Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューShinpei Tanaka(Hairdresser)(web Rooftop2016年11月号)

ジャンルに囚われず、国内外の様々なアーティストのヘアを手掛ける

2016.11.21

ジャンルに囚われず国内外の様々なミュージシャンやアーティスト、俳優等のヘアメイクを手掛けるHAIR DRESSERのSHINPEI TANAKAへの特別インタビュー!(interview:大塚智昭(新宿ロフト) / shot : yokna hasegawa )

ヘアスタイルって変身願望を一気に叶えてくれるモノ

ーまずヘアメイクになったきっかけはなんだったんですか?
 
Shinpei (以下、S): ロックミュージシャンのヘアを創る人になりたかったんです。自分はヘアメイクと美容師を並行してるんですけど、まず美容師としてキャリアをスタートさせてるんですね。
 
14歳くらいから音楽にのめり込む様になってって色んなCDを聴き漁ってて。オタク気質なんでアルバムのクレジットまで読み込んでたんですけど、そこにstaff listとか書いてあるじゃないですか? そこでヘアメイクって職業がある事をまず知ったんです、普通の美容師じゃなくてミュージシャンのヘアを創る職業があるんだって。
 
当時は音楽好きだったけど、すぐに楽器を始めてバンドをやろうとはならなくて。それよりも視覚的な部分で憧れを持って、単純にロックミュージシャンみたいになりたいって気持ちが強かったんです。で、そうゆう風に視覚的な部分で考えた時にヘアスタイルって変身願望を一気に叶えてくれるモノだって思って、自分のヘアスタイルにこだわる様になったんですね。
 
だから始めはヘアメイクアーティストになりたいってゆうよりかは自分自身の変身願望を叶える為の存在としてヘアを捉えてました。
 
そんな中、成長するにつれて自分に合ってるのはミュージシャンってゆうよりも裏方的な存在かなって感じ始めて、ヘアメイクってゆうモノを仕事というかポジションとして意識する様になりましたね。
 
ー裏方って一言で言っても、他にも楽器のテクニシャン、マネージャーだったり色んなポジションがありますよね?その中でもヘアメイクを選んだ理由は何故なんですか?
 
S ヘアメイクがイチバン、感性がアーティストに近いと思ったんです。
 
バンドもやってみたんですけど曲をどうするってゆうより、何を着てどんな髪型でステージに立つかを考えてばっかりで。 音楽と同じくらいにヘアを含めたファッションが好きだったので、ミュージシャンとして音楽を作るよりミュージシャンのイメージを創っていく方が楽しいなって気づいたんですね。
 
でヘアメイクって裏方っていっても、そうゆう面でアーティストと一緒に作品を創る、表現するって要素が強くてそこに面白さを感じたんです。
 
ーなるほど。裏方とは言いつつも、新宿LOFTで"salon de petite"と銘打ってヘアメイクやカットのイベントをされてましたが、それはどうゆう意図で?
 
S 初めは単純にライブハウスでヘアカットやヘアメイクをするって事を誰もやってなかったんで面白そうだなって思ったんですけど。
 
自分のことを思い返して、ミュージシャンに憧れて髪型真似したい!て思った時にそうゆう髪型にしてくれる美容師いなかったな、と。コンサバティブな髪型ばっかり切ってる美容師だとロックミュージシャンみたいな髪型を作れないんですよ。何でこうゆう髪型にしてくんないだろって、ずっと不満で。それもあって自分で美容師になろって思ったんですね。きっと今の子達もそうゆう風に思ってる子いっぱいいるだろうなって思って、だったらアーティストのヘアメイクを手掛けてる自分からそっちに近づこって。
 
ライブハウスに遊びきて好きなアーティストのヘアメイクに髪を切ってもらう、メイクをしてもらうって凄くドキドキするだろうし、忘れらんない体験になるんじゃないかと思って。
 
image2.JPG
 
ーオーダーはやっぱり、好きなアーティストの髪型にして欲しいってゆうのが多かったんですか?
 
S いや、実際全然そんなことなくて、自分もびっくりしました。(笑)
 
お客さんが自分のこだわりとか好きな感じをちゃんと伝えてくれて、その上で僕の感性に任せますって人が多くて楽しかったですね。初めて会うのに最初から信頼しきってくれてる人ばかりで、バッサリ切ってくださいとか似合う感じにしてくださいってオーダーが多かった。そこは嬉しい誤算でしたね。
 
で、あれを新宿LOFTでやれたってゆうのが自分の中で凄く大きかったですね。他のライブハウスじゃなくてLOFT ってゆうのが。最初に知ったライブハウスだし、子供の頃に憧れた人達がステージに立った場所なんで、やっぱり特別なんですよね。そこで自分がパフォーマンスをする立場になった事は大きな意味があったというか。自覚してなかった夢が叶った感じですね。
 
あんな事してる美容師やヘアメイクいないし、ある意味で自分の特異なポジションが1つの形になったような気がします。
 
ー前後しますが、美容師やヘアメイクのキャリアはどのように積まれてったんですか?
ヘアメイクになるうえで資格とかはとったんでしょうか?
 
S ヘアメイクとして仕事を始める前に美容師として働き始めたんで、美容師としての国家資格はとりました。ただ美容師は働くにあたって資格が必要なんですけど、ヘアメイクって厳格な資格が必要ないんですね。極端な話、髪をいじったりメイクが上手に出来るのであれば誰でも出来ちゃうんですよ。
 
ー基礎知識は学校で習うものなんですか?
 
S そうですね、ただ美容学校ってゆうのは国家試験の対策しかしないので。本当に使える技術の基礎は美容師になってから、就職先の美容院で習うモノなんですね。
 
自分の場合はたまたま、初めて就職した美容院がla.mamaに出てるロックミュージシャンがたくさん通うお店で。THE YELLOW MONKEYのHeeasyさんとかそこに通うミュージシャンの方達が音楽好きな僕の事を可愛いがってヘアメイクの仕事を振ってくれて、美容師とは別にフリーランスとしてヘアメイクのキャリアがスタートしてった感じです。
 
ヘアメイクになる人は美容師になってからヘアメイク事務所に入るパターンが多いので、自分みたいにいきなりフリーランスで仕事をするのはちょっと特殊かもしれないです。
 
ー何歳からヘアメイクとして仕事を始められたんですか?
 
S 20歳そこそこですね、10年くらいになります。
 
ー現在、多くのアーティストを担当されてますが、アーティスト達とはどう出会っていったんでしょう?
 
S 勤めてきた美容院がどのお店もミュージシャンのお客様が多かったので、そこでの出会いもあったんですけど。少しづつ美容師としてのキャリアも積んで技術も身につけてきたら、それ以上に自分でライブを観に行って、かっこいいと思ったアーティストに売り込んでったんです。小さいライブハウスだとメンバーと話すチャンスとかもあったのでそうゆうタイミングを見つけてですね。
 
その時期、というか始めに声をかけたのがlloyとゆうバンドで。lloyでベースを弾いてた八田敦さんが以前やってたhatehoneyのファンだったので、必死にアピールしました。本当にメンバーが優しくしてくれたおかげで関係を深めてけて、その結果、lloyと親交のあるミュージシャンとも関係を築いて今、担当してる人達とも繋がっていきました。lloyはミュージシャンのファンが本当に多かいので色んな人達と知り合えましたし、美容院の中しか知らなかった自分に物凄く刺激を与えてくれましたね。感謝してもしきれないし、自分のヘアメイクとしての起点です。
 

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