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THE STREET BEATS【後編】(Rooftop2016年4月号)

 前号に引き続き、ザ・ストリート・ビーツの通算24作目となるオリジナル・アルバム『PROMISED PLACE』をめぐるOKI(vo, g)のインタビューをお届けしよう。果てのある人生を精一杯生き抜こうと聴き手の心を鼓舞させる骨太な楽曲が揃った最新作の話から一歩踏み込み、バンドマンとしてのOKIの矜持や人生観が語られたこのインタビューで感動的なのは、かつて「明日のことなんて 約束できない」と唄っていた男が大切な友や仲間に向けて約束の場所へ集えと自ら呼びかける境地に達したことである。"歌うたいのクロニクル"はまさに現在進行形で次の一頁がめくられていくのだ。ビーツに32年分のクロニクルがあるように、僕らにも僕らにしか綴ることができないクロニクルが存在する。人生という流転の旅を続ける限り、クロニクルの頁は増えていく。過去の頁は消せないが、これからの章は自分次第で希望に満ちたものにできる。その助力として『PROMISED PLACE』という作品は絶大な効果を発揮するだろうし、生きる糧となり得る音楽の力を実感するはずだ。(interview:椎名宗之 / Photo:菊池茂夫)

聴いた人が元気になる音楽じゃなければ意味がない

──どれだけ苦境に立たされても抗い続け、燃え立つような情熱を武器に生き抜けというのが、今作の中でリスナーに向けて一番伝えたいことでしょうか。
OKI:自分はビーツの音楽を通じて世の中と関わりを持っているし、聴いてくれた人が元気になってもらえる音楽をやりたいし、そんな音楽じゃなければやる意味がないんです。その思いが以前に増して、特にここ2作で強くあるんです。自分の役割とは何か、自分がどう生きたいのかを考えると、やっぱり人が元気な姿を見たいわけだし、落ち込んでるヤツがいたら背中を押せる音楽をやるほうがいいわけだし。そこはもうはっきりしているんですよ。絶望よりも希望を唄うべきだと俺は思うし。いろんな人たちがいろんな音楽をいろんな立場で発表しているわけだから、いろんな表現の形があってもちろんいいんだけど、その中で俺はこういう表現をやります、ってことですよね。その表現を求める人が聴いてくれればいいわけで。
──OKIさんがそんな境地に至ったのは、たとえば岩手県大槌町の『おおつちありがとうロックフェスティバル』や福島県南相馬市の『騎馬武者ロックフェス』に参加するようになったことも大きいですか。
OKI:改めて思うに、震災以降のこの5年というのがやっぱり大きいです。それは自分たちだけに限らないと思いますけどね。誰かが逆境や困難にぶつかった時に、音楽なりロックなりが微力ながらでも、本当に僅かだとしても力になれることがあるんだと思うに至ったミュージシャンが多かったと思うんです。音楽だけに限らず、人の力を再認識した部分も大きい。人が物事を動かす力、人が人を動かす力。そのひとつひとつは小さいけれども、それがあってこそ物事は動く。そんなことを震災以降の5年間で強く感じましたね。
──未曾有の天災に見舞われて、その復興に向けてロックが担える役割とは何なのかを、板の上に立つ人ならば誰しも考えざるを得ない5年間だったと思います。
OKI:今回のアルバムには「果てのある人生だからこそ」(「STRAIGHT SOUL'S LULLABY」)とか「果てある時 だからこそ」(「紺碧の空高く」)という歌詞がありますけど、人生に限りがあるからこそ、情熱が根底になければ何事においても始まらないんです。ライブにしても、同じ2時間なら2時間に込める気合いや入れ込み具合のハードルが自分の中で上がりましたからね。それもやっぱり、果てのある人生だからこそなんです。
──生半可な作品は出せないというハードルもまた一段と上がったのでは?
OKI:この3作に関しては明らかに上がってますね。若い頃は勢いや雰囲気だけでジャムったフレーズをベースにした曲で突っ走ることがあるじゃないですか。それはそれでアリだと思うし、それがいけないとは思わないけれども、いまの自分としては頭の中で鳴っている音を形にしたいんですよ。こんな音を出してみたい、これを形にすれば絶対にみんな盛り上がるはずだ、っていう音を。それを何とか形にしたいというスイッチが入ってからは夢中になって取り組めるんです。

_MG_0671_main.jpg──ライブではすでに披露されている「約束の場所」も手応えを充分感じられているとのことで、頭の中で鳴っていた音をオーディエンスと共有できる喜びは何物にも代え難いものでしょうね。
OKI:ライブでは思いを分かち合えるかどうかがすべてなんです。大の大人が集まって、大汗をかきながら拳を突き上げて大声で一緒に唄ってくれたら最高ですね。
──今作もライブ映えする楽曲が多いですからね。じっくりと聴かせるバラッドは「今夜、戦士を包む夢」くらいで、あとはどれも直情径行のアッパー系もしくはミッドな曲ばかりですし。
OKI:テンポはあまり関係ないんですよ。ビーツのリスナーはアップテンポのナンバーだとしても、ちゃんと詞を聴いてますから。ライブでもアップテンポの熱いナンバーで拳を突き上げながらグッときてる連中が多いですしね。
──「今夜、戦士を包む夢」も曲調はロマンティックな雰囲気ですけど、決して甘さだけに流されないじゃないですか。理不尽な困難に満身創痍で立ち向かう男がふと見せる哀愁が詞の行間からにじみ出ているからだと思うのですが。
OKI:やっぱり、どこか苦みのあるものが胸に引っかかるんですよね。自分自身が耳障りの良い言葉を好んでないからでしょう、おそらく。もっとざらっとした言葉で、それでいてロマンティックなものが好きなんですよ。まぁ、一般的なロマンティックという感覚とだいぶかけ離れているとは思いますけど(笑)。
──でも、ギター一本をジャーンと無邪気にかき鳴らして思いの丈をありのままに唄い続けるピュアさは、ある種のロマンに通ずる気もします。
OKI:漢字で書く「浪漫」って言葉があるでしょう? あれがしっくりくるんです。やっぱり人生は浪漫ですから。突き詰めればそこですよね。
 
PROMISED PLACE

DDCB-4004
定価:2,500円+税
発売元:NEO VISION/スペースシャワーミュージック
販売元:株式会社スペースシャワーネットワーク
2016年4月6日(水)発売

amazonで購入

【収録曲】
01. 約束の場所
02. 紺碧の空高く
03. STRAIGHT SOUL'S LULLABY
04. GREEN DAYS GREEN
05. 歌うたいのクロニクル
06. ALWAYS LOVING YOU
07. BAD NEWS SHOW
08. HOPE IN MY HEART
09. 今夜、戦士を包む夢
10. 情熱の彼方

Live info.

TOUR 2016 “PROMISED PLACE”
3月21日(祝)大阪 KING COBRA【REBEL ROCK JAM】
4月9日(土)仙台 CLUB JUNK BOX【REBEL ROCK JAM】
4月10日(日)秋田 LOUD Affection
4月16日(土)名古屋 TINY7
4月17日(日)大阪 Music Club JANUS
4月23日(土)長野 SKY【REBEL ROCK JAM】
4月24日(日)横浜 BAYSIS
5月7日(土)名古屋 SPADE BOX【REBEL ROCK JAM】
5月8日(日)さいたま新都心 HEAVEN'S ROCK VJ-3
5月14日(土)千葉 LOOK
5月15日(日)札幌 SUSUKINO 810【REBEL ROCK JAM】
5月21日(土)盛岡 GLOBE
5月22日(日)郡山 CLUB #9
6月4日(土)豊橋 club KNOT
6月5日(日)神戸 太陽と虎
6月10日(金)福岡 DRUM SON
6月11日(土)広島 SECOND CRUTCH
6月19日(日)東京 新宿LOFT【TOUR FINAL】