさせると思うんですけど、それをトークショーでも感じさせてくる。でもトークは私のホームグラウンドなんで、ノってるフリをしてこちらの手のひらで転がしてたはずなんですけどね(笑)。
ーーユリオカさん、終わったあとグッタリしてたじゃないですか(笑)。
ユリオカ:もしかしたら猪木さんとかカール・ゴッチもそうなのかもしれないですけど、リングを降りても鈴木みのるは鈴木みのるなんですよ。それであれだけのファンが集まるのは素晴らしいし、興味深い話をいっぱいしてくれましたね。ちょっと普通だと聞いちゃいけないようなお客さんからの質問にもどんどん答えてくれましたし。大変だったけど、感謝してますよ。自分の技量がひとつあがった気がしましたね。
本間朋晃
ユリオカ:本間さんはもうね、プロレスの話をしていたかどうか分からないんですけど、みんな笑ってましたね(笑)。「面白かった」っていう感想だけ覚えてるんですけど、何を言ってたか思い出せない(笑)。ただ、みんな大爆笑でした。あと、だんだん本間さんが何を言ってるのか聞き取れるようになってくるんですね。みんなのヒアリング力があがっていくという。
ーー唐揚げを食べるのが久々だとおっしゃって咳き込んでいたのを覚えてます。
ユリオカ:プロレス関係ないじゃないですか! でもすごいでしょ? 誰にでも愛される。愛され度ナンバーワンだと思うんですよ。僕、何度もお会いしてますけど、いつも謙虚で、会うたびに「(かすれ声で)ありがたいですね~。昔のボクからすると信じられないですよ。ありがたいですね~」っていつも言ってますよ……あ、結構モノマネ上手くなったな。
ーー(笑)。
ユリオカ:また元気になって是非トークショーに来て欲しいですね。
田口隆祐
ユリオカ:何が偉いって、タグチジャパンを結成して下ネタ以外の武器を見つけたのがすごいですよ。トークショーのときはまだ下ネタ多めだったんだけど、タグチジャパンになってちょっと変わったじゃないですか。とにかく新しいアイディアを出してくれて、何のテーマもないところにテーマを作って楽しませるっていう、一番大切なことをやってくれてますよ。
ーーキャラクターが変わるときって、海外に行くとかヒールになるとかいろいろきっかけがあるじゃないですか。でも、田口選手は何もきっかけがないんですよ。
ユリオカ:芸人の芸風についてもそうなんですけど、元々その人の中にあるものを拡大しないとキャラクターって作れないんです。その人の中にないものは、どうやっても無理なんですよ。だから田口選手もきっと、内面に溜め込んでいたものを出したんでしょうね。他の選手に聞くと「田口は昔からあんな人でしたよ」って口を揃えて言うんですよ。我々が知らなかっただけで、それを10年以上寝かせて来て、ここに来て花開いている。また今トークショーをやっても面白い話が聞けそうですね。今や試合の勝ち負けじゃない存在になっちゃいましたからね。だってタグチジャパンの指定強化選手に松井珠理奈がいるんですよ(笑)。どういうことなんだっていう(笑)。
飯伏幸太
ユリオカ:飯伏選手はリング上でカンペを持っているくらいで、あまり喋らないイメージじゃないですか。でも本当はものすごくいろいろ考えていて、他の選手のことを冷静に見ているんです。ただ、一筋縄ではいかない感性を持っていて、誰にも縛られない自由なところもあるから、私も昔から知ってはいるけどまだまだ分からないことだらけなんですよ。だからこそ面白い話が聞けると思いますね。ドイツで身体に花火を打ち込んで、焼けただれてましたけど……阿佐ヶ谷ロフトは花火禁止なんですか?
ーー禁止です!(笑)
ユリオカ:じゃあよかった(笑)。まあどちらにしても、飯伏選手は特にここだけしか聞けない話をしてくれると思いますんで、楽しみにしてもらって間違いないですよ!
HISTORY
『プロレス談話室ユリオカ』
過去のゲスト
2011年
4月1日 KENTA/愛川ゆず季
10月7日 小橋健太
2012年
4月3日 中邑真輔/栗原あゆみ
11月7日 棚橋弘至
2013年
4月2日 オカダ・カズチカ
11月14日 KENTA/柴田勝頼
2014年
4月17日 真壁刀義
11月13日 丸藤正道/小峠篤司
2015年
4月21日 鈴木みのる
11月12日 柴田勝頼
2016年
4月12日 本間朋晃
12月3日 田口隆祐
※2011年4月1日は「ユリオカ超特Q 聖誕祭イベント」として開催