ニュータイプの「ドピュメンタリー」映画!?
──月並みですが、この映画をどんな人たちに見てもらいたいですか。
伊藤:俺は息子に見て欲しいですね。お父さんは昔、格好良かったんだっていうのを知って欲しい。
渋川:勝手に昔の話にしてるじゃねぇかよ(笑)。
伊藤:あと、同じバンドマンには見て欲しいですね。
川口:僕はこの作品をバンド好きじゃない一般の人たちにもアピールするにはどうすればいいのか、ずっと考えてるんですよ。
渋川:そうですよね。バンドマンにアピールするのは簡単だろうし。
川口:自分としては、バンドマンだけに通じる作品にはしてないつもりなんです。だから欲を言えば、子どもとか若い人たちにも見て欲しいんですよ。たとえば高校の授業とかで見てもらえたら嬉しいですね。
伊藤:道徳の授業とかで?
川口:見てもらえるはずないけどね(笑)。でも、学校では教えてくれないことと言うか、こういう生き方や考え方もあるんだっていうのを伝えられると思うんです。
伊藤:ちなみに、俺のなかでは第2作の構想がすでにあるんですよ。タクシーがタイムマシーンになって、いまの俺たちが昔の自分たちに会いに行くっていう。そこでカンフーを教えるんです。昔、『オヨビでない奴!』ってドラマがあったじゃないですか。ああいうのを作りたいですよ。
川口:もし第2作を作るなら、もうドキュメンタリーの部分はなくてもいいよね。
渋川:ああ、全編劇映画で行くんだ?
伊藤:CGとアニメーションを駆使してね。
川口:誰が作るんだよ!?(笑) でも、この作品に刺激を受けて彼らの映画を作る若い人が出てくれば嬉しいですね。
──この映画が大ヒットしたらどうしますか。全部パチンコにつぎ込みます?(笑)
川口:バンドに印税は入るかもしれないけど、監督の実入りなんて微々たるものですからね(笑)。これをきっかけに彼らが売れたら嬉しいですよ。でも、伊藤くんたちは売れてもあまり変わらない気がしますね。
伊藤:変わらないですね。
川口:いずれにせよ、この映画がヒットしないことには第2作はないよね。
伊藤:いや、諦めたら負けですよ。
川口:別に諦めてるわけじゃないよ(笑)。
渋川:地味に作ればやれますよね。
伊藤:タクシーは段ボールで、下から足が出てるのでいいんで。
川口:もし第2作があるなら、その時はKEEくんに一番最初に出てもらいましょうか。
渋川:やりますよ、それはもう。
伊藤:今度は俺役で出て欲しいな。
渋川:お前の役かよ!? ○○をやらなきゃいけないのかぁ(笑)。
川口:実は、KEEくんに言ってもらうセリフをひとつだけ忘れてたんですよね。最後に伊藤くんがいなくなった後に「なんとなく似てるからいいか」って言って欲しかったんです。伊藤くんとKEEくんはなんか雰囲気が似てるので。
──本作は純然たるドキュメンタリーじゃないし、フィクションとノンフィクションのパラレルワールドが楽しめるユニークな映画だから、内容が分かりやすく伝わるようなキャッチコピーが何か欲しいですね。
川口:うーん、何だろう。「ニュータイプのドキュメンタリー映画」とか?
伊藤:ニュータイプ? ニュータッチでもいいですよ。
──それじゃカップ麺ですよ(笑)。
伊藤:「ジャンルを超えたドランク・ムービー」? なんか違うな。「ドキュメンタリー(嘘)」でいいんじゃないですか?
渋川:ドキュメンタリーとフィクションを掛け合わせて「ドキュション」っていうのはどうですか? 「ドキュ」っていう音もなんかいいし。「ドキュ」がアリなら「ドピュ」もいいよね(笑)。…そうだ、「ドピュメンタリー」がいいよ!(笑)
伊藤:いいね、それで決まりだ(笑)。
川口:じゃあ僕は、ドピュメンタリー映画の先駆者ってことで(笑)。そんなんじゃ誰も後に続きませんよ(笑)。