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9mm Parabellum Bullet(Rooftop2016年5月号)

どれもリード曲になり得る楽曲のクオリティ

──性急なビートが暴走する「火祭り」は炎がモチーフだったんですか。

かみじょう:僕の田舎に「どんぶや」っていう特殊な祭りがありまして、お盆の迎え火、もしくは送り火として行なわれてたんです。わらを束ねて縄を結んで、そこに火をつけてブンブン振り回すんですよ。リフを作っていた時にその光景が頭に浮かんだので、火祭りっぽい曲にしたんです。すごくテンションの高い祭りで、小学生までわらの束をブンブン回して、縄まで燃え尽きるとファイヤーボールが飛んでくるんですよ。それで火傷とかしたのが面白くて。

──「Mad Pierrot」はサーカステントの奇妙な世界が描かれていますが、これはどんな着想を得て生まれたんですか。

かみじょう:僕は必ずリフから作るんですけど、これもリフを作ったらテンションは高いけどダークなイメージがして、遊園地とかピエロを連想したんです。それでそのままピエロをタイトルに使いました。

──サーカスのような異次元空間をテーマにするのは、いかにもかみじょうさんらしいなと思ったんですよね。

かみじょう:多分、僕は9mmのなかで一番夢見がちな男の子で、自分が求められている曲はファンタジー系だと思うんですよ。

中村:自称“ファンタジー系”?(笑)

かみじょう:4人のなかで一番ドリーミンな性格なので(笑)。一応、他の3人が絶対に書いてこないような曲は狙ってますけどね。9mmで滝みたいな曲を僕が書くんだったら、別に僕が曲を書く必要はないので。滝は絶対にドリーミンな要素を出さないから、ドリーミンは自分の専門かなと思ってます。

中村:ドリーミンが何なのかよく分からないよ(笑)。

かみじょう:都合のいい言葉だね(笑)。8ビートのストレートな曲も書こうと思えば書けますけど、僕のなかのドリーミンが許してくれないんですよ(笑)。

──かみじょうさんは自分が書いた曲なら詞を書くまでが当然と考えているんですよね。

かみじょう:作詞と作曲は建造物みたいなものだと思ってるんです。外装が城みたいで内装がモダンな感じだとバランスが悪いし、それでケミストリーが生まれることもあるかもしれないけど、現場の責任者が総監督として最後まで任務を果たしたほうがいいと思ってるんですよ。だから詞は絶対に自分で書くようにしてます。

──結成10周年を迎えた頃までは滝さんがレコーディング現場の総監督を担っていたのが、近年では4人各自が楽曲ごとにその役目を務めるようになってきたわけですよね。

中村:まぁ、総監督って言うほど偉そうなものじゃないし、ガチガチに決め込むことはないですけどね。たとえば僕が書いてきた曲に対して、卓郎さんが「ギターの音はこんな感じで行こうと思ってるんだけど」って提案してくれたりする。一応は提案ってことになってるけど、どう転がっても良くなると思ってるし、各自スキルがあるので曲に合うか合わないかの判断はちゃんとできるんです。

──“QUATTRO A-Side Single”もそうでしたが、4人バラバラの個性を発揮した曲でもちゃんと9mmらしい整合性があるのが面白いですよね。

中村:そうですね。今回のアルバムは“QUATTRO A-Side Single”からの流れを引き継いでるし、おっしゃる通りだと思います。

──各人の個性が色濃く出た曲がある一方、「Lost!!」のような正調9mm節も健在ですね。「Lost!!」は全会一致でリード曲に選ばれたんですか。

かみじょう:僕の推すリード曲は「Lost!!」じゃなかったんですよ。「Lost!!」はリフがちょっとコミカルな曲だと感じたので、僕は「太陽が欲しいだけ」がいいんじゃないかと思ったんですよね。

中村:そんなふうにリード曲の候補はいろいろとあったんですけど、最終的に「Lost!!」に落ち着きましたね。

──まぁ、本作の収録曲はどれもリード曲になり得ますからね。

中村:そう、それがアツいって話なんですけどね(笑)。リード曲がすんなり決まらないくらいアルバム全体がいいってことですから。

──リード曲は「Lost!!」なのに、今度のツアーのタイトルは「太陽が欲しいだけ」だったりしますしね。

中村:その辺はいろんな曲に焦点が当たるようにした結果ですね。

──「Lost!!」はPVもまた素晴らしい仕上がりですよね。メンバーとダンサーが同じ空間で繰り広げるパフォーマンスが実に見事で。

中村:PVはホントに格好いいですね。あのPVは「カモメ(Strings Version)」のPVと同じ田辺秀伸監督の作品で、メインの女性ダンサーも入手杏奈さんという「カモメ」のPVと同じダンサーなんです。

 

名曲をかき消すようなドタバタも9mmらしい

──「太陽が欲しいだけ」は、アルバムの締めを飾る従来の曲とは毛色がちょっと違いますよね。いつもはもっと無機質でヘヴィかつラウドなドタバタ楽曲で有終の美を飾ることが多いけど、「太陽が欲しいだけ」はドタバタな要素がありつつもメロディの表情が明るいじゃないですか。その意味でありそうでなかった曲だなと思って。

中村:「太陽が欲しいだけ」はメロディの良さが際立ってるし、曲の展開の目まぐるしさがいつも以上にとんでもないんですよ(笑)。でもその展開の慌ただしさも、メロディがいいから成り立ってるんです。

かみじょう:「太陽が欲しいだけ」は滝が書き溜めていたストックにあった曲なんですけど、もともと9mmに向けて書いた曲じゃなかったんですよ。つまり卓郎が唄う前提で書かれたメロディじゃなかったので、ちょっと毛色が違うように感じるのかもしれませんね。

──なるほど。でも9mmらしいなと思うのは、「スタンドバイミー」のような大名曲で終われば二の線になるのに、「太陽が欲しいだけ」みたいなドタバタ曲をどうしても最後に入れてしまうところなんですよね(笑)。

かみじょう:僕らは鶏ガラの出汁が美味しいラーメンの最後に焦げたニンニクを投入するタイプですから(笑)。

中村:でも逆に、だからこその美しさが9mmにはあると思うんですよ。焦げたニンニクを投入しても台なしにはなってないじゃないですか(笑)。「やっぱりこう来るよね」っていう妙な安心感すらあると思うし、それがまたいいんじゃないですかね。

──「生命のワルツ」の歌詞は卓郎さんがメンバーに向けたもので、そのことをレコーディングの前に皆さんにメールで伝えたという話を聞いたことがあるのですが、それを受けてどう感じましたか。

中村:ああ、そうなんだ…って感じですかね(笑)。メンバー各自の存在が歌詞に影響を与えたりモチベーションにつながったのは嬉しく思いましたけどね。

かみじょう:確かオケを録った後に卓郎からそんなことを言われたと思うので、CDになった演奏には反映されていませんが、そういう気配りができる子なのね、とは思いました(笑)。ちゃんと成長しておじさんも嬉しいぞ、と(笑)。

──『Waltz on Life Line』という本作のアルバム・タイトルは「生命のワルツ」の英訳ということなんでしょうか。

中村:「生命のワルツ」を録った時に「Waltz on Life Line」というタイトルが洋題みたいな感じですでにあったんです。その洋題を滝さんが覚えていて、今回のアルバム・タイトルを決める段階で浮上してきたんですね。「気に入っていたタイトルだからどうだろう?」って。

──「生命のワルツ」は9mmが新たな段階へ踏み込んだ節目のシングル曲だったし、そのタイトルの派生語で行こうと?

中村:リリースしてちょっと時間が経ってるから最初はどうかなと若干思ったんですけど、字面も格好いいし、しっくり来たんですよね。

──今回のレコーディングで新たなに取り組んだことはありますか。

中村:「迷宮のリビングデッド」でスラップのベース・ソロを初めてやりました。他にも細かいことはいろいろとありますけど、これっていうのはあまりないですね。

かみじょう:僕も特にこれというほどのものはないですけど、すごく細かいことを言えば、「スタンドバイミー」のAメロでリニアパターンっていう音が重ならないフレーズを叩いてるんです。でもそれは滝が持ってきたアイディアで、それをそのままコピッただけなんですけどね。

──「生命のワルツ」がシングルで出た時、滝さんと和彦さんは完成度の高いデモを持ってくるという話を卓郎さんがしていたんですよ。自分のデモはちゃんとしていなかったから、「生命のワルツ」の時は曲を持ち寄るコンペで落選したと(笑)。

中村:まぁ、自虐的にそう言ってるだけだと思いますけど(笑)。

かみじょう:確かに、滝と和彦は音作りまで完璧に作ってくるよね。僕は音作りだけすごく適当で、あとはけっこうちゃんと作るんですけど。卓郎のデモはすごい適当ですね。ドラムが入ってない時すらありますから。

中村:かみじょうくんのデモは全楽器入ってるけど打ち込みなんですよ。「そのフレーズは歪むの? クリーンなの?」ってやり取りを必ずしますからね。

かみじょう:豆腐は豆腐屋に任せようと思ってるので。

中村:餅屋じゃなくて豆腐屋なんだ?(笑)

かみじょう:滝はドラムすらもちゃんと自分で叩いてきますからね。叩けないドラムは打ち込んできますけど。和彦はドラムだけ自分で叩いてないけど、ギターもベースも全部自分で弾いてますしね。僕のデモは全部打ち込みで縦の線(小節線)が完璧なので、実際に演奏すると面白いことが起こったりするし、それがバンドのカラーにもつながるんですよ。

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6th Album
Waltz on Life Line

初回限定盤(CD+DVD):COZP-1155〜6/3,800円+税
通常盤(CD):COCP-39538/2,800円+税
アナログ盤:COJA-9304/3,800円+税(初回生産限定)
2016年4月27日(水)発売

amazonで購入

【通常盤】
[CD]
01. 生命のワルツ
02. Lost!!
03. 湖
04. Mad Pierrot
05. 反逆のマーチ
06. ロンリーボーイ
07. Kaleidoscope
08. Lady Rainy
09. ダークホース
10. 誰も知らない
11. 火祭り
12. モーニングべル
13. 迷宮のリビングデッド
14. スタンドバイミー
15. 太陽が欲しいだけ

【初回限定盤】
[CD]
通常盤同様
[DVD]
◆QUATTRO A-Side Single『反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot』Release Party at SHIBUYA CLUB QUATTRO 2015.09.09
01. 荒地
02. Invitation
03. Mr.Suicide
04. Mad Pierrot
05. 黒い森の旅人
06. Trigger
07. Mr.Brainbuster
08. 悪いクスリ
09. 反逆のマーチ
10. Punishment
◆ゲリラライブ at TOWER RECORDS SHIBUYA 2015.09.09

Live info.

9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂
6月19日(日)日比谷野外大音楽堂[東京]
OPEN 17:00/START 18:00
前売 4,500円(税込)
問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888

9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”
6月24日(金)酒田 MUSIC FACTORY[山形]
6月26日(日)青森 Quarter[青森]
7月9日(土)長野 CLUB JUNKBOX[長野]
7月10日(日)富山 MAIRO[富山]
7月12日(火)京都 磔磔[京都]
7月13日(水)松阪 M'AXA[三重]
9月18日(日)熊本 B.9V1[熊本]
9月19日(月・祝)福岡 DRUM LOGOS[福岡]
9月21日(水)松山 W studio RED[愛媛]
9月22日(木・祝)高松 オリーブホール[香川]
9月30日(金)広島 CLUB QUATTRO[広島]
10月2日(日)米子 AZTiC laughs[鳥取]
10月8日(土)Zepp Sapporo[北海道]
10月10日(月・祝)Zepp Tokyo[東京]
10月16日(日)Zepp Nagoya[愛知]
10月22日(土)仙台 PIT[宮城]
10月30日(日)Zepp Namba[大阪]