前代未聞! 楽しくって美しくって汚くって優しくって切なくって心揺さぶるメロディーとリリックが特徴(公式HPより)の巣鴨発・<スガモッシュパンクバンド>『イギリス人』のバンジョー&リーダー担当サコ、a.k.a.懲役八年による初の一人レギュラー仕事『イギリス人サコのトークライブ、サコトーーク!!』の開催決定を記念し、サコさんと同じくメンバーの黒沢ビッチたつ子りんさん、ゴッサム武志さんにお話を聞いた。[interview:日野弘美(Naked Loft)/協力:大塚智昭(新宿ロフト店長)]
ロフトと武道館と、東京タワー
―最初からバンドをしようと思ったんですか?
黒沢ビッチたつ子りんさん(以下、たつ子りん):もともと音楽もお笑いも凄く好きで、テレビではお笑いばっかり見ていたんですが僅差で音楽をすることの方が好きだったんですよ。やろうと思えばどっちもやっていたかもしれません。
―音楽を始めて、新宿ロフトに出たいと思うキッカケになったバンドはありますか?
サコ、a.k.a.懲役八年(以下、サコ):好きなバンドのほとんどはロフトに出ていますよね。
たつ子りん:そう。というか、地方に住んでいたのでロフトと武道館しか知らなかったんですよね。とりあえず上京した時も、ロフトと武道館は登竜門だと。
サコ:まあ、武道館はライブハウスじゃないけどな(笑)。
たつ子りん:いやそれくらい分かんなかったんですよ。武道館はロックバンドが出るイメージしかなかったので、氷室京介さんが「ライブハウス武道館にようこそ!」って言っていたのもギャグだって分からなくて。武道館が武道をするところだって知らなかったんですよね(笑)。
―上京してすぐに、今のようなバンド活動を始めたのですか?
たつ子りん:本当に何も分からず上京したんですよ。まず、どこに行ったらいいのか、どこにライブハウスがあるのかも知らなくて。地元のライブハウスと仕組みも違うので、本当に分からないことばかりで。
―そんなに突然、上京を決めたのですか?
たつ子りん:高校生の時からロリータ18号とかが好きで東京までライブを観に行っていたので、音楽活動を始めたら必然的にいつかは東京に行くんだなと思ってました。地元で音楽活動をしてた頃にテレビの取材を受けて、ロンドンブーツの特番に出ることになったんですよ。撮影で上京した時にADさんが東京タワーに連れて行ってくれたんですよね。その時、東京でやってみたいと決心しました。スカイツリーができた今でも、東京タワーの方が「でっかいなー」って思います。
サコ:かっこいいしな。
たつ子りん:そう! その時のことはよく思い出しますね。電車で移動した方が早い距離なのに、芸能人だからタクシーに乗らなきゃいけないとか。なんか普通の人が芸能人を見るのとは違う角度から見られて、こういう世界に片足を突っ込んだんだなーって思ったら感動しました。
東京に来て最初にしたのは友達作り
―上京して最初にしたことは何でしたか?
たつ子りん:知り合いが誰もいなかったので、友達作りから始めました。アパートの隣の部屋のチャイムを鳴らして話しこんだり(笑)。
サコ:それは、おまえが特殊だよ!(笑)
たつ子りん:いや、「自分が歩けば風が吹く」だよ。
サコ:誰だよ(笑)。
―(笑)。東京って隣に住んでる人も分からないし、挨拶したりしないイメージなんですが…怖がられませんでした?
たつ子りん:そういう人もいるかもしれないけど、東京には自分と同じように地方から来ている人もいっぱいいるんですよ。なので、なるべく沢山話しかける! そうしたらだんだん人の繋がりができてきました。そんな感じでUK PROJECTに勤めている方とたまたま仲良くなって、ロリータ18号が好きだって言ったら、じゃあ、一緒にイベントやろう! ってなり、その中に先輩の「ゲンドウミサイル」がいて、その人の繋がりでロフトに出られるようになりました。だから、ちょっとずつ、ちょっとずついろいろなピースが重なり合って新宿ロフトにたどり着きました。
―それから自主企画を開催など…順調に?
たつ子りん:いや、順調ではないですね。
サコ:初めての新宿ロフトのライブも、ギターはサポートでしたし。
たつ子りん:その時『東京グラフティ』って雑誌のカメラマンが来てて、撮りたい! って言ってくれて、紙面に載れたりして。少しずついろいろな人が協力してくれて今に至ります。でも、自主企画をするってことは、それだけ困ってるってことですからね(笑)。
サコ:そう! ニュースがないってことだから(笑)。
たつ子りん:「何かやんなきゃ、何かやんなきゃ!」ってなっている状態なんですから(笑)。絶賛下積み中です!
―新宿ロフト『一週間ブチ抜きフリーライブ』はどうして開催しようと思ったのですか?
たつ子りん:「何か面白いことをやれないかな?」って大塚さん(新宿ロフト店長)と話してて、その一つとして案が出ました。最初は5年前に開催したんですが、それがめちゃめちゃ大変で(笑)。
―そんなに大変なのに、何でやり続けるのですか?
たつ子りん:正直、「やりたくねぇ」とは思いましたよ! 疲れるし。でもスポーツと一緒で、サッカーの試合後って、疲れたけどまた次の試合が楽しみになる。「疲れる=楽しくない」ではないと思うんですよ。だってそういう生活をしたくて上京しているんで。毎日ライブやって、好きな人と話して飲んだくれて、起きたらライブだって。この瞬間は夢が叶ってる瞬間なんですよ。
―トークイベントについてやファンのみなさんに一言お願いします。
サコ:イギリス人のファンの皆さんも、最初はルックスでトムだったり、貴文だったりから入るんだろうけど、噛めば噛むほど味わいが出てくるのってなんだかんだで俺だと思うんですよ(笑)。ずっと噛み続けられる!
たつ子りん:お前、外見も性格も悪いけどな。
サコ:たつ子相手に性格の良いとこ出して何の得があるんだよ! 出さねえだろそりゃ!
―仲良いですね~(笑)。
サコ:…こういう時だけですよ。
たつ子りん:終わったら「お疲れしたー」ってすぐ別れますから(笑)。
サコ:来る時も車で来ましたが、武士を介してしか話してないし。こいつから電話かかってくると何か嫌な感じしますもん。
たつ子りん:俺も、電話かかってくるときって大体遅刻してる時だもん。鬼から本当の鬼電がかかってくる。どっちかと言うと青鬼(笑)。
―では比較的、たつ子りんさんの方がしっかりしているんですね?
サコ:いや、してないっすよ! トークライブではたつ子がいないんで、どれだけ俺が生き生きと話しているかをお楽しみください!
たつ子りん:そうそう、初回に俺は出ないけど、俺の友達がMC頑張ってくれるから。みんな楽しんで!
サコ:はははっ、なんだよ気持ち悪い。
たつ子りん:…ちょっとみんなの耳、俺の友達に貸してあげて。
サコ:こいつ、こういう気持ち悪い終わらせ方が好きなんですよ(笑)。
※結局、一言も発しなかった武志さんは、一心不乱に「ドラムを叩くエルビス」の絵を描いておりました。その絵がこちらです。