Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー石井モタコ(オシリペンペンズ)(Rooftop2016年9月)

ニューアルバムはバンド初のインストアルバム!

2016.09.01

 関西を拠点に活動するバンド・オシリペンペンズ。9/10にリリースする新譜『天使かな妖精かな』は、漫画家・大橋裕之主演の話題作『あなたを待っています』の劇判を含むバンド初のインストゥルメンタルアルバム! バンドの新たな側面を見せる作品の発売を前に、バンドのボーカル・石井モタコを直撃! ロフトプラスワンウエストとも縁の深い彼に、新譜と愛して止まないカンフーについて伺った。[interview:平松克規(Loft PlusOne West)]

新譜『天使かな妖精かな』

——ニューアルバム『天使かな妖精かな』のリリース、おめでとうございます。オシリペンペンズとしては初めてのインストアルバムだそうですが、本作はどのような経緯で制作することになったのでしょうか。
 
石井:全ては漫画家のいましろたかしさんがキッカケなんです。いましろさんは、昔からペンペンズのライブをよく観に来て下さって、僕らのことをすごく好いてくれてたんです。そんないましろさんが、映画の原案・企画をすることになって…。
 
——それがこれから公開される映画『あなたを待っています』なんですね。
 
石井:はい。プロデューサーの松江(哲明)さんや山下(敦弘)監督とか、いましろさんを慕う人達がドンドンと集まって。僕らはいましろさんと関係性もあるし、うちのドラム(道下慎介)が松江さんが監督した『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』(テレビ東京系列で放送されたフェイクドキュメンタリードラマ)に出てたり、バンドとして山下監督の『味園ユニバース』(2015年)に出演したり、いろんな角度で繋がりがあったので、劇判という形で関わることになりました。
 
——劇判の制作というのは初めてだったんですか。
 
石井:うちのギター(中林キララ)は舞台の劇判を作ったりはしてたんですけど、ペンペンズとしては初めてでしたね。
——劇判と普段の制作では、違いはありましたか。
 
石井:普段は僕がメロディと歌詞を考えているんですけど、今回はみんなで適当に音を出すところからスタートしました。バンド3人とも仲が良いんで、楽しく出来ましたね。
 
——制作はどのように進んで行ったんですか。
 
石井:映画を観る前に、いましろさんから「悲しい感じで」「朗らかな雰囲気で」みたいなオーダーがあったので、まずそれに合わせて30、40曲くらい作ったんです。それをいましろさんにプレゼンして、良さそうなのを一緒にスタジオで練り上げて行きましたね。だから今回のアルバムに、いましろさんはプロデューサーとしてクレジットされているんです。
 
——本当にいましろさんが深く関わっているんですね。映画はご覧になられましたか。
 
石井:はい。音のついたバージョンを観たんですけど、本当にチョイスして使ってくれたなって感じです。「なんでこんなことを漫画にしたん?」「これ描かなアカンかったん?」っていう、いましろ漫画特有の面白さがそのまま映画になってました。笑っちゃう仕上がりなので、是非観て欲しいですね。
 
——このアルバムは劇判以外の作品も収録されてるんですよね。それは収録時間の問題ですか。
 
石井:いや、折角作ったんだから入れちゃおうぜという。それに映画のサウンドトラックじゃなくて、オシリペンペンズのニューアルバムとして出したかったんです。映画のサントラって、映画を観てくれた人しか買ってくれなそうじゃないですか。そうなると売れないんじゃねえかと。商売っ気を出しました(笑)。今聴いている音楽に飽きている人がいたら、「こんなバンドもいるんや」って手を伸ばして欲しいですね。
 

愛して止まないカンフー

——今後はどのような活動をしていく予定なんですか。
 
石井:もう次のアルバムを作ってますね。『天使かな妖精かな』で作った曲に歌詞をつけたら面白いんじゃないかと思ってて。あと10月に東京に行くんですよ。
 
——東京ですか。それはまた何でですか。
 
石井:まず「東京に一度住んでみたい」って気持ちがあったのが大きいですね。あと、こうして映画に絡んだアルバムも出せたし、もし東京にいたら仕事の幅も広がるんじゃないかと。バンドを始めて17年目のことなので、周りからは「10年遅い」と言われてますが(笑)。まぁ一度しかない人生なんで。
 
——東京ではどのようなことをしたいんでしょうか。
 
石井:なんでもやっていきたいですね。バンド活動以外にも、時々雑誌に漫画を描いたり、役者もしてたりするので。あと大阪でやってるようなカンフー映画に関するトークイベントもやりたいです。
 
——当店でもアジアンアクションについて語るイベント、『V-ZONE番外編「アジアンアクション映像祭!危機一髪!」に出演されていますもんね。カンフーはお好きなんですか。
 
石井:もうメチャクチャ好きですね。5、6年くらい酔拳も習ってますし、ロフトプラスワンウエストがオープンする前には、別のライブハウスで『カンフー映画ナイト』っていうイベントを自分主催でやってましたから。オシリペンペンズでジャッキー・チェンの曲を演奏したり、僕がカンフー映画を紹介したり、演舞を披露したりしてました。
 
——オシリペンペンズの皆さんもカンフー映画がお好きなんですか。
 
石井:いや全然(笑)。無理矢理練習させて、無理矢理出てもらいました。服も中国っぽいのを着てもらって…。
——ホント仲が良いですね(笑)。ジャッキー・チェンが特にお好きなんですか。
石井:はい。周りの人もジャッキーの疑問は僕に聞きに来ますね。もう好き過ぎて、木人としても活動してますから。
 
——も、木人として? どういうことですか。
 
石井:(写真を見せて)こういうことですね。手作りなんです…。
 
石井モタコ(木人).jpg
 
——着るタイプなんですか!? これで普段どういった活動を…。
 
石井:DJですね。
 
——この手だと回せなくないですか。
 
石井:ちょっとだけ手を出してボタンだけを押すスタイルです。
 
——(笑)。曲もカンフー関連なんですか。
 
石井:最初はそうしてたんですけど、若い子が知らない曲ばっかりですから、盛り上がらないんですよ…。何とかカンフーを盛り上げて行きたいんですけどねぇ…。
 
——そのためのイベントでもありますもんね。過去2回の『アジアンアクション映像祭!危機一髪!』では、どのようなことを喋られたんですか。
 
石井:1回目は香港映画版『ネバーエンディング・ストーリー』みたいなのを紹介して、2回目はジャッキー主演の『少林寺木人拳』がどのようにして出来たのかを紹介しましたね。あと偽ブルース・リーが北京原人みたいなのと戦うZ級の変な映画を流したりもしました。
 
——そういうキワモノもお好きなんですか。
 
石井:いや、もう苦しんで観てますよ(笑)。カンフー映画は好きなんですけど、やっぱり全てが面白い訳じゃないんです。でもカンフー映画を普及するために、「こういうのもあるよ」って形で紹介しています。
 
——次回はどんな作品が紹介されるのか楽しみにしております。それではイベントに来ようか迷っている読者の方々へメッセージをお願いします。
 
石井:ジャッキー・チェンやブルース・リーを知っている人は多いと思うんですけど、それ以外にもカンフー映画があることを教えるので、少しでも引っかかるものがあるなら来て欲しいですね。あとジャッキー好きには是非集まって欲しいです!
 
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オシリペンペンズ「天使かな妖精かな」

発売日:2016年9月10日発売
価格:1620円
発売元: こんがりおんがく
品番:KONG-015

LIVE INFOライブ情報

9月26日(月)
V-ZONE番外編「アジアンアクション映像祭!危機一髪!Vol.3」
OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥1,600 / 当日¥2,100(共に1オーダー必須(¥500以上))
前売券はイープラス&電話予約にて!
※ご入場はイープラス→店頭電話予約→当日の順となります。
電話予約→ 06-6211-5592(16時~24時)
 
【出演】
石井モタコ(オシリペンペンズ)
UE神(ハイスピードプロパガンダ、 TheSWAG )
尾崎テロル(テロファクトリー、ざxこxば)
小林タクオ(ロフトプラスワン・ウエスト)
 
映画『あなたを待っています』
2016年9月24日(土)からポレポレ東中野で公開
企画・原案・アニメーション:いましろたかし
プロデューサー :松江哲明、山下敦弘
監督・脚本:いまおかしんじ
音楽:オシリペンペンズ
エンディングテーマ:坂本慎太郎“めちゃくちゃ悪い男”
出演:大橋裕之、山本ロザ、守谷文雄、姫乃たま、他
 
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