Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【完全版】中島卓偉×将(A9)(Rooftop2016年6月号)

5月に続き、中島卓偉が新宿LOFT40周年公演に2ヶ月連続で出演! 今回は新宿LOFTに初出演となるA9との2マン!!

2016.06.14

音楽を長く続けていく信念とは…

——音楽活動を長く続ける秘訣は何だと感じてますか?
卓偉:いやいや、それ、先輩に聞きたいですけどね(笑)。本当、気付いたら頑張って17年やってこれたっていうだけで。順風満帆だったかって言ったら、そうじゃないですしね。いやむしろ将くんに聞きたいですけどね。やっぱ独立はすごいよ! その話を聞いた時は「さすがだな」って思ったもん。そういうことが出来るとしても勇気がなくて踏み出せない人もいるじゃないですか。大きな組織の中にいる方が楽だっていう人もいるでしょうし。やっぱり全部やらなきゃいけないですもんね。すごく大変なことだなって思いますから、そこをすごく尊敬してますよ。
将:いやいや。ちょうど僕らがメジャーでCDを出すようになって数年経ったくらいから、CDが売れないっていう空気感が業界の中で蔓延して。でもこうすれば少しだけ枚数が上乗せ出来るって、イベント商法だったりとかがやられ始めた時期だったので。それがテンプレート化し過ぎて、バンドが消耗してるっていう感覚が半端無かったので。「絶対に俺たちはやれるから」とか「独立して美味しい思いをしてやろう」とか、そういうところを全く越えて、自己防衛として、お客さんへの誠意もあるし、自分たちが少しでも長く音楽をやるために、逆に独立しないといけないなって思った感じだったんです。
卓偉:いろいろバンドの中で話もあったと思いますけど、オリジナル・メンバーでやってるっていうのが、素晴らしいと思いましたね。みんな仲がいいでしょ?
将:はい、仲はいいと思います。
卓偉:ステージを観てて、信頼し合ってやってんだなって思いました。やっぱり仲が悪いバンドのライブを観ても面白くないんだよね。絶対ここのギターとドラムは仲が悪いなーみたいのがあると、お客さんも分かってきちゃうと言うか。お客さんが割れ出したりすることがあるじゃないですか。バンドという一つのものを愛してくれてるお客さんがいるっていう感覚で言うと、何よりメンバーが楽しくやってるってことが重要だったりするので。それがすごく羨ましかったですよ。で、質問って何でしたっけ?(笑)
——(笑)音楽を長く続ける秘訣を教えてください。
卓偉:それはもう、我々よりももっと長く続けてる人に聞いてみたいよね。何とも言えないですね。
将:そうですね。
——では、ここまで続けてこれたのには、こういう信念があったというのはありますか?
卓偉:信念で言うと、結局どこまで行っても音楽ファンなので、音楽が好きなわけですよ。音楽を作って書いて、ライブでパフォーマンスしてっていう当たり前のサイクルがすごく好きなんですよね。だからそれを続けて行こうっていう強い信念が、昔からも今もあるっていう、それだけだったような気もしますけどね。今日までを考えればですけど。将くんはどうですか?
将:自分は、メンバーとはビジネス以前に友達になっちゃったんで、それが良い時もありますし、逆に甘さが出ちゃう時もあるので、良いとも悪いとも言えないんですけど、長く続いている理由は、例えば自分と価値観が違うことでも「君がそう言うんだったら、今回はいいんじゃない」って気持ちをお互い持って、尊重出来る感じでバランス取ってやってこれたから続いてるのかなって思います。
卓偉:なるほどね。そういう関係でいれるのは一番いいと思いますね。どうしても自分が持っている100を120出そうとして、相手を説得に掛かってしまう場合があるじゃないですか。で、受け入れる方も段々それが苦しくなってくる場合もあるし、そういうパーセンテージが5人それぞれあるっていうのはいいですね。一番それがストレスにならないやり方かもしれないですね。「前は俺がこんだけ我慢したから、次は俺の言うことを聞けや」みたいな、口では言わないにしてもそういうやりとりもあるんですか?
将:いや、押しが強い人と強くない人とで分かれてますね。でも譲ってる人は、根が優しい感じなので。
卓偉:いいんじゃないって言えるってことですね。
将:はい、言える感じですね。
卓偉:そういう風に言えるメンバーがいる方がいいんだよね、またね。それも大事なんだよね。そういう人間関係は素晴らしいですよ、本当に。
将:それで上下関係になってないので。
卓偉:いいよね。そこで縦になっちゃうとね。
——お互いが信頼し合ってるからこそ、相手の意見を尊重出来るってことですよね。信頼出来てなかったら、「じゃあ」って思えないですよね。
卓偉:思えない。僕がアマチュアの時にやってたバンドは、自分よりメンバーが3つも年上で、自分だけが年下で。でも自分しか曲が書けないっていうバンドで、人気が出てくると先輩たちが調子にノるわけですよ。そういうのが苦しくなっちゃって。何でこんなに自分が頑張ってバンドを動かそうとしてるのに、こういう先輩たちが重荷になって意見も合わないし、突っぱねられるしどうなんだっていうストレスがずっとあって、ある時に僕がブチ切れたら、解散になっちゃった(笑)。
一同:(笑)
卓偉:やっぱりそういう風になっちゃうんだよね。だからそういう風になんないように、ガス抜きさせるメンバーがいたり、上手くまとめる人がいたり。リーダーだから分かると思うけど、そういうのがあるからバンドって回ったりするよね。5人個々のパーセンテージでやらないと、やっぱり難しいですよね。
 
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新宿LOFTの印象

——今年の10月で新宿LOFTはオープン40周年を迎えるんですが、いろんなライブハウスにご出演している2人から見た新宿LOFTの印象ってどういう感じですか?
卓偉:僕は福岡出身で、福岡にいる時から雑誌で見たり、ライブをやられてる写真でチェッカーフラッグのイメージとかがあって、新宿LOFTっていう名前は知ってたわけですよね。それくらい日本全国から見てもバンドマンからしても、影響力があるライブハウスなんだなっていう第一印象ですね。古くはBOØWYがやってたとか、そういう歴史もあって、いろんな人たちがやられてたっていう事実も残っているわけですしね。上京してきて初めて新宿LOFTに来た時は、ここ(歌舞伎町)ではなく小滝橋の時で、16歳くらいだったんですけど、昼の部と夜の部に分かれていて、夜の部はまだ未成年は入っちゃいけないっていうノリだったんですね。でも入り口の前に立った時とかは、「すごいなー」って、背筋が伸びるような思いでした。僕はそういう印象ですね。
将:僕は父がドラマーとして前(小滝橋)の新宿LOFTに出ていたらしいので。
卓偉:あっ、そうなの!?
将:はい。「BOØWYの次の日に俺は出てたんだ」とかって。次の日は全然自慢にならないんですけど(笑)。
一同:(笑)
将:自分が出るって知ったら、喜ばれそうです(笑)。移転されてからですけど、初めて新宿LOFTに出れるので。
卓偉:あっ、今回が初めてなんだ! 他のメンバーも?
将:だと思います。憧れの人と憧れのステージに立てるので楽しみです。
卓偉:いやいや、恐縮です。
 
 
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Photo:大参久人
 
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LIVE INFOライブ情報

SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY
master+mind 〜Sense of Pulse #09〜
2016年6月16日(木)新宿LOFT
OPEN 18:15 / START 19:00
前売り 4500円 / 当日 5000円(共にD別) ※未就学児童入場不可
【出演】
中島卓偉 / A9
《中島卓偉 musicians》Guitar生熊耕治 / Bass鈴木賢二 / Drums石井悠也
【チケット発売(Cチケット)】
LOFT店頭・ローソン(L:73348)・e+にて発売中!
【入場順】
FC-A&Bチケット(受付終了)の各No.001〜の並列→Cチケットの各No.001〜の並列
【主催・企画・制作】
新宿LOFT / master+mind
【master+mind HP】
【新宿LOFT40周年特設サイト】
【お問い合わせ】
新宿LOFT 03-5272-0382
 
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