仲が良いからこそ“削り合い”ができる
──ちなみに、最近の日常生活で起こったミステリーな経験は何かありますか。
Saori:私はジャンボっていう名前のネコを飼っていて、よくクローゼットの中に入っちゃうんですね。ある時、家で寝てたら、ヘンな物音がしたんです。またジャンボの仕業かなと思って「ジャンボ?」って声をかけたら、ジャンボがいなくて。しかもその物音がパチン!っていう凄く高い、言葉では言い表せない音で、その音は前の日にカラオケのトイレでも聞いたんですよね。だから、何かを家に連れて帰ってきちゃったのかな? と。でも全然怖くなくて、「何かいるんだなぁ…」くらいに思って(笑)。決して悪いものではないと思うんですけどね。
──Saoriさんは何かを引き寄せてしまう力があるんですかね?
Saori:かもしれません。あ、あと、ある日突然知らない番号から電話がかかってきたことがあるんですよ。誰かな? と思って電話に出たら、「お前、いつになったら帰ってくるんだよッ!?」って見ず知らずのお爺さんがもの凄い剣幕で怒ってて。その時は怖くて切っちゃったんですけど、それからそのお爺さんから何度も何度も電話がかかってきて、「あの、間違えてると思うんですけど…」って話しても伝わらなくて、最終的には警察に連絡しました。
Miho:えー! 怖い!
Saori:私はそういう日常のミステリーに囲まれて生きてますね(笑)。
Mikiko:Saoriはよく「今、何かが目の前を通った」とか話してるもんね。
──MihoさんとMikikoさんはそういう経験がないんですか。
Miho:私はちっちゃい頃に霊感があったんですよ。女の子の霊を見たこともあったし。誰にも信じてもらえない話がひとつだけあって、私、怪獣を見たことがあるんです。
Mikiko&Saori:ええッ!?(笑)
Miho:バルタン星人みたいな怪獣が線路の中を歩いてたんですよ。私がお父さんと一緒に幼稚園に行く時に踏切が閉まって、その後に怪獣が杖を持って歩いてたんです。
Saori:杖? 長老だ!(笑)
Miho:で、お父さんと「いるね…」って話して。電車が通過した後には何もいなかったんですけどね。何年か経ってお父さんに「幼稚園の頃、怪獣を見たことがあったよね?」って話したら、「実を言うと、お父さんもちっちゃい頃に家の裏で怪獣を見てるんだよね」って聞かされたんですよ。
──今後のドラマに使えそうですね(笑)。この先のMGPの目標はどんなものでしょう。
Miho:いろんな人たちにMGPのパフォーマンスを見てもらいたいというのはメンバー全員一致してますね。大きな会場でライブをやりたいし、いろんなお客さんを目の前にした単独ライブをやるのが今のところ目標ですね。普段は鹿鳴館をホームグラウンドとしてライブをやらせていただいてるんですけど、それはMGPのロック調のかっこいい曲が映える場所だからなんです。
Mikiko:意外に思われるかもしれませんけど、ライブに来てくださる半分以上が女性なんですよ。女性が憧れる女性アーティストは私たちも目指してる部分なので嬉しいですね。
──同性から好かれるために努力していることはありますか。
Mikiko:イメージですかね。SaoriがMCをやってる『オフレコミステリー』というネット番組ではMGPの素の部分も見せてるんですよ。
──そこはミステリーにしないんですね。
Miho:ステージとのギャップを楽しんでもらえたら嬉しいので、普段の私たちも見てもらいたいんですよ。
Mikiko:削り合いとかけなし合いとかあったりするので(笑)。
──削り合い!?
Mikiko:CDのマスタリングをしてくださった方が私たちの会話を聞いて、「削り合ってるねぇ」って言ってくださいまして(笑)。
Saori:ツイッターでは“削り合い”のハッシュタグまであるんですよ(笑)。
──削り合うほどのバトルがレコーディング中にあったんですか。
Miho:今回、メンバー同士のいじり合いがけっこう激しかったんですよ。
Saori:Harukaっていうメンバーが今一番削られてるんですけど、彼女は喋るトーンが低いので、それをみんながマネをしてからかったりとか。
Miho:MGPのメンバーなら誰もが一度は通る道ですね(笑)。
Saori:女の子同士だけど、外見のことでもけなし合ったりしてますからね。
──仲が良いようには全然思えませんけど、大丈夫なんですか?(笑)
Saori:いや、仲が良いからこそ削り合いができてるんですよ。
Mikiko:周りが聞くと驚くかもしれませんけど、自分たちは楽しんでやってますからね。
──たとえば、『V Generation』のジャケットはMihoさんとMikikoさんが前のほうに出ていて、Saoriさんは後ろのほうじゃないですか。その立ち位置をめぐって削り合いはないんですか。
Saori:ないですね。CDのトレイ部分の中ジャケットは逆に私やAnnaさんが前に出ていて、均衡を保っているので。そこは削り合いではなく助け合いですね(笑)。
■近藤佳奈子
ボイスドラマに声優「井口裕香」、楽曲制作に「坂本英三」ほか豪華クリエイター陣が参加したニュー・アルバム『fraction』を発表!
今回のアルバム『fraction』は、バンド・サウンドを中心に多彩な曲を展開します。アルバムのプロデューサーは高濱祐輔さん。楽曲制作には、元ANTHEMのボーカリスト・坂本英三さんを始めとする多彩な豪華クリエイター陣に参加していただいております! 英三さんには、「Sweet Chain」という楽曲を作詞・作曲していただきました。静と動を描いたような恋の歌。とてもかっこいいんです! 上手く表現できるかとても不安でしたが、「良かったよ!」と英三さんからお言葉をいただけましたので嬉しかったです。
近藤自身も、作詞・作曲を数曲やらせていただきました♪ アルバムの中で、「Sweet Chain」以外でのお気に入りは「Duelist」です。高濱プロデューサーの作曲なのですが、この曲をいただいた時に「唄ってみたい!」と思ったんです。そこからインスピレーションを膨らませて、近藤が作詞をさせていただきました。疾走感のある、かっこいい曲です! 歌詞は、放浪者をテーマに書き上げました。
その他にも、曲もそれぞれ違った輝きを持った素敵な曲が揃っていますし、歌詞もかわいらしいものからギラリと光る内容のものまでいろいろありますので、是非余さずチェックしてみてくださいませ。
さらに、声優の特色を活かすためにボイスドラマも収録しました! アルバムの世界観を彩るこのボイスドラマには、『とある魔術の禁書目録』でもお馴染みの声優「井口裕香」さんにゲスト出演していただきました。
アルバム・タイトルの『fraction』は、カケラ、断片、という意味。今回は、感情のカケラをほんの少し、断片的に詰めてみました。聴いてくださる方の心にカケラが刺さることを祈っています。『fraction』、是非聴いてみてください! よろしくお願いいたします!(text:近藤佳奈子)