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9mm Parabellum Bullet(Rooftop2016年5月号)

 結成12年目を迎え、自主レーベル「Sazanga Records」に活動の軸を据えて作品を発表していくことを高らかに宣言した9mm Parabellum Bullet。オリジナル・アルバムとしては約3年ぶりの作品となる6th Album『Waltz on Life Line』は、昨年発表された"QUATTRO A-Side Single"と同様、メンバー全員が作曲とプロデュースに携わった異色作であり意欲作だ。嗜好と志向が四方それぞれへ向かう各メンバーの個性が色濃く投影されつつも決して四散することなく、どこを切り取っても9mmでしかない高水準かつ多彩な楽曲を取り揃えている。四者四様の作曲&プロデュース力は本作でさらに深みを増し、とりわけ、かみじょうちひろ(ds)と中村和彦(b)が作曲家としての才を目覚ましく開花させた作品として後年記憶に残るのではないだろうか。メイン・コンポーザーである菅原卓郎(vo, g)と滝善充(g)と比肩する作曲能力を会得するに至った道程、従来と異なる手法で臨んだアルバムの制作過程、収録楽曲の誕生秘話について、パートのみならずメンバー間における通奏低音の役割を担うかみじょうと中村に話を聞いた。(interview:椎名宗之)

4人それぞれの個性を打ち出すのがテーマ

──自主レーベルを主軸とした活動を展開していくにあたって、周囲を取り巻く環境は変化してきましたか。

中村:関わる外部のスタッフは変わりましたけど、それで自分たちの音楽が急に変わるわけでもないし、9mmとしてやりたい音楽を続けるために周りのいろんな環境を変えた結果、こうなったという感じです。

かみじょう:環境が変わったのは、むしろ新鮮でいいですね。制作に関しては特に変わったところがないし、ディレクターからこうしろああしろっていうのはいまも昔も何もないんですよ。すごく自由にやらせてもらってますね。

──オリジナル・アルバムでは過去最多の収録曲ですが、6th Single「生命のワルツ」と“QUATTRO A-Side Single”の4曲はやはり今回のアルバムには不可欠だという気持ちが強かったんですか。

中村:そこまで強い思いがあったわけでもないですけど、シングルとしてリリースしてあったのも入れるでしょ? みたいな意識が自然とありましたね。

──今回初披露となる新曲はいつ頃から着手していたんですか。

中村:去年の年明けくらいからメンバーそれぞれ曲作りをする時期があって、それは“QUATTRO A-Side Single”のための期間でもあったんですけど、その時点でアルバムを1枚作れるくらいの曲数があったんです。去年1年間かけて今回のアルバムの曲を詰めていきましたね。

──メンバー4人が同じ割合で曲作りをするようになったのは、滝さんが『Next Bullet Marks Tour 2014』のファイナル公演で骨折したことがきっかけなのか、それともその時期にそういったプランがすでに進行していたのか、どちらなんでしょう?

中村:当時からみんなで曲作りをしようって話はしていて、たまたま滝さんが骨折した時期と重なったんですよ。一昨年の結成10周年を一区切りとして、11年目はもっとマイペースに曲を作って、その次に向けた準備期間を設けようとしてたんです。

──それにしても、全15曲中7曲という約半数がかみじょうさんと和彦さんの手がけた楽曲というのは新鮮ですね(かみじょう=3曲、中村=4曲)。

中村:過去最多ですからね。それだけ仕込みの時期に曲がいろいろと出来てたし、それぞれの持ち寄った曲がバランス良く入ったアルバムになるのかなとは漠然と思ってました。

──いままで以上の楽曲を持ち寄ることにプレッシャーはありませんでしたか。

中村:特になかったですね。まぁ何とかなるだろうと思ってたし、何とかするつもりでいたし、それなりに頑張った感もありますし(笑)。

かみじょう:僕もプレッシャーはなかったし、どんな曲を書いても大丈夫だろうと思ってました。たとえば歌詞はメンバーやスタッフの添削が入ったり、曲のコード的に危うい部分は滝が口出ししてくるだろうと思っていたので(笑)。

──でも、「Mad Pierrot」はデモの段階からギター・ソロ以外はかなり作り込んであって、それをほぼ活かしたと滝さんが話していましたけど。

かみじょう:「Mad Pierrot」はそんな感じでしたね。昔は作曲のことを何も分かっていなかったので滝からいろいろと言われましたけど、最近は何も言われなくなりました。何か言われるにしても1、2点とか。

──その1、2点とはどんなことですか。

かみじょう:たとえばコードCだったら「ドミソ」が構成音なので、「ドミソ」で音を伸ばしたほうがいいんですよ。そこで「レ」が長すぎると音がぶつかるのでやめておいたほうがいいとか、そういう専門的なことですね。

──以前に比べて滝さんからの指摘が減ったのは、それだけ二人の作曲能力を信頼していることの表れのように思えますが。

中村:僕はもともと滝さんから何か言われるようなことはなかったんですけど、今回は4人それぞれの個性を打ち出すのが一つのトピックだったし、各自のやりたいことを尊重するのが基本姿勢としてありましたね。

 

やったことのないことを詰め込んだ「迷宮のリビングデッド」

──和彦さんが作曲した曲はストレートな8ビートが多いですよね。「ダークホース」然り、「ロンリーボーイ」然り。

中村:そうですね。今回は特にそういう曲を意識して作りました。その2曲は使ってるコードも少なめで、メロディとバンドのグルーヴ感が際立つようになればいいなと思って作ったんです。

──「湖」は儚げなメロディと緩急のついたアレンジが織りなすドラマティックな構成の曲で、和彦さんの作曲能力の新たな一面を見た気がしましたね。

中村:「湖」は最初、ゆっくりな所とテンポが速くなる所が別々にあったんですよ。要は2曲分のアイディアを1曲にまとめたんです。その結果、静と動の相反するイメージを1曲の中で表すことができました。

──「迷宮のリビングデッド」もユニークな曲ですよね。メタリックで重厚なアンサンブルと切なくメロディアスな曲の展開が絶妙なバランスで溶け合っていて。

中村:自分でも変わった曲だと思いますね。後半のほうは展開も多いし、ソロの見せ場もあるし。この曲で初めて作詞にも取り組んだし、いままでやったことのなかったことを詰め込みました。

──他のメンバーやスタッフからの勧めもあって作詞デビューしたんですか。

中村:いや、勧めは一切なかったんですけど(笑)、メロディを付けてる時に言葉も同時に考えていけば、自分がもっと納得のいくメロディが出来るんじゃないかと思って。それで卓郎さんと相談して、自分で作詞をやってみることにしたんです。

──作詞にあたっては卓郎さんからアドバイスを受けたりしたんですか。

中村:アドバイスと言うほどでもなかったですね。最初は自分の書きたいように書き上げて、ちょっと寝かせてから卓郎さんに見せて、「俺だったらこうするけどね」みたいな話を聞いてからちょっと手直しした感じです。自分でもどんな歌詞を書くのか分からなかったので、面白い経験ができました。

──かみじょうさんは和彦さんの詞を読んでどう感じましたか。

かみじょう:言葉使いが強いのが多いし、卓郎とは違うなと思いました。あと、LUNA SEAが好きなのかな? って(笑)。

中村:そうかな?(笑)

かみじょう:知人や友人に新作を聴いてもらって、「和彦くんってLUNA SEA好きでしょ?」って5人くらいに言われましたからね(笑)。

中村:まぁ、「好きでしょ?」って訊かれたら「好きです」って答えますけど(笑)。でも、そうかなぁ……「迷宮のリビングデッド」の歌詞は、伝えたいテーマみたいなものが全くなかったんです。雰囲気重視って言うか。

──「迷宮のリビングデッド」は和彦さん恒例のシャウトが本作で唯一聴ける曲でもありますね。

中村:シャウトは必殺技なので、そんなにしょっちゅうやらないほうが逆に美味しさが増すかなと思って(笑)。

──一方、かみじょうさんが作詞・作曲を手がけた曲は、「Kaleidoscope」も「火祭り」も9mmのど真ん中と言うよりは変化球勝負みたいなテイストですよね。

かみじょう:自分が聴くぶんにはフレーズがずっとリフレインするような、リフが気持ちいい曲が好きなんですけど、自分が演奏するとなるとすごく飽きっぽいんですよ。自分で作曲していて、Aメロが20秒続いたとして、その後に来るBメロが30秒続いたらつまんねぇなと思ってすぐに変えちゃうんです。9mmの各々が演奏してるのを想像すると、そっちのほうがいいんじゃないかとも思うし。あと、和彦がストレートな8ビートの曲を持ってくることが多いし、自分まで8ビートの曲を持ち寄ったら昔のロック・バンドみたいになってしまうので(笑)。

──「Kaleidoscope」は文字通り万華鏡を音像化したようなうねりと広がりのある曲で、万華鏡の内部のビーズが極彩色に変化していく様が荘厳な佇まいのアレンジから見て取れますね。

かみじょう:その辺は狙いましたよ。ちょっと和のイメージっぽくしたかったので、万華鏡をテーマに歌詞を書いたんです。

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6th Album
Waltz on Life Line

初回限定盤(CD+DVD):COZP-1155〜6/3,800円+税
通常盤(CD):COCP-39538/2,800円+税
アナログ盤:COJA-9304/3,800円+税(初回生産限定)
2016年4月27日(水)発売

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【通常盤】
[CD]
01. 生命のワルツ
02. Lost!!
03. 湖
04. Mad Pierrot
05. 反逆のマーチ
06. ロンリーボーイ
07. Kaleidoscope
08. Lady Rainy
09. ダークホース
10. 誰も知らない
11. 火祭り
12. モーニングべル
13. 迷宮のリビングデッド
14. スタンドバイミー
15. 太陽が欲しいだけ

【初回限定盤】
[CD]
通常盤同様
[DVD]
◆QUATTRO A-Side Single『反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot』Release Party at SHIBUYA CLUB QUATTRO 2015.09.09
01. 荒地
02. Invitation
03. Mr.Suicide
04. Mad Pierrot
05. 黒い森の旅人
06. Trigger
07. Mr.Brainbuster
08. 悪いクスリ
09. 反逆のマーチ
10. Punishment
◆ゲリラライブ at TOWER RECORDS SHIBUYA 2015.09.09

Live info.

9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂
6月19日(日)日比谷野外大音楽堂[東京]
OPEN 17:00/START 18:00
前売 4,500円(税込)
問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888

9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”
6月24日(金)酒田 MUSIC FACTORY[山形]
6月26日(日)青森 Quarter[青森]
7月9日(土)長野 CLUB JUNKBOX[長野]
7月10日(日)富山 MAIRO[富山]
7月12日(火)京都 磔磔[京都]
7月13日(水)松阪 M'AXA[三重]
9月18日(日)熊本 B.9V1[熊本]
9月19日(月・祝)福岡 DRUM LOGOS[福岡]
9月21日(水)松山 W studio RED[愛媛]
9月22日(木・祝)高松 オリーブホール[香川]
9月30日(金)広島 CLUB QUATTRO[広島]
10月2日(日)米子 AZTiC laughs[鳥取]
10月8日(土)Zepp Sapporo[北海道]
10月10日(月・祝)Zepp Tokyo[東京]
10月16日(日)Zepp Nagoya[愛知]
10月22日(土)仙台 PIT[宮城]
10月30日(日)Zepp Namba[大阪]